第105話 夏祭り当日 朝
夏祭り当日。
朝から青空が広がり、強い日差しが街を照らしていた。
外では、今日も蝉の鳴き声が響いている。
「今日だ……!」
こむぎは目を覚ますと、カーテンを開けた。
窓の外には、夏らしい景色が広がっている。
「楽しみだなぁ。」
思わず笑みがこぼれた。
今日は、みんなと夏祭りへ行く日。
しかも――。
「初めての浴衣。」
机の上には、昨日準備した淡い水色の浴衣が置かれていた。
見ているだけで、胸が高鳴る。
「そろそろ準備しようかな。」
こむぎは浴衣を手に取り、部屋を出た。
向かった先は、桃華の部屋だった。
コンコン。
「桃華ー!」
ノックをすると、すぐに扉が開く。
「こむぎ!」
桃華は笑顔で顔を出した。
「おはよう!」
「おはよう!」
二人は笑い合う。
「じゃあ、準備しよっか!」
「うん!」
部屋へ入ると、机の上には桃華のピンク色の浴衣が置かれていた。
「可愛い……。」
「でしょ?」
桃華は嬉しそうに笑う。
「こむぎの浴衣も見せて!」
「うん!」
こむぎが水色の浴衣を広げる。
「わぁ……!」
桃華の目が輝いた。
「やっぱり水色にして正解だった!」
「そうかな?」
「絶対そう!」
桃華は大きく頷く。
「早く着よ!」
「うん!」
二人は浴衣に着替え始めた。
――
着替えを終えたこむぎは、少し落ち着かない様子で鏡の前に立つ。
「どうかな……。」
淡い水色の浴衣。
いつもとは違う自分。
少し照れくさい。
その時だった。
「髪もやろ!」
桃華が笑顔で言う。
「座って!」
「え?」
「任せて!」
こむぎは言われるまま椅子に座る。
桃華は器用に髪をまとめていく。
「わっ……。」
少しずつ形になっていくお団子ヘア。
最後に、かんざしをそっと挿した。
「できた!」
「え?」
こむぎは鏡を見る。
そこに映っていたのは、いつもとはまるで違う自分だった。
「……すごい。」
思わず声が漏れる。
「こむぎ!」
桃華は満面の笑みを浮かべる。
「すっごく似合ってる!」
「ほ、本当?」
「本当!」
何度も頷く。
「絶対みんなびっくりするよ!」
こむぎは少し照れながら笑った。
「ありがとう、桃華。」
その言葉に、桃華も嬉しそうに笑う。
「そろそろ集合時間だね!」
「うん!」
二人は荷物を持ち、部屋を出た。
夕日に染まり始めた空の下。
四人の夏祭りが、いよいよ始まろうとしていた。




