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第75話 託された想い

前半を終え、スコアは20対20。

完全な互角。

決勝戦は、後半へ突入した。

ピーーーッ!

第三クォーター開始。

天城高校はさらにギアを上げてきた。

素早いパス回し。

正確なシュート。

一瞬の隙を逃さない。

「戻れ!」

高橋先輩の声が飛ぶ。

全員が必死に食らいつく。

悠真がボールを運ぶ。

「凜空!」

凜空が受け取り、ドリブルで切り込む。

相手を一人かわす。

「蒼!」

パス。

蒼は迷わずシュートを放つ。

シュッ!

22対22。

しかし天城高校もすぐに取り返す。

試合は最後まで一進一退だった。

第四クォーター。

残り2分。

34対35。

1点ビハインド。

体育館中が息をのむ。

「まだ終わってない!」

高橋先輩が叫ぶ。

その声に全員が走り出す。

悠真から遥斗先輩へ。

遥斗先輩から湊先輩へ。

そしてゴール下。

シュッ!

36対35。

星乃宮高校が逆転した。

「よし!」

ベンチが大きく沸く。

こむぎも桃華も立ち上がって拍手を送った。

だが――

王者・天城高校は動じなかった。

落ち着いてボールを回し、残り40秒でシュートを決める。

36対37。

再び1点差。

残り15秒。

星乃宮高校、最後の攻撃。

「悠真!」

高橋先輩が声をかける。

「最後まで、自分たちのバスケをしよう。」

「はい!」

悠真がゆっくりと前へ進む。

凜空が左へ走る。

蒼が相手を引きつける。

湊先輩がスクリーンをかける。

遥斗先輩がゴール下へ飛び込む。

全員がつないできたプレー。

全員で積み重ねてきた時間。

悠真はリングへ向かって踏み込む。

相手ディフェンスが集まる。

その瞬間。

「キャプテン!」

高橋先輩へパス。

高橋先輩は迷わずシュートを放った。

体育館中の視線がボールを追う。

カンッ。

リングに当たり、高く跳ねる。

「リバウンド!」

湊先輩が飛ぶ。

相手も飛ぶ。

空中でボールをはじき合う。

最後にボールはコートへ転がった。

悠真が飛び込もうとした、その瞬間――

ピーーーーーッ!!

試合終了。

36対37。

あと一歩届かず。

星乃宮高校は、準優勝だった。

静まり返る体育館。

誰もすぐには言葉を発せなかった。

高橋先輩はゆっくりと顔を上げる。

「……みんな。」

その声に、全員が集まる。

「下を向くな。」

悔しさをこらえながら、それでも笑顔を作る。

「ここまで来られたのは、このチームだったからだ。」

遥斗先輩もうなずく。

「本当に、最高のチームだった。」

湊先輩は静かに笑った。

「あとは……任せたぞ。」

その言葉に、悠真たちは力強くうなずいた。

「はい!」

ベンチでは、こむぎが目に涙を浮かべながら拍手を送る。

桃華も涙をぬぐいながら笑っていた。

「みんな、本当にお疲れさま!」

その拍手は、体育館中に響いていた。

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