第95話 ちょっと休憩
数学を一通り終えたころ。
「ふぅー……。」
桃華が大きく伸びをした。
「疲れたぁ!」
「まだ一教科だけだけどね。」
こむぎが苦笑する。
「でも、ずっと座ってると疲れるし。」
凜空も肩を回した。
「ちょっと休憩しよ!」
「賛成!」
桃華は待ってましたと言わんばかりに、自分のバッグを開ける。
「じゃじゃーん!」
中から出てきたのは、小袋に入ったお菓子だった。
「やっぱり持ってきてたんだ。」
こむぎが笑う。
「勉強会にはお菓子が必要なの!」
桃華は胸を張る。
「それ、最初にも言ってたね。」
凜空が笑いながらツッコむ。
桃華は袋を開けると、机の真ん中へ置いた。
「みんなで食べよ!」
「ありがとう。」
こむぎは一つ手に取る。
「いただき!」
凜空も笑顔で手を伸ばす。
悠真も小さく会釈をして、一つだけ取った。
「悠真、一個だけ?」
凜空が不思議そうに聞く。
「十分。」
「相変わらず少食だな。」
「普通。」
「いや、それは普通じゃないって。」
凜空が笑うと、みんなもつられて笑った。
お菓子を食べながら、四人は何気ない話を始める。
「そういえばさ。」
桃華が口を開く。
「夏休みの宿題、どこまで終わった?」
「私は半分くらいかな。」
こむぎが答える。
「俺もそれくらい。」
凜空が続く。
三人の視線が悠真へ向く。
「……ほとんど終わった。」
「えぇ!?」
桃華が思わず声を上げる。
「もう!?」
「早すぎない?」
こむぎも少し驚く。
「計画通りにやっただけ。」
悠真は落ち着いたまま答えた。
「計画通りってできる人、本当にいるんだ……。」
凜空が感心したように言う。
「私なんて最終日に焦るタイプなのに。」
桃華が苦笑する。
「桃華なら想像つく。」
凜空が笑う。
「ひどーい!」
桃華は少し頬をふくらませる。
「でも否定できないでしょ?」
「……できない。」
そう言うと、桃華は照れくさそうに笑った。
その様子を見て、こむぎも悠真も自然と笑みを浮かべる。
しばらくして、お菓子も食べ終わり、こむぎが時計を見た。
「そろそろ再開しよっか。」
「はーい!」
桃華は元気よく返事をする。
「今度こそ集中する!」
「その言葉、信じてるからね。」
こむぎが笑う。
「もちろん!」
桃華は勢いよく教科書を開いた。
「よーし、次の教科も頑張るぞー!」
「その意気。」
凜空が笑顔で親指を立てる。
四人は再び机を囲み、賑やかな勉強会を続けるのだった。




