第22話 大先輩
「セリナがじゅうななさい…‥」
半ば茫然と呟きながらセリナを見る。
セリナは小柄だ。13,4歳の身体になってる私よりも小さい。身長は150cm弱くらいだろうか。13歳としてなら、並か少し下くらいだ。
で、17歳? ていうか私より年上?
私はこっちの世界ではまだ生まれて14年くらいだし、向こうの世界でも16歳だった。まぁ足したら……いやなんでもない。
とにかく、見た目に反してセリナは私よりお姉さんだった。態度を改めた方がいいのだろうか。
「……今まで通りで構わない」
私の心中を見事に呼んだセリナがそう言ってくれる。ていうか私はそんなに分かり易いだろうか。
「――うん、わかった。さってと、なんだっけ、ゴーストスパイダーの討伐? 受注はセリナ? これには私も同行してもいいんだよね?」
セリナの気遣いに感謝しながら話を戻す。というより質問ラッシュだけど。
「……ん、ゴーストスパイダー、少し大きい程度の蜘蛛。私達の敵じゃない。受注は私、募集要項さえ満たしていれば、同伴者は自由」
セリナは気を悪くした様子もなく質問に答えてくれた。
依頼書を手にしたセリナは、そのまま慣れた様子で受付に持ち込み、ささっと受注手続きを済ませる。
「なるほど……」
それを後ろから眺めながら頷く。
次に自分で受注する時の参考にしよう。
「……手続き終わり。行こう、イロハ。ゴーストスパイダーは近くの森で目撃されてる」
セリナは言いながらギルドを後にする。先導してくれる姿は確かにお姉さんかも、と思わせる様だった。
「ねぇ、セリナっていつから冒険者やってるの?」
セリナに追従しながらそれとなく聞いてみる。
セリナはCランク、そこまでギルドの信用を得ているということは、冒険者歴もそれなりに長いのだろう。
「……12歳のころから。だから、もう5年になる」
「5年……!」
思ったよりも長いそれに、思わず声が出た。
14歳(仮)で登録した私が言うのも変だが、冒険者なんて危険を伴うものに、そんな幼い頃から関わるというのは少々特殊だ。
そうはいっても、個人の経緯なんかに首を突っ込むのはマナー違反だと承知している。
私だって秘密にしてるしね。
だから、敢えて話題を変える為に声の調子を上げて返した。
「――大先輩だね♪」
「……うむ、敬いたまえ」
そんな馬鹿な話を繰り広げながらゴーストスパイダーが出るという森に向けて歩いて行った。
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