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第134話 内装

翌日の放課後。


 文化祭の準備について話し合うため、クラスメイトたちが教室に集まっていた。


 黒板には、昨日決めた役割分担の案が残っている。


「今日は内装について考えていこう!」


 凜空がそう言うと、クラスメイトたちがそれぞれ意見を出し始めた。


「やっぱり教室を暗くするのは必須じゃない?」


「窓も黒い布とかで隠したいよな」


「でも、真っ暗だと危なくない?」


「足元くらいは見えるようにした方がいいかもね」


 確かに、怖さを重視しすぎて、歩くのが危なくなってしまったら困る。


 お客さんが安全に進めるようにすることも大切だ。


「机とか段ボールで通路を作るのはどう?」


 誰かの提案に、何人かが頷いた。


「いいじゃん! 道が曲がりくねってたら、先が見えなくて怖そう!」


「途中にお化けが隠れる場所も作れそうだな」


「それなら、仕切りを何個か作る必要があるね」


 次々と意見が出てくる。


 私は黒板に書き足されていく案を眺めながら、完成した教室を想像してみた。


 いつもの教室が暗くなって、机や段ボールで作られた通路が続いている。その途中で、誰かが突然現れる。


 考えてみると、思ったより本格的なお化け屋敷になりそうだった。


「ねぇ、こむぎはどう思う?」


 隣に座っていた桃華が聞いてきた。


「うーん……。通路の途中に、何か飾りがあったら雰囲気が出そう」


「飾り?」


「例えば、壁に不気味な絵を貼ったりとか?」


「あ、それいいね!」


 桃華が身を乗り出した。


「血の手形とかあったら怖くない?」


「確かに。でも、作るの大変そうだね」


「そこはみんなで頑張る!」


 桃華はやる気満々だった。


 その様子を見て、凜空がこちらにやってくる。


「お、二人も案があるの?」


「壁に貼る飾りとか、どうかなって!」


「いいじゃん。そういう細かいところも大事だよな」


 凜空は黒板に『壁の装飾』と書き加えた。


「ほかにも、必要な道具をリストにしておこうぜ。段ボールとか黒い布とか、学校にあるものを使えるか確認しないとな」


「買わなきゃいけないものもありそうだね」


「そうだな。予算も決まってるし、まずは使えるものを探そう」


 見た目だけではなく、準備にかかる手間や費用も考えなければならない。


 文化祭の出し物を作るというのは、思っていたより考えることが多いらしい。


 それでも、クラスメイトたちは面倒そうにするどころか、楽しそうに意見を出し合っていた。


「よし、今日出た案はこんなところかな!」


 凜空が黒板を見渡す。


 通路の仕切り、壁の装飾、照明の調整。


 少しずつだけれど、教室をどう変えるのかが見えてきた。


「次は必要な道具を確認して、実際に作れるものから準備していこう!」


「おー!」


 クラスメイトたちの声が重なる。


 話し合いが終わると、桃華が私の方を向いた。


「なんか、だんだん楽しみになってきた!」


「うん。どんな教室になるんだろうね」


「絶対、いい感じにしようね!」


「そうだね!」


 まだ、決まったのは大まかな内容だけ。


 実際に作り始めれば、きっと思い通りにいかないことも出てくるだろう。


 それでも、みんなで意見を出し合って、少しずつ形にしていく。


 そんな準備の時間も、文化祭の楽しみの一つなのかもしれない。


 私は、黒板に残ったたくさんの案をもう一度眺めた。


 これから教室がどんなふうに変わっていくのか、少し楽しみだった。

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