奇妙な夢だった、あれ?どんなだっけ?
夢?
前と同じ孤島だ。穢れの無い孤島。
私は島の中央にいる。体は無い。
近くに二つの存在を感じる。
目の前と、上空。
目の前には女性がいた。鮮やかな紫が彩る美しい髪に、スラっと伸びた四肢。服は真紅のドレス。三白眼みたいな特徴的な瞳。
きっと魔女だ、そう感じる。
上空には、天を覆う十の頭を持つ蛇竜。信じられない程に大きい。頭は蛇のようだが能面みたいでもあり、表情の無いエイリアンみたいだ。
誰も敵うはずがない存在。
不意に聞いた。
「私、どうしたらいいの?」
真紅のドレスの魔女は薄っすら笑う。
間もなく感じた。
あらゆる光が無限の世界で輝く気配を。
私もその一つみたいだ……
蝙蝠のデーモンを倒した後、私は小一時間気絶していたらしく、その間、ヒボシが 回復魔術を施してくれていたらしい。
なんだか奇妙な夢を見ていた気がするが、あまり覚えてはいない。
しかし、まだ動くのが中々にしんどかったので、取り敢えずタクシーで家まで帰る事にした。
ヒボシもついて来てくれるといったので、私達はタクシーに乗り込み私の家に向かう。
ヒボシは後部座席で、まだふらつく私に青白い格子状の回復魔術をかけてくれていたのだが、タクシーの運転手が「器用だねー最近の若い子は、アプリかい?」と訳の分からない事を言ったので、二人で思いっきり吹き出した。
運転手のおじさんは若い女の子を笑かせたのが嬉しかったらしく、昔は芸人を目指していただとかを勝手に語りだし、その興味の無さが子守唄代わりになり、私はベストな状態でなんとか自宅まで帰る事が出来た。




