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35週目.鬼人族のガシャダ

「風の鎧を纏っている俺を吹き飛ばすとかどんな力だよ」

俺を吹き飛ばしたガシャダの元に戻ってきた。


「はは。なんだその筋肉」

さっきの倍は身体がデカくなっていた。


「ワ、ワシのエクストラスキルは『魔鬼王』。空気中の魔力を吸収して身体能力を上げる。戦うことは勧めない、すぐに逃げろ」

「ははは。それができないんだよ」

俺の返事を聞かずにガシャダは砲弾のように突っ込んでくる。

俺は地面から石の柱を出して、上に突き上げる。


「まじかよ。タイミングギリギリだったな」

何とか軌道をずらせたが、止めることは出来なそうだ。


火の鳥と雷の槍をガシャダに向かって放つ。

「ダ、ダメだ!ワシは魔法も吸収する」

「おいおい。そんなんありかよ。相性悪すぎ」

俺はインベントリに溜め込んでいた武器を風魔法で飛ばしていく。


「良い攻撃だ。だが勢いが足りない」

ガシャダは俺が飛ばした武器を掴み、俺よりも速いスピードで投げ返してくる。

俺の頬をナイフが掠る。

「ハハ。マジで相性悪いじゃん」

「逃げろ。鬼人族は強い」

「それはそうなんだろうけどね。さすがにこんなに相性が悪い相手だと楽しくなってきたわ」

「ひ、人族。なぜここにいるか知らないが早く撤退しろ」

「だから無理なんだよね」

俺は返答しながら竜巻を起こし、ガシャダを飲み込んでいく。


「これで傷もつかなかったらまずいな」

竜巻は武器を巻き込んで回転を続ける。


ドゴン!!


地響きが鳴って竜巻が消えると、ガシャダの姿が現れる。

「良い攻撃だが、致命傷には程遠い」

武器はガシャダの身体に数本刺さっているが、だいぶ浅い。


「うーん。困った」

「だから言っただろ!逃げろと!」

「どうしたものか」

ガシャダは悩んでいる俺なんて気にせずに殴りかかってくる。


攻撃を避けながら、対抗策を考える。

ガシャダの攻撃はどんどん速くなり、避けるのも大変になってきた。


「ぐっ!」

俺は腹を殴られ、吹き飛ばされた。


この世界に来てから、こんなにやられたのは初めてだ。

さすがに楽しくなってきた。


「このままだと色々まずそうだな」


▽ ▽ ▽


豚バラおにぎりをどんどん作っていく。

「ユナダラさん。お願いします」

「はい。わかりました」

作ったおにぎりがどんどん影に入っていく。


「これで最後です」

「わかりました」

俺はコータを見る。

ガシャダと戦っているがどう考えても劣勢だ。


助けたいけど、俺に何かできるか?


「ユナダラさん。コータにおにぎりを」

「わかりました」

そういうと俺の影が分裂し、コータの方に向かって行く。


「やるだけやるか。変身!」


身体が光を発した。

俺はレッドホーミングに変身した。


「ぐっ!」

「え?」

変身した瞬間、コータがガジャダに殴られて吹き飛ばされた。


「ぐっ!痛い…。頭が」

俺は正体不明の頭痛と恐怖を感じた。


▽ ▽ ▽


「何故人族が?」

「うるせえよ!クロマツ!俺を飛ばせ」

「わかった」

クロマツはタカ掴んで空を飛ぶ。


「俺のバットは痺れるぞ」

雷を纏ったバットは悪魔族の頭を殴打する。

「があ!」

悪魔族は身体を痙攣させて倒れた。


「シゲ!」

「ん?」

「平気け?」

「ああ。余裕だが」

ゴフェルさんから魔王軍は強い奴隷を集めていると聞いていたが、この島には兵士が多い。

数は完全に負けているがゴフェルさんやイヅクさんがいるからギリギリ優勢だった。


「皆さん。食事です」

俺の影から声がし、おにぎりが大量に出てきた。


「お?これはコータさんが作ったのやつけ?」

「そうかもね」

「ツルギとクロマツも食べろ」

「「わかった!」」


前に食べさせてもらったオムカレーと同じ米だ。

コータさんが用意してくれた料理で間違いない。


「うめえ!」

「本当に美味い」

「タカ、なんか元気が出てきた」

「ん?言われてみれば」

タカとツルギが言うように、兵士と戦った疲れが取れた気がした。


「よし。これを食べて、残った兵士を全員倒すぞ」

「そうだな」

俺達はおにぎりを頬張り、再び戦場に向かった。


▽ ▽ ▽


私は兵士の攻撃を避け、持っている槍を破壊する。

「ゴフェル様!」

「どうした、ヤディ!」

「気絶している奴隷は運んでいいでしょうか?」

「ああ。狸人族に奴隷を解放できるエクストラスキルを持っている奴がいる。そこに運んでくれ」

「わかりました。奴隷は伍の島の方が多いみたいです」

「なるほど。ならデルザムンドも伍の島か」

「おそらく」


たぶん魔王デルザムンドはコータでも止めるのは難しい。

私が直接倒さなくてはいけない。


「ここの殲滅が終わり次第、伍の島に向かう」

「わかりました」


私は目の前の兵士を地面に叩きつぶした。


▽ ▽ ▽


「ぐっ!」

ガシャダの速さに防御が間に合わなくなってきた。

身体の痛みは回復魔法で何とか我慢できている。


ガシャダは地面の落ちている金棒を拾う。

最初に俺の頬を掠めた金棒だ。


ユイとソンブラは虫人族の奴隷の制圧に手を焼いている。

ドーザは龍化して悪魔族の兵士達を倒しているが、さすがに数が多い。

こいつは俺が止めないとまずい。


そして1番心配なのはコータが倒れていることだ。

理由はわからない。

攻撃を受けたなら自動でログアウトしているはずだから、何か別の原因があるはず。



「に、逃げろ。この金棒を使って戦闘に負けたのは1度しかない」

「ハハ。1度負けてるなら俺も勝てる可能性があるかもな」

「人族、早く逃げてくれ。殺したくはない」

ガシャダはそう言って金棒を投げる。


「うお!」

金棒が俺の横を通り過ぎる。

金棒に気を取られている間に、ガシャダが目の前まで来ていた。


「防げ!」

ガシャダはそう言って俺の腕を掴み、振り回すように地面に叩きつけた。


「ぐっ!力が強すぎんだよ。があっ!」

ガシャダは腕を掴んだまま俺を持ち上げ、何度も殴る。


「ぐっ」

さすがにまずい。

回復魔法も間に合っていない。


意識が遠のきそうになる。



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