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第85話 波のプール

「次は波のプール!」

桃華が先頭を歩き出す。

「こっちこっち!」

四人は人混みを抜け、波のプールへ向かった。

目の前には大きなプールが広がり、たくさんの人が楽しそうに遊んでいる。

「広いね」

こむぎが辺りを見回す。

淡い水色の耳が、興味深そうにぴくりと動いた。

「もうすぐ波が来るみたい」

悠真がプールサイドの案内板を見ながら言う。

『次の造波まで あと1分』

「ちょうどいいじゃん!」

桃華は待ちきれない様子で水の中へ入っていく。

「冷たーい!」

「さっきも入っただろ」

凜空が笑う。

「それとこれとは別!」

「何が違うんだよ」

四人は笑いながら、腰くらいまで水に浸かった。

ブザーが鳴る。

「お、始まる」

凜空が沖の方を見る。

最初は小さな波。

それが少しずつ大きくなっていく。

「わっ」

こむぎはバランスを崩しそうになり、一歩後ろへ下がった。

「大丈夫?」

悠真が声をかける。

「うん、大丈夫」

その直後、少し大きな波がやって来る。

「きゃっ」

こむぎは思わずよろける。

すると、悠真がとっさに腕をつかんだ。

「気をつけて」

「……ありがとう」

こむぎは少し照れくさそうに笑う。

その様子を少し離れたところで見ていた桃華は、にやっと笑った。

(なんかいい雰囲気じゃん)

そんなことを思ったものの、口には出さなかった。

「おーい!」

凜空が大きく手を振る。

「こっち来いよ!」

桃華はすぐに走り出す。

「待ってー!」

二人は次々と来る波に笑いながら飛び込んでいく。

こむぎもその様子を見て、小さく笑った。

「私たちも行こっか」

悠真は静かにうなずく。

「ああ」

二人も波の方へ向かった。

しばらく遊んでいると、放送が流れる。

『まもなく造波を終了します』

「もう終わりかぁ」

桃華が少し残念そうに言う。

「結構遊んだしね」

こむぎが答える。

凜空は腕を組んだ。

「そろそろお昼じゃない?」

悠真が時計を見る。

「もう十二時過ぎてる」

「ほんとだ!」

桃華は目を丸くした。

「遊んでたらあっという間じゃん!」

「お腹すいた」

こむぎが小さく笑う。

「じゃあご飯にしよう」

凜空が歩き出す。

四人はプールサイドを後にし、フードコートへ向かった。

夏休み最初の日は、まだまだ続く。

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