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不思議な夢
ここは……… どこだろうか。
甘い花の香りを運ぶ、爽やかな夏の風が奏楽の頬を撫で、吹き抜けていく。
少年は心地いい風の頬を撫でる感触でゆっくりと瞳を開いた。
夢心地の中、まるで真夏の向日葵の頭状花を思わせるような黒に近い美しい茶色をした奏楽の瞳がとらえ
たのは、視界の許す限りどこまでも広がる青々と茂る草原と、その草原を深く包み込む白い霧と、そんな
風景に溶け込むように差し込む陽射しだけ。
現実世界とは全くかけ離れた世界。
しかし、不可思議な怪しい世界といえど言いようのない心地よさに、
少しも戸惑うことなくゆっくりと起こした体をもう一度その場に横にして、仰向けのままで、その瞳
(め)を閉じてみた。




