第11話 息を合わせて
「せーの!」
二人は同時に一歩を踏み出した。
「いち、に! いち、に!」
凜空の掛け声に合わせて、こむぎも足を動かす。
最初は少しぎこちなかった二人だったが、歩幅を合わせるうちに少しずつ息が合ってきた。
「おっ、いい感じ!」
凜空が笑う。
「本当だ!」
こむぎも自然と笑顔になった。
「その調子だぞー!」
先生の声が飛ぶ。
「歩けるようになったら、少しずつ速くしてみろ!」
「よし、ちょっとだけ速くいくよ。」
「うん!」
二人はもう一度深呼吸をした。
「せーの!」
今度は歩くより少し速いペース。
「いち、に! いち、に!」
さっきよりもスムーズに前へ進む。
「すごい! さっきより速い!」
「こむぎがちゃんと合わせてくれるからね。」
「えへへ。」
褒められて少し照れるこむぎ。
その様子を見ていた桃華は、自分のペアそっちのけで手を振る。
「こむぎちゃーん! 頑張れー!」
「桃華ー!」
「こら朝比奈! よそ見するな!」
先生に注意され、桃華は慌てて前を向いた。
「えへへ、ごめんなさーい!」
周りから小さな笑いが起こる。
その時だった。
「じゃあ、一度タイムを測ってみるぞ!」
先生が50メートルのスタートラインへ向かう。
「本番じゃないから気楽にな!」
クラスのみんなが順番に並び始めた。
「緊張する?」
凜空が聞く。
「ちょっとだけ。」
「大丈夫。練習だし、楽しもう!」
「……うん!」
こむぎは笑顔でうなずいた。
「次、暁月・朝倉ペア!」
先生に名前を呼ばれ、二人はスタートラインへ向かう。
「頑張ろう!」
「もちろん!」
二人は顔を見合わせ、スタートの姿勢を取った。




