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ぽん太くんは、がんばっています  作者: 秋田コウ
第五部 三学期

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第48話 ぽん太くんの教室

三月になると、学校では一年間の締めくくりを迎えます。

毎日勉強し、友達と笑い合い、たくさんの思い出を作った教室とも、もうすぐお別れです。

今回は、ぽん太くんたちが一年間お世話になった教室を心を込めて掃除し、「ありがとう」の気持ちを伝えるお話です。

 三月のある日。

 修了式を明日に控えた松原小学校。

 三年一組の教室では、一年間お世話になった教室の大掃除が始まっていた。

 山口先生がみんなを見回した。


「今日は、一年間お世話になった教室をきれいにします」

「机も、いすも、ロッカーも、黒板も」

「ありがとうの気持ちを込めて掃除しましょう」

「はい!」

 元気な返事が教室いっぱいに響いた。


 ぽん太は、ぞうきんで自分の机をていねいにふいた。

「ずいぶん傷があるね」

 机の天板には、小さな傷やへこみがいくつもある。

 健太が笑った。

「一年間、毎日使ったからな」

 さくらもうなずく。

「図工の時間に絵の具もついたよね」

 夏輝が机を見ながら笑った。

「ぼくは算数で消しゴムを何回も落としたなあ」

 優太も照れ笑いをした。

「習字の時間、墨をこぼしそうになって、すごくあわてたよ」

 ぽん太も思い出したように笑った。

「ぼくなんて、給食で牛乳をこぼしちゃったこともあった」

「あった、あった!」

 教室いっぱいに笑い声が広がった。


 今度はロッカーの中を整理した。

「あっ!」

 ぽん太が声を上げた。

「こんなところに消しゴムが!」

「なくしたと思ってた!」

 健太も笑う。

「ぼくは短くなった鉛筆が三本も出てきた」

 さくらは折り紙を見つけた。

「図工で使った残りだ」

 夏輝は小さな折り紙のこまを取り出した。

「休み時間に作ったの、まだ入ってた」

 優太は一枚の紙を見つめた。

「あっ、これ……」

「運動会の応援メッセージだ」

 ぽん太は笑顔になった。

「一年間の思い出がいっぱいだね。」


 掃除が終わると、教室は見違えるほどきれいになっていた。

 山口先生が教室をゆっくり見回した。

「ありがとう」

 子どもたちは先生を見た。

 先生はにっこり笑った。

「教室に言ったんだよ」

「この教室は、一年間みんなを見守ってくれました」

「楽しい日も、うれしい日も、悲しい日も」

「毎日、みんなと一緒でした」

 ぽん太は静かに教室を見回した。

 黒板。

 机。

 いす。

 本棚。

 ロッカー。

 窓から見える校庭。

 どれも一年間、毎日見てきた景色だった。


 ぽん太が小さな声で言った。

「教室さん、ありがとう」

 健太も続いた。

「ありがとう!」

 さくらも笑顔で言う。

「また新しい三年生が使うんだね」

 夏輝が元気よく言った。

「きっと、この教室も喜ぶね」

 優太もうなずいた。

「次の三年生にも、大切に使ってほしいね」

 山口先生はうれしそうにうなずいた。

「そうだな」

「そして、みんなも一年間で大きく成長しました」

「教室も、それを一番近くで見ていたはずだ」


 ぽん太は教室を見回した。

 健太。

 さくら。

 夏輝。

 優太。

 一年間、毎日一緒に笑い、一緒に勉強してきた友達だった。

「四年生になっても、みんな同じクラスだといいな」

 ぽん太が言うと、

 健太が笑った。

「また一緒になれたらいいな」

 さくらもうなずく。

「違うクラスになっても友達だよ」

 夏輝が元気よく言った。

「休み時間に遊べるもんね!」

 優太も笑顔になった。

「うん。ずっと友達!」

 ぽん太は大きくうなずいた。

「約束だね!」

 みんなは笑顔でうなずき合った。


 放課後。

「ただいま!」

 春川家の玄関に元気な声が響いた。

 ソラがしっぽを大きく振りながら駆け寄ってきた。

「ワン!」

「ただいま、ソラ!」

 ぽん太はソラの頭をやさしくなでた。

 ハル子が迎えた。

「お帰りなさい」

 リョウ子もほほえんだ。

「今日は教室の大掃除だったのですね」


 夕食の時間になると、家族がそろった。

「今日は教室を掃除したんだ」

 ぽん太は楽しそうに話し始めた。

「机をふいたら、なくした消しゴムも見つかったよ!」

 家族みんなが笑った。

 祐子が聞いた。

「教室はきれいになった?」

「うん!」

「ぴかぴか!」

 惣太郎もうなずいた。

「物を大切に使うことは、とても大事なことだ」

 ぽん太は笑顔で言った。

「先生がね」

「教室に『ありがとう』って言ったんだ」

 千春もやさしく笑った。

「一年間、一緒だった教室だものね」

 ハル子が静かに言った。

「物を大切にする心は、それを使う人への思いやりにもつながるのですね」

 リョウ子もほほえんだ。

「きれいになった教室で、新しい三年生もたくさんの思い出を作ってくれるでしょうね」

 ぽん太は大きくうなずいた。

「うん!」

「ぼくも、教室にありがとうって言えてよかった!」

 窓の外では、春の夕暮れがやさしく町を包んでいた。


 一年間お世話になった教室と友達に「ありがとう」の気持ちを伝えた、ぽん太くんでした。

毎日何気なく過ごしている教室には、楽しかったことや頑張ったことなど、たくさんの思い出が詰まっています。

ぽん太くんたちは、一年間お世話になった教室をきれいに掃除し、感謝の気持ちを伝えました。

そして、友達との大切な思い出も改めて心に刻むことができました。

物を大切にする心や、「ありがとう」の気持ちは、学校だけでなく、毎日の暮らしの中でも大切にしていきたいものです。

四年生への新しい一歩を前に、ぽん太くんたちがこれからもたくさんの思い出を重ねていけることを願っています。

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