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転生古龍の遊者道  作者: 茜雲
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第58話 開幕




「うわぁ……結構参加者いるねぇ……」


 思わず感嘆の声を出す。


 ここは王都の中心地たる中央区。王宮を囲むように、貴族の邸宅や騎士団院、他各種大型施設を構える区画だ。そこにある王都最大の闘技会場に、私たちはいた。


 そう、今日は待ちに待った私の売名大会……もとい、闘技大会だ!


 ここで私が名前を売れば、ギルドのクエストも上位のものを受注できる。まあうちのパーティにはセリナがいるから当面問題ないんだけどね。


 それでも、セリナ不在で上位クエスト受注できるのは大きいし、何よりこれから先も、セリナとずっと一緒という保証は無い。私的にはずっと一緒に遊びたいところなんだけど。


 どちらにせよ、私自身のランクを上げておく事に損は無い。そして、その為には、この大会で私の実力をアピールすることだ。


「この大会は年一回だけど、開催地を6大国の首都を順番に回るようにしてるから各国でも知名度が高いのよ。出場への敷居も低いし。私達の国(アルフィスタ)はもちろん、他の国からの出場者も多いはずよ」


 テンションを上げまくってる私にミシェルが説明してくれる。


 なるほど、と周囲を見れば数百人はいるであろう参加者達。さて、私と戦うのは誰だろうね。当たっても恨まないでね。


 そこでふと、あることに思い至って後ろを振り返る。


「アリア。もしかしたらガルシャークの今の状況を知ってる人がいるんじゃ無い?」


「え、ええ……そうですわね……」


 おや? 明らかに元気が無い。


 気になった私はアリアと距離を詰める。


「アリア、もしかして緊張してる?」


 アリアは私とセリナが闘技大会へ出場するという話を聞いてすぐ、自身の出場を申し出た。


 彼女の目的は心身共に強くなること。なら、確かにこの大会はうってつけかもしれない。だからその提案は歓迎したのだけど……。


(まあ仮にも王女様だしね。いくら騎士達の訓練に参加してたって言っても、大会ともなると緊張するか。そういえば人見知りだとかなんとか言ってた様な気もするし……)


 ともあれ、ここで無理をする必要は無いだろう。


「アリア。別に今から棄権しても……」


「――いいえ、棄権などしませんわ! ここで逃げては“強さ”など、手に入れられませんもの……!」


 僅かに体を震わせながらもそう言いきるアリア。


 確かに、そうだ。何かと理由を付けて、そして逃げ続けて。そんなので強くなんかなれるはずは無い。


「……そうだね。なら、目指すは優勝だよ!」


「……言うまでも無い」


 私がそう宣言すると、間髪いれずにセリナが乗ってくる。


 そして重ねる手と手。


「私は参加しないけど、精一杯、応援しているわ」


 そこにミシェルも手を重ねる。そして、私たちの視線はもう一人の仲間に集まっていく。


「――……ふふ。それは叶いませんわ。だって優勝(それ)はわたくしが戴きますもの……!」


 客観的に見て大言壮語な宣言をする私たちに、いつの間にか止まっていた体の震えに、可笑しそうに笑みを浮かべながら、アリアも同じように手を重ねた。


「――勝つよ!」


「「「応ッ!」」」


 試合前から最高のチームワークを見せつけ、私たちの闘技大会は幕を開けた。




ここまでお読みいただき、ありがとうございます!


例のごとく量は少ないですが、何とか更新頻度を戻していきたいですねぇ…。

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