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第60話 第1試合終了

ハーフタイム。

スコアは30対20。

星乃宮高校が10点リードしていた。

選手たちがベンチへ戻ってくる。

「お疲れ!」

こむぎと桃華はすぐにタオルとドリンクを渡した。

「ありがとう。」

凜空はタオルで汗を拭きながら笑う。

「まだ半分だ。」

悠真は静かに水を飲み、コートへ視線を向けた。

高橋部長がホワイトボードを持って前に立つ。

「前半はよく頑張った。」

「でも、後半はもっと厳しくなる。」

全員が真剣な表情になる。

「リードしている時ほど油断するな。」

「一本一本、落ち着いてプレーしよう。」

「はい!」

体育館に返事が響いた。

翔哉も笑顔で続ける。

「思いっきり楽しんでこい!」

「緊張してても、仲間を信じれば大丈夫だ!」

部員たちの表情が少し和らいだ。

ピーーーッ!

第三クォーター開始。

相手は勢いよく攻めてくる。

連続でシュートを決められ、

30対26。

点差は4点まで縮まった。

応援席も少しざわつく。

「落ち着け!」

高橋部長がベンチから声をかける。

「慌てるな!」

その声に、悠真は大きくうなずいた。

「凜空!」

パスが通る。

凜空は相手を引きつけると、すぐ近くにいた遥斗へパスを出した。

「お願いします!」

遥斗はボールを受け取り、落ち着いてシュートを放つ。

シュッ!

ボールはきれいにリングを通った。

32対26。

「ナイス!」

蒼が拳を握る。

その一本で流れが変わった。

湊が相手のシュートが外れたボールをしっかりつかむ。

「ナイス!」

こむぎが思わず声を出す。

「彩花先輩!」

「はい?」

「今のプレー、すごかったです!」

彩花は笑顔でうなずいた。

「今のは『リバウンド』っていうんだよ。」

「シュートが外れたあとにボールを取るプレー。」

「そうなんですね!」

こむぎは嬉しそうにメモを取る。

「湊くん、すごい……。」

試合は第四クォーターへ。

残り時間は三分。

スコアは48対40。

「あと少し!」

翔哉が大きな声を出す。

「最後まで集中!」

コートでは部員たちが必死にボールを追う。

悠真が冷静にパスを回し、

蒼が相手を引きつける。

凜空がゴールへ走り込む。

「凜空!」

悠真のパス。

凜空はそのままレイアップシュート。

シュッ!

50対40。

「よし!」

観客席から大きな拍手が起こる。

残り一分。

相手も最後まで諦めない。

しかし湊がゴール下を守り、

遥斗がボールをつなぎ、

全員で時間を上手に使う。

「最後まで!」

高橋部長の声が響く。

ピーーーーーッ!!

試合終了。

52対42。

星乃宮高校、一回戦突破。

「やったー!」

真斗が両手を上げる。

「勝った!」

蒼と凜空がハイタッチを交わす。

悠真も小さく笑みを浮かべた。

「みんな、お疲れさま!」

桃華が笑顔で迎える。

「お疲れ!」

こむぎもタオルを渡しながら微笑んだ。

「ナイスゲームでした!」

「ありがとう。」

選手たちは少し照れくさそうに笑う。

高橋部長が全員を集めた。

「まずは一勝。」

「だが、目標はここじゃない。」

部員たちの表情が引き締まる。

「次は二回戦。」

「もっと強い相手が待っている。」

「今日の反省を生かして、次も全員で戦うぞ。」

「はい!!」

力強い返事が体育館に響いた。

その様子を見ながら、こむぎは静かに思う。

(今日、みんな本当にかっこよかった。)

でも、この大会はまだ始まったばかり。

星乃宮高校バスケ部の夏は、さらに熱くなっていく。

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