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第18話 いつのまにか人気者

昼休み。

「こむぎちゃん!」

教室へ入ろうとしたこむぎを、一人の女子が呼び止めた。

「これ、昨日のお礼!」

そう言って、小さな袋を差し出す。

「え?」

「消しゴム貸してくれたでしょ?」

「あ、そんなことあったね!」

こむぎは笑顔で受け取った。

「ありがとう!」

「えへへ。」

女子は嬉しそうに席へ戻っていく。

その様子を見ていた桃華が、くすっと笑った。

「こむぎちゃんって、本当に覚えてないこと多いよね。」

「そうかな?」

「うん。普通なら『それくらいで!?』って思うことでも、ちゃんと優しくしてるもん。」

「そうだった?」

「だから人気なんだよ。」

こむぎは首をかしげた。

「うーん……。」

その頃、教室の後ろでは――。

「今日もかわいかった……。」

「笑顔が癒やされる。」

「写真とか撮りたいけど迷惑かな。」

「本人が嫌がることはやめよう!」

「それは絶対!」

ファンクラブの女子たちは、小声で話し合っていた。

「ルールを決めよう。」

一人がノートを開く。

「第一条、こむぎちゃんに迷惑をかけない!」

「賛成!」

「第二条、無理に話しかけたり追いかけたりしない!」

「いいね!」

「第三条、困っていたらみんなで助ける!」

「それも追加!」

みんなが笑顔でうなずく。

そのころ当の本人は――。

「桃華、お昼食べよ!」

「うん!」

いつも通り、のんびりお弁当を広げていた。

もちろん、自分のためにそんなルールまで作られていることなど、まったく知らない。

教室の窓から風が吹き込み、水色の猫耳がふわりと揺れた。

それを見た女子たちは、小さく顔を見合わせる。

「……今日もかわいい。」

誰かがつぶやくと、みんな静かにうなずいた。

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本人のこと考えながら応援できるのいい子達すぎる
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