追放
燃える屋敷を見て村人たちは集まってきた。
フェイナはとっさに自らのバンダナをゴブミの頭に巻いて顔を半分隠す。
ゴブミは自分で用意していたマスクも口元に巻いてゴブリンには見えなくなった。
「フェイナちゃんこれは?」
村人達にフェイナが、村長にゴブリンリーダーが化けていたと説明すると、村人達は一斉に
「おかしいと思ってたんだ!」
「急にケチになったと思ったら!」
「許せねえ!こいつを都に運ぼう!」
「そうだそうだ!王様に渡そう!」
フェイナが進み出て
「私がやるわ!見て!ゴブリンリーダーを倒した私の最強の彼氏と最強の友達よ!」
俺とゴブミを紹介してしまう。
俺はフェイナの彼氏じゃないのになと思っていると、ゴブミは右手を軽くあげて俺の背中に隠れた。
俺はフェイナの横に出て
「屋敷を燃やしてしまってごめん」
村人達にまずは謝った。
しかし村人たちは気にしていない様子で、夜中なのに馬車を用意して、ゴブリンリーダーを縛り上げると荷台に積み込み
「さっそく連れて行ってくんな!」
「あとは頼むな!」
「消火はしとくからよ!」
旅費と食料を貰った俺たちはいつの間にかゴブミが御者をする荷馬車で村を出ることになっていた。
村を出て王都へと向かう道へと馬車が入るとゴブミがポツリと
「これは追い出されたゴブ。追放だゴブ」
フェイナも悲しげに
「派手に焼いちゃったからかな」
「ゴブゴブ……あの、フェイナさんほんとに自宅で……」
「違うよ!エッチな商売とかしてない!」
「すまんゴブ……エッチなことは王都でプロにお金払ってするゴブ……」
「う、うん。ゴブリンだから難しいと思うけど」
俺はどっちでも良いと思っていた。
問題は今日は興奮で寝られそうもないということだ。
成長期の俺にとって毎日の睡眠は大事だ。
親父は言っていた、背を伸ばしたいならちゃんと好き嫌いなく食って毎日二十二時には寝ろと。
もう二十二時は過ぎている。
ゴブミとフェイナも雑談を続けながら、馬車は夜道を進んでいく。




