表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
12/14

Episode11: 第二試合

「第二試合を始める!両者、位置につきなさい!」

訓練場中央に立ったロアの声が、静寂に包まれていた場を切り裂くように響いた。


「ったく…せっかく手を貸そうと思ったのに……」

朋佳ともかが不満げに呟きながら戻ってきた。


私たちは無言でギアの確認を始める。ぎこちない沈黙の中、私は朋佳ともかに話かけた。


「……あの二人より、リアムさんのほうが強いんだって。カイさんが言ってた。」

そう口にした瞬間、朋佳ともかの手がわずかに震えた。ギアが弓の形をとったその瞬間も、その指先はわずかに揺れている。


「そっか…。あの二人より強いんだ……」

無理に明るく言おうとする彼女の声は、どこか上ずっていた。

前にあんな試合を見せられたのだ、震えるのは無理もない。

私は彼女の震える手の上に、そっと自分の手を重ねた。


「私が先に攻撃を仕掛ける。自信は無いけど…できるだけ注意を引きつけるから――援護、お願いできる?」


「もちろん。」

彼女が小さく頷いた。


訓練生時代、朋佳ともかは誰よりも遠距離攻撃を得意としていた。

彼女の援護があるだけで、どれだけ心強いことか。


ふと視線を向けると、リアムがすでに準備を終えていた。その姿は凛とし、何一つ無駄がない。赤みを帯びた髪が照明の下で鈍く光っている。


まっすぐな視線が、こちらを射抜いた。


――まただ。

目が合うと、不思議な感覚に包まれる。静かなのに、全てを見透かされるような。彼の目は、どこか寂しげで、けれど怖いほどまっすぐだった。


(この人もきっと“継承者”……)


カイとルシアの戦闘を見て、一瞬で継承者ということが分かった。恐らくリアムも…

私の背中に汗が伝い、手のひらはじっとりと湿っていた。


「第二試合を始めます!ルールは先ほどと同じです。訓練用ギア、魔法制御リングの状態を再確認しなさい!」

ロアの声が再び場を包み込んだ。


私はギアに呼びかける。「訓練モード、起動。」

銀色の腕輪が、柔らかい光を帯びて剣へと変化する。


震える足に力を込める。

視界の端で朋佳ともかの弓が展開され、静かに弦を引く音が聞こえた。


そして、ロアが右手を高く掲げ、宣言する。

「……はじめ!」


私は全力で前へと駆け出した。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ