第80話 もうすぐ夏休み
朝。
「おはよう、こむぎ!」
「おはよう!」
寮の食堂で朝食を済ませた4人は、いつものように学校へ向かった。
セミの鳴き声が、夏の近さを感じさせる。
「朝から暑いね~。」
桃華が制服の袖をパタパタさせる。
「来週には夏休みかぁ。」
凜空が笑いながら言う。
「早いよな。」
悠真も空を見上げた。
「今年も暑くなりそうだ。」
4人は笑いながら教室へ向かった。
ホームルーム。
ガラガラッ。
担任の先生が教室へ入ってくる。
「おーし、席につけー。」
教室が静かになる。
先生は出席簿を閉じると、教室のみんなを見渡した。
「さて。」
「来週から、いよいよ夏休みだ。」
その一言で、教室がざわつく。
「やったー!」
「もう夏休み!?」
「あっという間だったな!」
あちこちから嬉しそうな声が上がる。
先生は苦笑いした。
「まだ今週は終わってないぞ。」
「浮かれるのは夏休みに入ってからな。」
教室に笑いが広がる。
「それと。」
先生は黒板に大きく書く。
『夏休みの生活について』
「あんまり夜更かしするな。」
「宿題は計画的に。」
「事故やケガにも気をつけること。」
「はい!」
元気な返事が教室に響いた。
ホームルームが終わると、桃華がすぐにこむぎの席へやって来た。
「こむぎ!」
「夏休み、楽しみだね!」
「うん!」
こむぎも笑顔になる。
「部活もあるけど、遊ぶ時間もありそう!」
「プール行きたい!」
「花火大会も!」
「お祭りも!」
二人は楽しそうに話し始めた。
そこへ悠真と凜空もやって来る。
「何の話?」
悠真が聞く。
「夏休みに何して遊ぶか!」
桃華が元気よく答えた。
凜空が笑う。
「まだ夏休み始まってないのに?」
「いいじゃん!」
「考えるだけでも楽しいんだから!」
みんなが笑った。
窓の外では、青い空に白い入道雲が浮かんでいる。
暑い夏が、すぐそこまで来ていた。
そして――
4人の新しい思い出も、もうすぐ始まろうとしていた。




