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赤聖国で生まれた僕は  作者: 真灯出愼
第2章ー成長ー
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第10話

機動訓練開始!

 合宿2日目。

朝食を食べる為、全生徒が食堂へ集まる。


「おはよう。昨日のセレモニーは楽しんでもらえたかな? 今日から本格的に合宿がスタートする。初めての人も、そうでない人も、心してかかるように」

『はい!』


 今日からの合宿内容はまだ知らされていない。

朝食後に何か伝達があるのだろうか。

そう思いながら割り箸を袋から抜き、ご飯を食べだした。

すると、割り箸の袋の中に何やら文字が見えたのでそっと覗いてみると指令が書かれていた。


【合宿最終日までに自分のチーム内に居る他チームのスパイを探し出し担当講師に報告せよ。最後まで見つけれなかった場合は君がスパイだったと判断し処罰を与える】


 これは僕だけに対する任務だろうか。

それとも他の人にも…?

しかし、のん気に考えている場合でもない。

他チームのスパイを探しだすなんて。

初日の組手でチームの顔は覚えた。

もし今日すり替わったならすぐ分かる。

でもそうでない場合、チームが分かれた時から潜入しているということだ。

それが一番厄介だな。


 考えながら食事をしていると回りの人は既に食べ終えていた。

僕も急いで食事を終えて部屋に戻った。


 担当の火口先生から今日から最終日の合宿内容が伝えられた。

僕達のチームは今日2日目にアスレチックを使った機動力訓練、

3日目と4日目に模擬任務、

5日目が無、

6日目の始動時刻までに脱出出来なかったものは無を継続、

脱出者は体育館にて組手訓練、

最終日の7日は終業式のみ

という日程だった。


 “無”と言うのはいわゆる投獄。

拘束されて牢に入り監視される。

食事もなし。その牢から脱出を試みるのだ。

ただし、脱走に失敗して再度捕まった場合は更に脱走不可能な牢に移動させられるというものだった。


 すぐに機動訓練が開始されるため、全員急いで着替えアスレチックへ移動した。


 何やら恐ろしい訓練が待ち構えているみたいだが、5日目の無に入る前にスパイを見つけ出さないと任務達成は困難になりそうだ。

今日の機動訓練で何か分かるといいんだけど。

そう思いながら着替えて直ぐアスレチックへ移動した。


 全員アスレチックに揃い、担当講師の笹永(ササナガ)先生がアスレチックについて説明を始めた。


 ここでは様々な障害物を避けながらタイムを競うフィールド、チーム対抗で旗を取り合うフィールドがある。

最初は障害物の方から始める為、3人1組になった。


 こうして障害物リレーのようなものが始まった。

ただし、普通の障害物ではない。

高低差5mの段差や幅5cmほどの橋など、危険な物ばかりだ。

先輩達が次々と走っていく。

僕の番が来て走り出した。

もたもたしていると後ろのチームの人が抜かしていく。

すると前の人が障害物を避けようと道をそれた瞬間に姿を消した。


「え?」


 近くまで行っても姿が見えない。

どういうことだ?

とりあえずゴールまでたどり着いた僕は消えた人の姿を探した。

すると少し汚れていたが無事ゴールについていた。


 あそこからどうやってフィールドに戻れたんだろう。

高い崖で上るのは不可能なはず。

戻るには下の道を回らないといけないから僕より先にゴールをするのは不可能。

もしかしてスタート時のあの人は他チームのスパイだっのか?

こちらの日程を聞き出す為に。

そして顔をじっくり見られるゴールで元の人に戻ったのかも。

12番。

注意して観察しておこう。


 次にチームを分けて旗取りゲーム。

奇数と偶数で分かれた。

僕は28番。12番と同じチームだ。

確か、12番は昨日の試合で潜入班チームだった。

他チームのスパイになる可能性はある。


「それでは、始め!」


 先生の合図で一斉にアスレチックの中に散った。

僕は旗まで10mの距離まで迫って息を潜めていた。

全員の位置を把握できる場所。

それは地面だ。

地面の足音で大体の位置が分かる。

障害物走行をしている時に見つけていた。人ひとり分入れる穴がある事を。

もちろんフタもある。

ただ他にもココを見つけた人が居るかもしれないので更に横に穴を掘り、新たな空間を作ったあと、それがばれないようにフタをした。

案の定、この穴を確認しに来た人が数人いた。

しかし僕は見つからず、そのまま旗の下まで穴を掘り進めた。


「ナンバー28。旗地点到達」

「了解。1分後奇襲をかける。それまで待て」


 僕は旗の下に位置する地面を下から掘り、上の仲間が奇襲をかけたと同時に旗を下に抜く作戦だ。

しかし足音が何かおかしい。

もうすぐ奇襲の時間だ。

僕は時間に合わせるように必死に穴を掘った。


――ズドン!


 穴に落ちたのは旗ではなく敵チームの人だった。

そう。下から狙っていることがばれていたのだ。

しかし僕も馬鹿ではない。

別の抜け道を作っていたのでそこから地上に出ていた。

旗を守っている人も穴の方に集中している。

その隙に背後から襲い旗を奪った。


「そこまで!」

「よしっ!」


 あの無線は敵チームに乗っ取られていたようだ。

こちらの作戦は筒抜けだったが、足音で状況判断して正解だった。


「今日はここまで。各自部屋にて復習しておくように。そしてチームミーティングも忘れるなよ」

『はい! ありがとうございました』


 部屋に戻ってからは敵対していたチームの人たちに無線の乗っ取り方などを聞き、僕も足音の判断を説明した。

こうしてチーム内の技術向上を図り、明日から始まる模擬任務の予習をしていた。


 模擬任務は実際に他チームに潜入し、情報を盗みだす。

2日もかける理由はもちろんそれだけ重要な訓練だからだ。

2日目が終わり、3日目の模擬任務が幕を開ける。


 そして潜入しているスパイを見つけ出す期限も残り4日。

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