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第73話 王者の実力

ピーーーッ!

決勝戦が始まった。

最初の攻撃は悠真。

落ち着いてボールを運ぶ。

「凜空!」

パスがつながる。

凜空は迷わずドリブルで仕掛けた。

しかし――

「っ!」

目の前のディフェンスは一歩も引かない。

無理に突破せず、蒼へパスを送る。

蒼もシュートの体勢に入るが、相手が素早く前へ出てくる。

「速い……!」

蒼は遥斗先輩へボールを戻した。

「焦るな。」

遥斗先輩が声をかける。

ボールをゆっくり回しながら攻めるが、天城高校の守備は隙がない。

最後は悠真がシュートを放つ。

シュッ。

しかし、ボールはリングに弾かれた。

「リバウンド!」

湊先輩が高く跳ぶ。

だが、そのボールを相手に奪われる。

「戻れ!」

高橋先輩の声が響く。

天城高校は一気に速攻へ。

パスが二本、三本とつながり――

シュッ!

先制点。

0対2。

「ドンマイ!」

佐々木先輩がベンチから大きな声を出す。

「まだ始まったばかりだ!」

こむぎはコートを見つめながら、小さく息をついた。

「やっぱり……決勝まで来るチームは違いますね。」

彩花先輩もうなずく。

「うん。でも、みんなも負けてないよ。」

「ここからだね。」

再び攻撃。

悠真が前へ運ぶ。

相手は強くプレッシャーをかけてくる。

「凜空!」

凜空が受け取り、フェイントを入れる。

相手が一歩動いた。

その瞬間。

「蒼!」

パスが通る。

蒼は迷わずシュート。

シュッ!

2対2。

「ナイス!」

ベンチから歓声が上がる。

その後は、一進一退の攻防が続いた。

4対4。

6対6。

お互いに一歩も譲らない。

しかし、試合終了間際。

天城高校が素早い連携から一本決める。

ピーーーッ!

第一クォーター終了。

6対8。

わずか2点差。

ベンチへ戻る選手たち。

「お疲れさまです!」

こむぎと桃華がタオルを手渡す。

「ありがとうございます。」

悠真は汗をぬぐいながら座った。

凜空は悔しそうに息を整える。

「あと少しだったな……。」

高橋先輩は全員を見渡した。

「相手は強い。」

「でも、戦えている。」

その一言で、みんなの表情が少し変わる。

「焦らず、自分たちのバスケを続けよう。」

「はい!」

力強い返事がベンチに響いた。

決勝戦は、まだ始まったばかりだった。

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