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第40話 公認ファンクラブ

放課後。

教室には、いつもの四人と数人の女子生徒が集まっていた。

「……今日は、お時間をいただいてありがとうございます。」

代表の女子が緊張した様子で頭を下げる。

その後ろにいるメンバーも、一斉に頭を下げた。

「まずは……勝手にファンクラブを作ってしまって、本当にごめんなさい。」

教室は静まり返る。

こむぎは少し慌てながら首を横に振った。

「顔を上げてください。」

その一言で、みんながおそるおそる顔を上げる。

代表の女子は、小さく息を吸った。

「私たちは、こむぎちゃん……いえ、暁月さんのことが大好きなんです。」

「優しくて、誰にでも同じように接してくれて。」

「テストで一位になっても全然偉そうにしなくて。」

「だから、応援したくて……。」

「でも、勝手に作るのはよくなかったと思っています。」

「本当にすみませんでした。」

もう一度頭を下げる。

こむぎは少し考えてから、小さく笑った。

「一つだけ、聞いてもいいですか?」

「は、はい!」

「今まで……誰かに迷惑をかけたりしましたか?」

代表の女子はすぐに首を横に振る。

「絶対にしないって決めていました。」

「こむぎちゃんに迷惑をかけないことが、一番のルールです。」

後ろのみんなも何度もうなずく。

こむぎはその様子を見て、安心したように微笑んだ。

「それなら……。」

教室のみんなが息をのむ。

「応援してくれるのは、とっても嬉しいです。」

一瞬、静寂が流れる。

「だから……。」

こむぎは少し照れながら言った。

「公認、でいいですよ。」

「…………え?」

代表の女子が固まる。

「ほ、本当に?」

「はい。」

「ただし!」

こむぎは少しだけ真面目な表情になる。

「授業中はちゃんと授業を受けること。」

「他の人の迷惑にならないこと。」

「それと……。」

少し笑って続けた。

「私も普通の高校生なので、普通に接してください。」

代表の女子は目を潤ませながら何度もうなずいた。

「はい!」

その瞬間。

教室中から拍手が起こる。

「やったー!」

「公認だ!」

「これからも応援しよう!」

桃華は満面の笑みで拍手し、凜空は「よかったな」と笑う。

悠真も小さく口元を緩めた。

代表の女子は、もう一度こむぎの前に立つ。

「それでは……。」

深呼吸をして、

「本日より、**『暁月こむぎ公認ファンクラブ』**として活動させていただきます!」

「よろしくお願いします!」

メンバー全員が頭を下げる。

こむぎも笑顔で頭を下げ返した。

「よろしくお願いします。」

教室を出たあと。

代表の女子が小さな声でつぶやく。

「みんな。」

「今日から。」

「こむぎ様って呼ぼう。」

「賛成!」

「異議なし!」

「公認記念だね!」

その日から。

ファンクラブの中では、

**「こむぎちゃん」ではなく、「こむぎ様」**という呼び名が定着した。

もちろん本人は、そのことをまだ知らない。

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