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ぽん太くんは、がんばっています  作者: 秋田コウ
第四章 冬休み

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第34話 ぽん太くんの大みそか

大そうじが終わると、いよいよ一年の締めくくりの日、大みそかがやってきます。

春川家では年越しそばを囲みながら、この一年の思い出を振り返ることになりました。

ぽん太くんは、一年間で一番「ありがとう」を伝えたい人について考えます。

 大そうじも終わり、春川家は新しい年を迎える準備が整っていた。

 今日は大みそか。

 窓の外では、冷たい冬の風が木々を揺らしていた。


「もう今年も終わりなんだね」

 ぽん太は新しいカレンダーを見ながら言った。

 幸之助がうなずいた。

「一年はあっという間だな」

 ヘレンも優しく笑った。

「だからこそ、一日一日を大切にしたいわね」


 夕方になると、台所からいい香りが漂ってきた。

 リョウ子が年越しそばを作っていた。

「もうすぐ出来上がります」

 祐子は天ぷらをお皿に盛りつけ、惣太郎は食卓の準備をしていた。

「ぼくも手伝う!」

 ぽん太はお箸を並べ始めた。

「ありがとう」

 祐子がにっこり笑った。

「上手に並べられたね」

 みんなが席についた。

「いただきます!」


 ぽん太はそばをひと口すすった。

「おいしい!」

 リョウ子もうれしそうにほほえんだ。

「ありがとうございます」

 ぽん太は幸之助に尋ねた。

「どうして大みそかに、おそばを食べるの?」

 幸之助はゆっくり答えた。

「そばは長く伸びるだろう」

「だから、長生きできますようにという願いが込められているんだ」

 ヘレンも続けた。

「一年の終わりに食べて、新しい年も元気で過ごせますように、という願いもあるのよ」

「そうなんだ!」

 ぽん太は、もうひと口おそばを食べた。

「来年も、みんなで食べたいね」

 家族みんなが笑顔になった。


 食事が終わると、みんなで温かいお茶を飲みながら、一年を振り返っていた。

 幸之助がぽん太に尋ねた。

「ぽん太。今年、一番うれしかったことは何だった?」

 ぽん太は少し考えた。

「うーん……」

「いっぱいありすぎて決められないよ」

 運動会。

 図書室。

 夏輝と仲良くなったこと。

 クリスマス。

 楽しかった思い出が次々と浮かんできた。

 ヘレンが優しく聞いた。

「じゃあ、一番『ありがとう』を言いたい人は?」

 ぽん太はまた考えた。

 お父さん。

 お母さん。

 お姉ちゃん。

 ハル子さん。

 リョウ子さん。

 健太。

 さくら。

 夏輝。

 優太。

 ソラ。

 おじいちゃん。

 おばあちゃん。

 みんなの笑顔が思い浮かんだ。

 ぽん太はにっこり笑った。

「一人じゃない!」

「みんな!」

 そう言うと、立ち上がって頭を下げた。

「今年一年、ありがとうございました!」

 家族は少し驚いた。

 そして、みんな笑顔になった。

 惣太郎が言った。

「こちらこそ、ありがとう」

 祐子もうなずいた。

「来年もよろしくね」

 幸之助は目を細めた。

「その一言が聞けて、おじいちゃんはうれしいよ」

 ヘレンも優しくほほえんだ。

「とてもすてきな一年だったわ」

 ハル子が静かに言った。

「感謝の言葉は、人と人の心をつないでいます」

 リョウ子もうなずいた。

「来年も皆さんが笑顔で過ごせますように」


 時計の針は、夜遅い時間を指していた。

 ぽん太は大きなあくびをした。

「ふぁあ……」

 千春が笑った。

「眠くなっちゃった?」

「うん……」

 ヘレンが優しくぽん太の頭をなでた。

「今日は楽しい一日だったものね」

 ぽん太は家族を見回した。

「みんな、おやすみ!」

「来年もよろしくね!」

 少し照れくさそうに笑った。

「おやすみなさい!」

「おやすみ」

 家族みんなが優しく見送った。


 ぽん太の寝顔は、とても穏やかだった。

 静かな夜空に、遠くのお寺から鐘の音が聞こえてきた。

 ゴーン……。

 ゴーン……。

 幸之助は窓の外を見つめながら言った。

「新しい年が始まるな」

 ヘレンもうなずいた。

「ぽん太も、今年はいろいろなことを学んだわね」

 ハル子が静かに言った。

「今年は、多くの笑顔がありました」

 リョウ子もほほえんだ。

「来年も、皆さんが笑顔で過ごせますように」

 静かな鐘の音が、冬の夜空へと響いていった。

 窓の外では、冬の星が静かに輝いていた。


 一年を振り返り、感謝の気持ちを胸に、新しい年を迎えた、ぽん太くんでした。

 そして、いよいよ新しい一年が始まります。

大みそかは、一年を振り返り、新しい年を迎える大切な日です。

楽しかったことや頑張ったことを思い出し、お世話になった人へ感謝の気持ちを伝えることで、一年の終わりはさらに温かいものになります。

ぽん太くんの「みんな、ありがとう」という言葉には、この一年のたくさんの思い出が詰まっていました。

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