銀河の果ての剣豪、見参。
眩しい太陽を背にして登場するそのさまは、昔テレビで見た戦隊ヒーローみたいだった。
その存在は、六メートル程の未来的な金属の体躯を豪快に高速回転させて獣怪獣の背中にしがみつき、私とヒボシを掴もうとする巨腕の内二本を押さえつけては、逆向きにバキバキッと大樹を倒すようにへし折った。
獣怪獣はメリケンパーク一帯に響く程の、やけに音が通る絶叫を上げた。
そして、そのヒーローはサマーソルトみたく、獣怪獣の背後で宙返りして鮮やかに着地した。
獣怪獣の咆哮と同時に、体が動くようになったのを私は感じる。
「ソリッドマン!!!」
それが私の第一声。弟が大好きだった異形の名だ。
「ラクノ!!あれはっ!?」
ヒボシは呆気にとられている。
「あれは……」
激痛でのたうち回る獣怪獣を前に、私はソリッドマンとは何なのかと言い淀んだ。
ソリッドマンは目をレーダーみたいにビカビカ光らしてこちらを見ている。
カナタの記憶がまた浮かんだ。
『ソリッドマンは最強なんだ!最強にかっこいい正義の味方なんだよお姉ちゃん!!』
「あれは……正義の味方……だよ」
私はソリッドマンを見ながら言った。
今、私達を助けてくれた事、可愛い弟の熱量のある言葉、それだけで十分証明となるだろう。
「そっか。かっこいいね!!!」
ヒボシはソリッドマンにサムズアップをきめて、ありがとうと叫んだ。
ソリッドマンはそれに反応したかのように、背中にある八本の刀の内、緋色と翡翠の刀を引き抜いて、魔の国の刀王しか知らないような極致の剣技の構えを繰り出した。
銀河の果ての剣豪が、今この場所に見参した。




