第8話 恋の告白の決戦前夜―それぞれの想い
明日、裏山の桜満開予想。
学園中がそわそわしていた。
裏山の桜は、今日だけでつぼみがパンパンに膨らみ、
夕日を受けてまるで「早く恋愛しろ」と急かしているようだった。
校長(通りすがり)
「いや~若いっていいねぇ……(10回目)」
さっちゃん
「校長、出現率高すぎ。青春のエナジードリンク飲んでんの?」
男子たち、告白修行に入る
タケル(野球部)
裏庭で“壁ドン練習”を始めた。
ドン!
ドン!!
ドン!!!
タケル「ひまりに……こうして……こう!(壁ドン)」
壁「ギシ……バキッ!」
タケル「えっ、壊れた!? まだ30回目だぞ!?」
さっちゃん
「何回やる気だバカ!建造物に恋愛ぶつけんな!」
タケル
「100回やれば完璧になるってネットに書いてあったんス!」
さっちゃん
「ネットの恋愛情報は全部嘘だ!!」
ナオヤ(バスケ部)
鏡の前で告白練習。
ナオヤ「るか……その、僕は……
す、す……す……(真っ赤)」
ナオヤ、限界突破して気絶。
バタン。
さっちゃん
「何その“照れ死”!? どんな生物なの君!?」
ナオヤ(倒れたまま)
「……青春の重圧で、脳が……」
リョウ × かのん
リョウは全力で逃げ、
かのんは全力で追う。
校庭100周。
生徒たち
「野生のチーターの追跡かな?」
「いや、かのんちゃんの恋パワーじゃね?」
かのん(息切れしながら)
「リョウくん、逃げないで!今日の速度記録したいの!!」
(※恋より計測が優先)
リョウ
「速度じゃなくて俺を見てーーー!」
レオン × はづき
はづきは“告白前夜弁当”を渡す練習。
はづき
「あの、その……レオンくん……
これ、食べて……?」
レオン(照れて炎の魔力が漏れる)
「は、はづきが俺の弁当……?
い、いやその……熱っ!熱ちぃぃ!!」
ボワァァァ!!!!(炎上)
弁当が丸焦げに。
はづき(泣きそう)
「わ、私の唐揚げが……真っ黒に……」
さっちゃん
「青春に火災保険は効きません!」
校長
「若いって……燃えるねぇ……(満足顔)」
ひまり
鏡に向かってポニーテールの角度を100回変える。
「いや、タケルくんは……角度3度の違いが……好き……のはず……!」
るか
ナオヤの逃走を阻止するため、
“逃がさない動き”の特訓を始める。
るか
「ナオヤ、今日こそ止めるからね!!」
壁に向かって“逃走阻止タックル”を練習し、壁が揺れる。
かのん
リョウの速度を計測するため、
高速撮影カメラを自作。
青春の方向性がズレてる。
はづき
レオンに渡す新しい弁当を作るが、
緊張で今度は自分のほうが焦げる。
さっちゃん
「君ら恋愛でどんだけ物理破壊するの……?」
生徒たちの様子を見て回っていたさっちゃんは、
ついに手で顔を覆った。
「あーーーもう青春くさい!!
汗と恋とバカの匂いがすごい!!!」
しかし。
それでも、
壊れた壁も、焦げた弁当も、気絶した生徒も……
彼らの“本気”はまぶしかった。
さっちゃん
「……こんなに必死なんだ。
この子らなら、きっと……告白、できる。」
その時、桜の根元に刻まれた古文書が光を放つ。
“桜の呪いを完全に解く条件”
ひとつは、
本気の恋と本気の勇気。
もうひとつは……
“導く者(教師)が、生徒の恋を信じること。”
さっちゃん
「え……嘘。
私……が?」
桜の花びらが、ふわりとさっちゃんの肩に落ちた。
さっちゃん
「……生徒を信じろ、って?
……ま、まあ……
アンタらなら……できんじゃないの?」
顔が真っ赤。
校長
「先生も……若いねぇ……(満足)」
タケル、ナオヤ、リョウ、レオン、
そして乙女たちが、桜を見上げながら口々に言う。
「明日……告白する!」
さっちゃん
「はいはい、全員そのつもりで寝なさい。
明日、逃げたら補習だからな。」
生徒
「えぇぇぇぇぇ!?」
桜
「(ポワァァ……)」
明日の満開を予告するように光っていた。




