第100話 今日も平和に活動中!
夏休みも終盤。
今日は、夏休みの**出校日**だった。
久しぶりの学校。
教室には、夏休みの思い出話で盛り上がる生徒たちの笑い声が響いていた。
「おはよう!」
元気な声とともに、こむぎが教室へ入ってくる。
「おはよう!」
桃華も笑顔で続く。
その後ろから、凜空と悠真も教室へ入った。
すると――。
「おはようございます!」
「おはようございます!」
「おはようございます!」
教室のあちこちから、丁寧な挨拶が返ってくる。
「お、おはよう!」
こむぎも笑顔で返事をした。
席へ向かいながら、小さく首をかしげる。
「なんか今日、みんな丁寧だね?」
「確かに。」
桃華も周りを見回す。
「夏休みの間に礼儀正しくなったとか?」
「そんなわけある?」
凜空が笑う。
その様子を見ていた悠真も、小さく笑みを浮かべた。
放課後。
こむぎたち四人が教室を出ると、教室には数人の生徒が残った。
「それでは。」
ファンクラブ会長が前へ出る。
「夏休み明け最初の報告会を始めます。」
「よろしくお願いします!」
現在、**こむぎファンクラブの会員数は四十名。**
最初は二十五名ほどだったが、夏休みの間にも少しずつ仲間が増え、今では一年生A組からF組まで、さまざまなクラスの生徒が所属している。
女子だけではない。
男子生徒も入会しており、学校公認のファンクラブとして活動していた。
「それでは、報告のある方。」
「はい!」
一人の男子会員が勢いよく手を挙げる。
「夏休みに市民プールで、こむぎ様をお見かけしました!」
「おぉ……!」
会員たちから小さな歓声が上がる。
「朝倉璃空様、東雲悠真くん、朝比奈桃華ちゃんとご一緒でした!」
「四人とも、とても楽しそうでした!」
「ありがとうございます。」
会長はメモを取りながらうなずく。
続いて、一人の女子会員が立ち上がった。
「私は寮の近くで四人が歩いているところを見かけました!」
「勉強会の帰りだったと思います!」
「ありがとうございます。」
さらに別の会員が手を挙げる。
「出校日の朝、こむぎ様が教室へ入られた際、『おはよう!』と笑顔で挨拶してくださいました!」
「こちらも『おはようございます!』とご挨拶できました!」
「今日もとても素敵な笑顔でした!」
「ありがとうございます。」
会長は嬉しそうに微笑む。
「他に報告はありますか?」
教室は静まり返る。
どうやら今日は以上のようだ。
「それでは最後に、確認事項です。」
会員たちが自然と姿勢を正す。
「こむぎ様、そしてご友人の皆さんに迷惑をかける行為は禁止。」
「はい!」
「これからも節度を守り、温かく応援していきましょう。」
「はい!」
元気な返事が教室に響く。
「それでは、本日の報告会を終了します。」
「お疲れ様でした!」
全員が一礼する。
その頃――。
「今日は久しぶりに学校で会えて楽しかった!」
こむぎが笑顔で言う。
「夏休み中も会ってたけど、やっぱ学校は違うね!」
桃華も笑顔でうなずいた。
「分かる。」
凜空は両手を頭の後ろで組みながら笑う。
「なんか『学校に戻ってきた!』って感じ。」
「まだ夏休みだけどな。」
悠真が静かにツッコむ。
「あ。」
凜空は苦笑いを浮かべる。
「確かに。」
四人は顔を見合わせる。
そして――。
「「あはははっ!」」
笑い声を響かせながら、四人は寮へ続く道を歩いていった。
夏休みは、まだ終わらない。
それでも。
今日という一日は、四人にとっても、ファンクラブにとっても、忘れられない一日になったのだった。




