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第94話 集中…できる?

「じゃあ、まず何からやる?」


こむぎがノートを開きながら聞く。


「数学!」


桃華が元気よく答えた。


「一番苦手だから!」


「最初からラスボスじゃん。」


凜空が笑う。


「苦手なら最初に終わらせた方がいいだろ?」


悠真が教科書を開く。


「それもそうだね。」


こむぎもうなずいた。


四人はそれぞれ問題を解き始める。


部屋に静かな時間が流れた。


カリカリ……。


シャーペンの音だけが聞こえる。


数分後。


「うーん……。」


桃華が鉛筆を止めた。


「もう分かんない!」


「早いって。」


凜空が思わず笑う。


「まだ一ページしか進んでないぞ?」


「だってこの問題難しいんだもん!」


桃華は教科書をこむぎの方へ向けた。


「こむぎ、教えて!」


「いいよ。」


こむぎは問題を見る。


「ここはね、まずこの式を先に計算して……。」


「おぉー。」


桃華は何度もうなずく。


「なるほど!」


「分かった?」


「たぶん!」


「たぶん?」


凜空が苦笑する。


「もう一回やってみる!」


桃華は新しい問題に挑戦した。


しばらくすると、


「できた!」


嬉しそうにノートを見せる。


こむぎが確認すると、


「うん、合ってるよ!」


「やったー!」


桃華は小さくガッツポーズをした。


「すごいじゃん。」


凜空も笑顔になる。


「教え方うまいな。」


「え?」


突然言われ、こむぎは少し驚く。


「そうかな?」


「うん。説明分かりやすかった。」


「ありがとう。」


少し照れたように笑うこむぎ。


その様子を見ていた悠真も、小さくうなずいた。


「確かに。」


短い一言だったが、こむぎは嬉しそうに笑った。


「よーし!」


桃華が勢いよく立ち上がる。


「この調子で全部終わらせる!」


「今度は途中で諦めないでね。」


凜空が笑う。


「大丈夫!」


そう言って座り直した桃華は、


「……あ。」


「またどうした?」


「今度はシャーペンの芯なくなった。」


部屋が一瞬静まり返る。


「桃華!」


凜空が思わず笑いながらツッコむ。


「今日は忘れ物多すぎ!」


笑い声が部屋いっぱいに広がり、勉強会はまだまだ賑やかに続いていくのだった。

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