第1話 ポヨンの涙 ― いじめの正体
朝の教室。
リョーコが机に足を乗せ、アツシはお菓子の袋を蹴ってサッカー中。
床にはポテチの海。黒板には「授業中止希望」とデカデカと落書き。
その隅
ポヨンは小さく座って、ノートの端に「ぼくなんか…」と書いていた。
教室内で
リョーコ(ポテチ食べながら)
「ポヨン〜、また弁当3段重ね? それ“修行の荷物”じゃないでしょ〜?」
アツシ(くすくす)
「おいリョーコ、昨日ポヨンの魔法見たか? “回復魔法”って言って、転んだ自分のヒザしか治してなかったぜ」
リョーコ
「自己完結型ヒーラーじゃん!」
クラス「アハハハハ!」
ポヨン(涙目)
「……ぼくなんか、いなくても……」
(沈黙)
教室の空気が少し冷える。
その瞬間バァンッ!!!
扉が破壊的な音で開く。
(※効果音:ドカーン+スモーク演出)
さっちゃん先生登場
「おはようございます♡地獄から来ました☆
グレートティーチャー・さっちゃんでーすっ!!」
(リョーコ「いや、入り方ァ!」)
さっちゃん、すぐに空気を読む。
ポヨンの目の赤さを見て、スッと真顔に。
「授業、変更するわ。今日のテーマは
『言葉は魔法より強い』」
放課後・保健室
ポヨン(うつむいて)
「……ぼくなんか、何をやっても笑われるんです」
さっちゃん(やさしく微笑む)
「ポヨン、“ぼくなんか”を“ぼくなら”に変えなさい。」
ポヨン「え……?」
「“ぼくなんか”は過去を閉じる言葉。
“ぼくなら”は未来を開く言葉よ。
君の癒し魔法、誰かを救える力になる。
だから、“ぼくなら”って言ってみて。」
ポヨン「……ぼくなら……誰かを癒せるかもしれない。」
(手のひらが淡く光り、保健室の花瓶の枯れた花が“ポワッ”と咲く)
ポヨン「わぁ……!」
さっちゃん「ね、ほら。涙の分だけ、優しくなれるでしょ?」
『弱さは、誰かを癒す力にもなるのよ。』
翌日・教室
アツシがバカ騒ぎ中に机の角で手をガッとぶつける。
「いってぇぇ! 血出たぁぁ!」
リョーコ「番長、泣いてる?」
アツシ「泣いてねぇっ!」
ポヨン(おそるおそる近づく)
「ぼ、ぼくなら……治せるかも……!」
(両手を合わせる)
「ヒールライト・ポヨンパワー!!!」
(光があふれてアツシの傷が治る)
クラス「おおおおおお!!!」
アツシ「マジかよ……お前、すげぇじゃん!」
リョーコ(ポテチを渡して)
「ほら、ご褒美ポテチ。限定バター味な。」
ポヨン(涙ぐんで)
「ぼく、いま……うれしい……!」
放課後、夕陽の廊下を歩くさっちゃんとポヨン。
ポヨン「先生、ぼく……また頑張ってみます!」
さっちゃん(親指を立てて)
「いいわね、その“ぼくなら”を忘れないで。」
ナレーション
「かつて教室の片隅にいた少年がいま、誰かを照らす光になった。」




