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ぽん太くんは、がんばっています  作者: 秋田コウ
第一章 一学期

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第9話 ぽん太くんの給食当番

学校では、みんなが順番に担当する「給食当番」があります。

おいしい給食を配るだけではなく、友だちのことを思いやる気持ちも大切なお仕事です。

さて、ぽん太くんはどんな給食当番になるのでしょうか。

 その日、ぽん太は給食当番だった。

 白いエプロンを着る。

 三角巾をかぶる。

 手をきれいに洗う。

「よろしくお願いします」

 みんなで声をそろえた。


 今日の献立は、カレーライス、サラダ、牛乳、そしてみかんゼリーだった。

「おいしそう!」

 教室が明るくなった。

 ぽん太は大きなおたまでカレーをよそった。

「はい」

「ありがとう」

 一人ずつ配っていく。


 その時だった。

 健太のお皿を見て、ぽん太の手が止まった。

「どうした?」

 健太が聞いた。

 ぽん太は少し考えた。

「健太くん、いっぱい遊んだから、おなかすいてるよね」

「え?」

 先生が二人の様子を見ていた。

「健太、食べられるか?」

「はい!」

「じゃあ、少し多めでいいぞ」

「はい!」

 ぽん太は少しだけ多めによそった。

 次はさくらだった。

「さくらちゃんは少なめ」

 先生が笑った。

「昨日、少し残していたもんな」

 さくらは目を丸くした。

「覚えてたの?」

「うん」

「だから今日は食べきれるくらい」

 さくらは嬉しそうに笑った。

「ありがとう」


 みんなに配り終えると、最後は給食当番の分だった。

 鍋の中には、ほんの少しだけカレーが残っている。

「どうする?」

 友達が聞いた。

 ぽん太は鍋をのぞき込んだ。

 ぽん太は残ったカレーを自分のお皿によそった。

「ちょうどよかった!」


 みんなで手を合わせた。

「いただきます」

 教室に笑顔が広がった。

 食べ終わる頃には、お皿はみんなきれいになっていた。

 先生が教室を見回った。

「今日は誰も残さなかったな」

 子どもたちは嬉しそうにうなずいた。

「ぽん太」

「はい」

「いい給食当番だったぞ」

 ぽん太は首をかしげた。

「そうですか?」

「ああ」

「みんなが食べきれるようによく考えていたからな」

 ぽん太は少し照れくさそうに笑った。

「残るともったいないから」


 その日の夕食。

「今日は給食当番だったんだって?」

 祐子が聞いた。

「うん!」

 ぽん太は楽しそうに話し始めた。

「みんな、お腹のすき方が違うから、少しずつ変えてみたの」

 祐子は微笑んだ。

「先生に怒られなかった?」

「ううん」

「ほめられた!」

 惣太郎が笑った。

「みんな、ちゃんと食べきれたのか」

「うん!」

「誰も残さなかったよ」

 ハル子が静かに言った。

「相手のことを考えることは、大切です」

 リョウ子もうなずいた。

「みんな、おいしく食べられてよかったですね」

 ぽん太はにっこり笑った。

「みんながおいしいと、ぼくもうれしい!」

 その言葉を聞いて、家族も笑顔になった。


 相手のことを考える優しさを大切にした、ぽん太くんでした。

同じ給食でも、食べられる量は一人ひとり違います。

ぽん太くんは、お友だちのことをよく見て、その子に合った量を考えました。

相手を思いやる小さな気づきが、みんなの笑顔につながったのでしょう。

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