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赤聖国で生まれた僕は  作者: 真灯出愼
最終章―決戦―
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第41話

 国会議事堂前に到着すると達樹くんと国軍の隊員が20人、反乱軍の隊員が35人待っていた。


「純くん!」

「達樹くん、みんな、急に飛び出していってごめん」

「決意した顔をしているね」

「ああ。僕は父さんを倒す。もう迷いは無い」

「分かった。じゃあ僕も心を決めるよ」


 そう言うと、達樹くんは国軍の隊員に向かって叫んだ。


「聞いてくれ! 僕は赤聖国の官僚として今まで戦ってきた。しかし、先ほどみんな見たと思うが僕は反乱軍隊長の波多純に負けた。本当ならばここで命を落としていただろう。だが、純くんは僕を殺さなかった。むしろ、僕は味方である紀伊崎を殺した。これ以上国軍として働くことは出来ない。僕は反乱軍に入って赤聖国の最高指揮者である波多章介の命を狙うとここに宣言する! もし、それでも僕に着いて来てくれる人が居るならば……最も信頼している君達にも一緒に来てもらいたい」


 達樹くんの眼差しは真っ直ぐ国軍の隊員たちを見ていた。

そんな彼の姿は誰の目から見ても頼もしい上官だった。


「隊長! 私はあなたに命を捧げると誓った身。どこまでも着いていきます!」

「隊長! 私もあなたをお守りする為にここまで戦ってきました。これから先もあなたを守ります!」

「隊長! 私も!」

「私も!」

「隊長!」


 次々と声を上げる隊員たちに、達樹くんは涙していた。


「みんな、ありがとう。純くん、ご覧のとおり僕は反乱軍として君のお父さんを倒す手伝いをさせてもらいたい。いいかな?」

「もちろん。心強いよ」


 達樹くんとガッツリ握手をして、僕は反乱軍の隊員に向けて声を上げた。


「我々反乱軍は最終決戦に向かう! 強力な仲間が出来た今、全世界に散らばる計画実行中の国軍殲滅と、全ての指揮をとる波多章介を倒す! 行くぞ!」

『おおおぉぉぉぉ!!!!』


 僕は陽国の本部に向かい、達樹くんは自分の官僚低に向かった。

赤聖国の官僚は自分の屋敷と部隊を持つことを許されており、官僚同士が干渉することは許されていない。

そのため、官僚を指示するのは最高指揮者である波多章介だけだ。

多分、達樹くんが反乱軍に寝返ったのは既に赤聖国に伝わっているだろう。

僕は本部で全隊員に指示を出した。


「これより国軍との最終決戦を行う。我々反乱軍が目指す赤聖国は、今まで通り他国からの依頼を受けたスパイ任務のみを受ける存在であること。その根本を覆そうとしている国の計画は許されない。各隊員は世界中に散らばる国軍を制圧せよ!」


 僕が赤聖国で達樹くんと争っている間にも、他の国では国軍と反乱軍の争いが続いていた。

報告によれば、那国、透国は反乱軍が制圧したとの事。

候国は殆どが国軍に乗っ取られている状態で、制圧に苦労していた。


「隊長! 候国の隊員から連絡です」

「繋げ。吉本だ。どうした?」

「隊長、すみません。候国の任務失敗です。候国に存在する9割のスパイは既に国軍が乗っ取っており、反乱軍は私以外全員やられました。応援を願いま……うわっ! え? 誰だ!」

「どうした!」

「あ、すみません。国軍の襲撃で身を守ろうとしたら見知らぬ男が大群を連れて私を守るように戦って居ります。増援にしても見知らぬ顔ばかり。隊長、どういうことでしょうか?」

「分からない。僕はまだ増援の指示は出していないが」


 すると、無線の向こうで何やらガチャガチャと物音が聞こえた。

静かになったと思ったら、隊員とは別の声が聞こえてきた。


「松田くんかい?」

「その声は……シンコウさん?」

「良く覚えてくれていたね。号国では命を救ってもらってありがとう。お礼をしたかったが、目が覚めた頃には君はどこかへ行ってしまっていたからね」

「どうしてそこに?」

「あれからスパイ活動を続けて候国に潜入してたんだ。すると驚いたことにほとんどが赤聖国スパイだったんだよ。で、何が起きているのかずっと調べていたら赤聖国の反乱軍の存在を知ってね。その隊長が松田くんだと言うから驚いた。候国で反乱軍が赤聖国のスパイと戦っている情報を聞いて駆けつけたって訳さ。ここは我々透国のスパイに任せてよ。必ず恩は返す」

「シンコウさん。ありがとうございます。では、候国は任せました! そこに居る唯一の生き残りも一緒に連れて行ってください。僕との通信手段を持つ最後の人材なので。何かあればいつでも連絡をください」

「ありがとう。じゃあこの人は借りていくよ」

「隊長!」

「シンコウさんは僕が信頼する人物だ。何があっても守りきれ。いいな」

「分かりました!」


 シンコウさんが候国の制圧に加わってくれて助かった。

このまま候国に増援を送っていれば他の国が手薄になる。

この頃には反乱軍も随分と人が減っていた。

僕は他の国の制圧状況を聞きながら最終の赤聖国での作戦を練っていた。

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