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少年:空
『どうして神様はオレを
”ひとつ”としてこの世界に 創りだしたのかな…
どうして神様はオレを
ただ”ひとつ” 誰とも ほかの何とも違うモノとして
生み出したんだろう…
ひとつじゃなかったら… ひとりじゃなかったら…
爬虫類だって その辺の草木だって…
なんだってよかったのに…
どうして――…』
ただ一つ、この地球上で大きな”ひとつ”として生まれた空は
その孤独を泣いた。
他のどの動物とも違い、 他のどの植物とも違い、
他の何物とも引き離されて ひとり…
天から 見つめていた。
…雲はいいなぁ。
幾つにもちぎれて、
でもそれでもまたひとつになることもできて。
…水はいいなぁ。
冷たくもなれて、暖かくもなれて
みんなに 必要とされて。
…人はいいなぁ。
右と左 手があるから幾らでも繋がれるんだから。
いいなぁ ひとりは… ひとつぼっちは嫌だなぁ…
それでも 寂しい空は一月だけ
一年に一月だけ… たくさん泣こうと思った。
……雨のやまない 6月のことだった。
――…水無月の月だった。




