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39話 2章 ~犯人の独白~

 正直な話、今日の今日まで殺害する決意は固まっていなかった。

 殺そうと思ったのは、昼頃にチハヤ君が暴れたっていって、絵画の中に逃げ込んだのを見てからだ。


 そこから、前々から考えていた計画を実行した。


 ロープとか呼び出す手紙とか、偽装の準備を始めた。

 あの手紙については美術室にある雑誌とか新聞から切り抜いた。

 当然、指紋など付けなかったし、なんならあれを作ったのがケンタロウ君の方だという展開も考えていたんだぞ。全部無駄に終わったけれど。

 あとは黒い絵の隅に白と水色を足したりしたな。


 そして18時頃から、ケンタロウ君の姿を探した。

 すぐに見つかったよ。

 そこから姿を見失わないように、かつ、一緒にいるところを見られないように過ごして、18時40分に2階の自室に居た彼に言ったんだ。


 またチハヤ君が体育館で暴れ始めたよ、って。


 そしたら全速力で美術室に向かっていったね。

 予想通りではあったけれど、だいぶ必死だった。

 そんなにチハヤ君が怖かったのか。


 でもそのおかげで、全く疑われずにあの絵に飛び込んでくれたのだからな。


 美術室に行った時、彼の姿はどこにもなかった。

 もし死んだ時に強制的に外に出ていたら、それはそれでトリックを考えていたんだけど、それは使わないで済んだみたいだ。


 絵の中に呼びかけて反応がなかったのを確認した後、彼が出てきたら作動するドミノ倒しの準備を進めた。

 実はガラスを割ろうとも思って重りを付けてたんだけど、やはり空論ではうまくいかないな。


 全ての準備を終えてから時間前に食堂に行って待機していた。

 今思えば、そこで時計を見ておけばよかったな。

 ただ、分かったところでどうしようもなかったんだけど。


 19時になってみんなが集まってきた時も、予想外で焦ったものだ。


 ボクの予想ではチハヤ君は来ないと思っていたんだが、普通に姿を見せたからね。

 あ、言うまでもなく、窓から逃げたのはチハヤ君に擦り付ける予定だったんだよ。

 だけどチハヤ君が来て、その代わりにナギサ君とマシロ君が来なかったから、結果として成り立っていたけどね。あの時は相当焦ったなあ。


 その後はちょうど30分後に美術室の前に着くように調整して、中でキャンバスが倒れる音を聞いてもらうだけだったんだ。

 そこまではうまく行ったんだけど、ただ、予想以上にケンタロウ君の倒れ方が悪かったのか、扉が完全に開かなくなるようにつっかかっちゃうのは予想外だったな。

 本当だったらちょっと足止めする程度で、密室にする気はなかったのにな。


 チハヤ君が蹴り飛ばして開けるのは、想定していなかった好機だと思ったね。

 あれでキャンバスまで吹き飛ばしくれるかな、あわよくばケンタロウ君に変な傷が出来て死因も錯乱してくれないかなって思ったのに、そううまくはいかなかったね。


 焦ってその後、窓を確認するという名目でキャンバスをぐちゃぐちゃにしたけど、全部見抜かれたね。



 これが今回のボクの行った全てだ。



 ……やっぱりボクは。

 ちゃんと出来ない、出来損ないの人間だったんだよ。

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