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第78話 新たな1歩

引退会から数日後。

放課後。

いつものように部員たちは体育館へ集まっていた。

けれど、そこにはもう3年生の姿はない。

少しだけ広く感じる体育館。

「なんか……静かだね。」

桃華が小さくつぶやく。

こむぎも体育館を見渡した。

「はい……。」

少し寂しい。

でも、それ以上に前を向かなきゃいけない気持ちがあった。

「よし、集まれ!」

顧問の先生の声が響く。

全員が中央へ集まる。

先生は部員たちを見渡し、大きくうなずいた。

「まずは大会、お疲れさま。」

「準優勝、本当によく頑張った。」

拍手が起こる。

「そして今日から、新しい星乃宮高校バスケ部のスタートだ。」

先生は一枚の紙を取り出した。

「新チームのキャプテンを発表する。」

体育館が静まり返る。

「男子キャプテンは――」

少し間を置く。

「遥斗。」

「はい!」

遥斗先輩が一歩前へ出る。

「副キャプテンは湊。」

「はい!」

湊先輩も前へ出た。

二人の表情は真剣そのものだった。

「これからの星乃宮高校を引っ張っていくのは、お前たちだ。」

「期待しているぞ。」

「はい!」

二人の返事が体育館に響く。

先生は続けた。

「1年生も、もう入部して数か月だ。」

「これからは『教わる側』だけじゃない。」

「チームの戦力として、もっと成長してもらう。」

悠真たちは力強くうなずいた。

練習が始まる。

「パス!」

「ナイス!」

体育館には、またいつもの声が戻ってきた。

休憩時間。

凜空が笑いながらタオルで汗を拭く。

「キャプテンが変わると雰囲気も変わるな。」

蒼もうなずく。

「でも、いい感じじゃん。」

悠真はコートを見つめながら静かに言った。

「先輩たちに追いつけるように、頑張ろう。」

その言葉を聞いたこむぎは、小さく笑う。

「私も、もっとサポートできるように頑張ります!」

桃華も笑顔で親指を立てた。

「もちろん!一緒にね!」

練習が終わる頃には、夕日が体育館を赤く染めていた。

新しいチーム。

新しい目標。

3年生から受け継いだ想いを胸に、星乃宮高校バスケ部はまた一歩、前へ進み始めた。

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