↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
118/136

第118話 久しぶりの部活

夏大会が終わってから、少しの間。


バスケットボール部は、いつものように練習を続けていた。


しかし、夏休みの中には部活動の休止期間もあり、お盆の時期を挟んでしばらく体育館が使われない日が続いていた。


そして――。


「今日からまた部活だね!」


久しぶりに体育館へ向かいながら、桃華が嬉しそうに言う。


「うん。」


こむぎも頷く。


「なんか、ちょっと久しぶりな感じするね。」


「分かる!」


桃華が笑う。


二人が体育館の扉を開ける。


中では、すでに何人かの部員が集まっていた。


「お、来たか。」


湊が二人に声をかける。


「おはようございます!」


こむぎと桃華が元気よく挨拶する。


「おう。久しぶりだな。」


湊も笑顔で返す。


「はい!」


久しぶりの体育館。


聞き慣れたボールの音。


夏大会が終わってから少し時間が経ったこともあり、どこか新鮮な気持ちがする。


「一年生、こっちに集まって!」


瑠衣が声をかける。


「はい!」


一年生たちが集まっていく。


こむぎと桃華もマネージャーの仕事を始めた。


ボトルを並べたり、タオルを準備したり。


久しぶりの仕事だったが、こむぎは手際よく準備を進めていく。


「こむぎちゃん、久しぶり。」


後ろから声をかけられた。


振り返ると、彩花が笑っていた。


「元気だった?」


「はい!」


「よかった。」


彩花は嬉しそうに頷く。


「夏休み、ちゃんと楽しんでる?」


「はい。いろいろありました!」


こむぎが笑う。


「そうなんだ。あとで聞かせてね。」


「はい!」


その時だった。


「こむぎさん!」


少し離れたところから声が聞こえた。


こむぎが振り返る。


「……あ。」


そこにいたのは真斗だった。


「真斗くん。久しぶり!」


「久しぶり、こむぎさん!」


真斗は明るく笑いながら近づいてくる。


「夏休み、長かったね!」


「うん。なんだか久しぶりに会った気がする。」


「俺も。久しぶりだね。」


真斗は嬉しそうに笑った。


「夏休みは何してたの?」


「友達と遊んだり、お祭りに行ったり……。」


「お祭り?」


「うん。楽しかったよ。」


こむぎが笑う。


「そっか! それならよかったね。」


真斗も笑った。


その様子を少し離れた場所から桃華が見ていた。


「……。」


桃華は小さく笑う。


すると、こむぎが何かを思い出したように口を開く。


「あの、真斗くん。」


「ん?」


「私のこと、もう『さん』付けしなくてもいいよ。」


「え?」


真斗が目を丸くする。


「同級生だし。」


「でも……いいの?」


「うん。」


こむぎが笑う。


「じゃあ……こむぎちゃん。」


真斗は少し照れたように笑った。


「うん。」


「なんか、ちょっと新鮮だね。」


「そう?」


「うん。」


真斗は嬉しそうに頷く。


「じゃあ、俺のこともタメ口でいいよ。」


「え?」


「こむぎちゃんも俺にはタメ口でいいよ。」


「……分かった。」


「うん。それでいこう!」


真斗は笑った。


「これからもっと話しやすくなりそうだね。」


「そうだね。」


こむぎも自然に笑う。


その様子を見ていた桃華が近づいてくる。


「なんか二人とも、前より仲良くなったね!」


「そうかな?」


こむぎが首を傾げる。


「うん!」


「まぁ、同級生だしね。」


真斗が笑う。


「桃華ちゃんも久しぶり!」


「うん! 真斗くんも元気そうだね!」


「元気だよ!」


三人が話していると、体育館の反対側から蒼の声が飛んできた。


「真斗ー! そろそろアップ始めるぞ!」


「あ、分かった!」


真斗が振り返る。


「じゃあ、また後でね!」


「うん!」


真斗は蒼たちのところへ戻っていった。


「……。」


こむぎはその背中を見送る。


「こむぎ。」


桃華が隣から声をかける。


「なに?」


「真斗くん、嬉しそうだったね。」


「うん。」


「こむぎちゃんって呼ばれるの、どう?」


「普通に嬉しいよ。」


こむぎはそう答えてから、少しだけ笑った。


「なんか、距離が近くなった感じするね。」


「でしょ?」


桃華も嬉しそうに笑う。


その頃、コートでは一年生たちがアップを始めていた。


「久しぶりの部活だね!」


蒼がボールをつきながら言う。


「休み長かったね。」


颯馬も笑う。


「俺、ちょっと体なまってるかも。」


「俺も。」


凜空が軽くストレッチをする。


「今日は無理しない方がいいかもね。」


悠真が静かに言う。


「そうだね。」


佐久も頷いた。


真斗はボールを持ちながら、ふとマネージャーたちの方を見る。


こむぎは桃華と話しながら、準備を続けている。


「……。」


「真斗?」


蒼が声をかける。


「ん?」


「どうした?」


「いや、別に。」


真斗は小さく笑った。


「久しぶりの部活、楽しみだね。」


「それならいいけど。」


蒼は笑いながら走っていく。


「早く来いよ!」


「分かってるって!」


真斗も後を追った。


久しぶりの体育館。


久しぶりの仲間たち。


夏大会が終わってから少し時間が経ったことで、みんなそれぞれ少しずつ変わっていた。


そして今日からまた、いつもの部活の日々が始まる。


夏休みは、まだ終わっていない。


これから先も、まだまだ時間は残っていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。