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第26話 テスト2日目後半

テスト2日目・数学後半。

教室はさっきよりさらに静かだった。

鉛筆の音だけが、一定のリズムで流れている。

こむぎは問題用紙を見つめたまま、集中を切らさないように息を整えていた。

(さっきの応用、いけたから……次も落とさない)

次の問題。

少しだけ形が変わっている。

(このタイプ……前にやったやつの応用)

ノートに図を描きながら、ゆっくり整理する。

焦らない。

焦ったら崩れる。

そのとき、後ろの気配が一瞬だけ動いた。

東雲悠真は何も言わない。

ただ、視線だけが問題用紙の方に向いている。

(集中してる……)

こむぎは自分の世界に戻る。

前の席。

朝倉凜空は少しだけ眉を寄せていた。

(ここ、さっきのと違うな……)

ペンが止まる。

消す。

また書く。

その繰り返し。

普段の軽さは完全に消えていた。

残り20分。

教室の空気が一段階重くなる。

こむぎは最後の問題に目を落とした。

(ここが勝負かも)

条件を一つずつ線で結ぶ。

図が見えてくる。

(いける)

ペンが動き出す。

残り5分。

カリカリという音が少しずつ減っていく。

こむぎは見直しに入った。

(符号ミス……なし)

(計算も……大丈夫)

深く息を吸う。

「終了」

先生の声。

一気に空気がほどける。

こむぎは鉛筆を置いて、静かに背もたれに寄りかかった。

(……できた)

確信じゃない。

でも、手応えはあった。

隣を見ると、悠真はもう机の上を片付けている。

その動きはいつも通り落ち着いていた。

前では凜空が大きく伸びている。

「数学ってさ……終わった瞬間だけ天国だよな」

「毎回言ってる」

誰かのツッコミに、少しだけ笑いが起きる。

こむぎはその空気を聞きながら、窓の外を見た。

曇り空は変わらない。

でも、さっきより少しだけ軽く見えた。

(あと少し)

テストは、まだ終わっていない。

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