第5話 実戦テスト① ― 守る勇者、守られる村 ―
今日は魔界勇者訓練所から課外授業
朝の演習場。地平線にかすむ木造の“模擬村”。鳥が鳴く平和な光景のはずだった。
さっちゃん先生「さてみんな〜! 今日からいよいよ実戦テスト!」
ボブ副担任「い、いよいよですか先生……」
さっちゃん先生:「えぇ。ここにモンスターを数十体リリースするわ!」
ボブ「数十体!? 模擬って言葉、どこに行ったんですかぁ!?」
(地鳴り。檻の中でうなる魔物たち)
ルル「うう、もう心臓が爆発しそうですぅ……!」
ゴル「よっしゃあ!暴れまくるぜ!!」
ピピ「ちょっ、あんた落ち着きなさいよ!まだスタートしてない!」
そこへ現れる、光り輝くマント姿の女教師。
魔リナ先生「おほほほほ! ごきげんよう、さっちゃん先生♪」
さっちゃん先生「出たわね……高飛車わがまま、“魔リナ先生”!」
ボブ「あっ!あの人、去年の魔力制御大会で会場を吹き飛ばした人じゃ!?」
魔リナ先生「あれは予定通りですの♡」
その背後には
無表情で整列する、3年・AKUMA組の勇者候補たち。
彼らは完璧な姿勢で立ち、呼吸すら揃っている。
ピクリとも笑わず、眼だけがギラリと光る。
さっちゃん先生「……魔改造、したわね?」
魔リナ先生「まぁ少々“精神矯正プログラム”を導入しましたの。感情を捨てた勇者こそ最強♡」
さっちゃん先生「アホね。勇者は“心”が武器よ!」
(ゴゴゴゴゴ…と二人の教師の間に火花)
ボブ「先生同士が戦い始めた!?」
試験開始の鐘が鳴る。
ルルたちのチームは、村の防衛を任された。
ルル「村人役の人形を守ればいいのね!」
ピピ「……って、もう敵出てきてるじゃない!!?」
ゴル「オラァァァ!!!」(突撃)
さっちゃん先生(拡声器で)「ゴル!単独突撃禁止!マイナス30点!!」
ボブ「あ、さっちゃん先生点数つけてる!」
ルルは震えながらも、仲間の前に立つ。
「私が……守る!」
魔法障壁を展開し、火球を受け止める。
熱風で髪が乱れても、崩れないその瞳。
魔リナ先生「ふぅん……感情の制御は未熟。でも悪くありませんわね」
さっちゃん先生「未熟で結構よ!その“心の揺れ”こそ、勇者の証なの!!」
(その瞬間、AKUMA組の魔改造勇者が無表情で現れ、ルルたちを襲う!)
ピピ「ちょっ!? モンスターじゃなくて人間来たー!?」
ボブ「もはや試験の枠を超えてるぅぅぅ!!!」
ゴル「オレは仲間を……守る!!」
(盾でルルをかばい、吹き飛ばされながらも立ち上がる)
ルル「ゴル……!」
ピピ「ま、負けてられないじゃない!」
三人が背中を合わせ、村を囲むように構える。
(魔法、矢、盾が交差する。火花と光が夜空に舞う)
最後の一撃。
ルルの魔力が限界を超えて暴走しかける。
さっちゃん先生「止めなさいルル!! 感情を……信じろッ!!」
ルル「みんなを……守りたい――!!」
(ドンッ!! 大爆発。光が村を包み、モンスターもAKUMA組も吹き飛ぶ)
煙の中で、ルルは仲間の上に倒れながら微笑んだ。
ピピ「……村、守れたみたいね」
ゴル「オレら、けっこうやるじゃん」
魔リナ先生「ふふ……まさか感情に負けて勝つとは。皮肉なものですわね」
さっちゃん先生「それが“心ある勇者”の力よ。魔リナ先生、覚えときなさい!」
ボブ「えぇ〜っと、つまり採点は……?」
さっちゃん先生「合格よ!もちろん、補習もあるけどねッ!!」
ボブ「どっちなのぉ〜!!」
さっちゃん先生の毒舌コメント
「魔リナの勇者? 無表情で命令通り動くだけ。
そんなの勇者じゃなくて高性能掃除ロボよ!」
「うちのゴルはバカ、ピピはうるさい、ルルは泣き虫。
でも“守るために動ける”バカの方が、私は好きよ。」
「勇者ってのはねスコアよりハート、効率より根性!
あ、でも次回はもうちょっと頭使いなさい。」
次回予告(さっちゃんナレーション風)
「次回第6話!
次は実戦テスト②! 敵はさらに強く、試練はさらに地獄!
友情か? それとも玉砕か!?
立ち向かえ、勇者候補生たち! 今度こそ泣かずに戦え!!」




