第20話 新しい会員
昼休み。
「失礼しまーす!」
空き教室の扉が開き、一人の女子が顔をのぞかせた。
「ここって……こむぎファンクラブで合ってる?」
「合ってるよ!」
会長が笑顔で迎える。
「入会したいの?」
「はい!」
「ようこそ!」
部屋の中から拍手が起こる。
「まずはルールの確認ね。」
会長はノートを開いた。
「一つ目。こむぎちゃんに迷惑をかけない。」
「はい!」
「二つ目。無理に近づいたり騒いだりしない。」
「はい!」
「三つ目。困っていたら助ける。」
「もちろんです!」
新しい会員は笑顔でうなずいた。
「どうして入ろうと思ったの?」
と聞かれると、少し照れながら答えた。
「この前、廊下でプリントを落としちゃって……。」
「うん。」
「そしたら、こむぎちゃんが一緒に拾ってくれて、『大丈夫?』って笑ってくれたんです。」
「それで好きになっちゃったんだ。」
「はい!」
みんなが微笑む。
「こむぎちゃんって、そういう子だよね。」
その頃。
教室では、こむぎが桃華と話していた。
「今日はポテトが二種類入ってるんだ!」
「いいなぁ!」
「あとで半分こする?」
「やったー!」
二人は楽しそうに笑い合う。
そこへ凜空がやってきた。
「何の話?」
「ポテト!」
「また!?」
凜空は思わず吹き出した。
「こむぎ、本当にポテト好きだね。」
「うん! 一番好き!」
「じゃあ今度、おすすめのポテト教えるよ。」
「ほんと!?」
こむぎの目がきらりと輝く。
その様子を遠くから見ていたファンクラブの女子たちは、小さく笑った。
「今日も平和だね。」
「うん。」
「この笑顔を守りたい。」
誰かのその一言に、みんなが静かにうなずいた。




