表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

PR
32/72

28話 2章 ~日常編~ - 05

 マシロくんはお腹が空いてなかったようで一人だけ食堂に行った僕だったが、今回は誰もいなかった。まあ、これが大概だから慣れてはいるが。

 一人だったので早めに昼食を終えた後、僕は部屋に一度戻った後、何となくプールに向かった。理由は食後の運動でもしようかと思ったからだ。

 プールには先客がいた。


「あ!? 殺されに来たのか!? ――って、コータか」

「チハヤくん、今日はここにいたんだね」


 入った途端にちょうど目が合ったのはチハヤくんだった。

 体育館にずっといると思っていたからちょっと意外だった。


「ずっと体育館にいるのも飽きたんだよ。だから気晴らしにプールで泳ごうと思ってな」

「そういえば最初に会話したのもプールだったよね」

「ああ、そうだな。その時はユウリ、サスケ、ツバメ、ヒナタもいたな。そういえばサスケとヒナタはさっき体育館に来たぞ」

「そうなの?」

「ああ、なんかボール遊びがしたい、とか言ってたな」


 あの二人、何を言っているんだ……


「何を言っているんだ? と思って睨みつけてたら、勝手にどっか行ったけどな」

「まさかそれもあって体育館から移動したの?」

「あー、まあ、それもあるかもな。別に俺様は体育館を占領したいわけじゃねえからな」


 そういうところに微妙な優しさがあるよね。


「でも体育館を空けたら、なんか罠とか仕掛けられたりするかもしれないよ」

「爆弾とかか? そんなのはねえだろうよ。それにそういう仕掛けは、サイがやった以外には出来ねえし、誰もやったりしねえだろうが。俺様がいつ戻ってくるか分からねえんだからよ」

「逆にそういう考えもあるのか」


 納得がいく説明だ。

 サイくんの件で頭上からの何かは警戒することは間違いないし、それ以外で体育館で仕掛けが出来そうな場所はほとんどない。

 ならばリスクしかないということか。


「あと、プールなら逆に襲ってきそうなやつはいるかもな。丸腰だし」

「まあでもチハヤくんは素手でも襲いたくないだろうね。……あ、でもプールにいることがばれたら、服を盗まれて大変なことになるかもね」

「あ! それはやべえな。社会的に殺してくる可能性があるか。まあ男しかいねえから別にいいけどよ」

「なんだか男子校みたいだね」

「だな」


 僕とチハヤくんはお互い笑いあった。

 こういう状況だが、少しリラックスできた。


「そういえばチハヤくん、食事はとっている?」

「きちんと取っているぞ。他の人と被ると気まずいから時間はずらしているけどな」

「夕食もずらすの?」

「ん、どうしようかな……悩むな」

「そこはいた方がいいんじゃないかな。みんなが集まっているし、食事の時には全員姿を見せる、ということがあれば、それこそチハヤくんの目的である黒幕のあぶり出しにも使えるかもしれないから」

「そうだな。そうしておこうか。――さてコータ」


 チハヤくんがにやりと笑う。


「お前は水泳が得意か?」

「え? 特に得意でも何でもないけど」

「よし、じゃあ3本勝負しようぜ」

「ええ!?」

「いいからいいから。なんならハンデやるから」


 半ば押し切られる形で僕はチハヤくんと泳ぎを競った。

 結果は当然、僕のぼろ負けであったが。

 だがいい気分転換になった。


 チハヤくんも気分転換になったらいいな。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ