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第82話 夏休み初日

ジリリリリ――。

目覚まし時計が鳴る。

「ん……」

こむぎはゆっくりと目を開けた。

カーテンの隙間から、眩しい朝日が差し込んでいる。

「今日だ!」

ベッドから勢いよく起き上がり、カレンダーを見る。

夏休み一日目。

「楽しみ!」

急いで着替えを済ませ、部屋を出る。

食堂へ向かうと、桃華が手を振った。

「こむぎ! おはよ!」

「おはよう!」

二人は朝食を食べながら今日の予定を話す。

「ちゃんと水着持った?」

「うん!」

「タオルも?」

「持った!」

「よし!」

桃華は満足そうにうなずいた。

朝食を食べ終えた二人は、男子エリアの入口へ向かう。

しばらくすると、悠真と凜空がやって来た。

「おはよう」

悠真が静かに声をかける。

「おはよう!」

凜空も笑顔で手を挙げた。

「二人とも早いな」

「楽しみで早く起きちゃった!」

桃華が笑う。

「私も!」

こむぎも照れくさそうに笑った。

四人は寮を出て駅へ向かう。

朝の空は雲ひとつない快晴。

蝉の鳴き声が響き、本格的な夏を感じさせる。

「暑いね~」

桃華が帽子であおぐ。

「プール日和だな」

凜空が空を見上げる。

悠真も小さくうなずいた。

「雨じゃなくてよかった」

駅に着くと、桃華が時計を見る。

「まだ五分前!」

「珍しいね」

凜空が笑う。

「今日は遅刻しないもん!」

「いつも遅刻してるみたいな言い方!」

「部活では遅刻してるだろ?」

「してない!」

四人は笑いながら改札を通った。

電車に揺られること十数分。

目的の駅に到着する。

駅を出ると、少し先に大きなプールが見えてきた。

「あれじゃない?」

こむぎが指をさす。

「思ったより大きい!」

桃華が目を輝かせる。

凜空も思わず笑う。

「流れるプールも見える!」

悠真は入場口を見ながら言った。

「行こう」

四人は顔を見合わせる。

「うん!」

夏休み最初の思い出が、いよいよ始まる。

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