第21話 テストまであと1週間
「みんな、席につけー。」
ホームルームが始まり、先生が教卓に立つ。
教室が静かになると、先生は一枚のプリントを持ち上げた。
「来週から一学期の定期テストを始める。」
その瞬間――
「えぇぇぇぇ!?」
教室中から大きな悲鳴が上がった。
「やだー!」
「もうテストの時期!?」
「勉強してない……。」
あちこちからため息が聞こえる。
先生は苦笑いしながら続けた。
「範囲表を配るから、しっかり確認しておけ。」
前の席からプリントが回されていく。
こむぎも受け取り、目を通した。
「結構範囲広いね。」
「こむぎちゃん!」
隣から桃華が顔を近づける。
「終わった……。」
「え?」
「絶対無理だよぉ!」
桃華は机に突っ伏した。
「まだ一週間あるから大丈夫だよ。」
こむぎが優しく声をかける。
「こむぎちゃんはそう言うけど、私は一週間じゃ足りないよ~!」
その様子を見ていた凜空が笑う。
「じゃあ放課後、一緒に勉強する?」
「えっ!?」
桃華は勢いよく顔を上げた。
「凜空様が教えてくれるの!?」
「俺だけじゃなくて、こむぎも一緒にね。」
「もちろん!」
こむぎも笑顔でうなずく。
「分からないところがあったら教えるよ。」
「やったぁ!」
桃華は大喜びだ。
教室の後ろでは、女子たちが小声で話していた。
「見た?」
「うん。」
「こむぎちゃん、勉強もできそうだよね。」
「なんか何でもできそう!」
そんな会話が聞こえる中、悠真は静かに範囲表へ目を落としていた。
「……。」
その表情はいつも通り落ち着いている。
しかし、来週の定期テストに向けて、それぞれの思いが少しずつ動き始めていた。




