第27話 ぽん太くんと落ち葉掃き
秋になると、公園や歩道には色とりどりの落ち葉が舞い降ります。
落ち葉は秋ならではの美しい景色ですが、そのままにしておくと滑りやすくなり、歩く人が困ってしまうこともあります。
そのため、町のみんなで力を合わせて、公園や歩道をきれいにする活動が行われています。
今回は、ぽん太くんが地域のみなさんと一緒に頑張った、落ち葉掃きのお話です。
朝晩の冷え込みが少しずつ増え、木々の葉も赤や黄色に色づいてきた。
土曜日の朝。
惣太郎がぽん太に声をかけた。
「今日は町内の落ち葉掃きがあるぞ」
「落ち葉掃き?」
ぽん太は首をかしげた。
「公園や歩道を、みんなできれいにするんだ」
「ぼくも行く!」
ぽん太は元気よく返事をした。
軍手をはめ、ほうきを持って公園へ向かう。
そこには町内の人たちが集まっていた。
健太や夏輝、さくら、優太の姿もあった。
「おはよう!」
「おはよう!」
みんな笑顔であいさつを交わした。
町内会長さんが話し始めた。
「今日はよろしくお願いします」
「落ち葉は滑りやすくなることがあります」
「歩く人が安心できるように、みんなで力を合わせましょう」
「はい!」
元気な返事が公園に響いた。
ぽん太たちは、それぞれほうきを持って掃き始めた。
「わあ!」
健太が笑う。
「すぐ山になる!」
掃いても掃いても、落ち葉が集まってくる。
さくらが袋を広げる。
「こっちに入れて」
優太が袋を押さえた。
夏輝は落ち葉をほうきで集めていく。
ぽん太も一緒に掃いた。
ところが――。
ビューッ。
風が吹いた。
「あっ!」
せっかく集めた落ち葉が、また広がってしまった。
「もう一回だ」
健太が笑う。
「終わらないね」
ぽん太は少し考えた。
「風上から掃いたらどうかな」
「風上?」
夏輝が聞く。
ぽん太は風に揺れる木の枝を見上げた。
「あっちから風が来てる」
「だったら、向こうから集めた方が飛ばされにくいと思う」
「やってみよう!」
五人は場所を入れ替えた。
今度は落ち葉があまり散らない。
「本当だ!」
健太が驚いた。
「やりやすい!」
みんなでどんどん落ち葉を集めていく。
大きな袋が、
一つ。
二つ。
三つ。
少しずつ、公園がきれいになっていった。
その時だった。
近所のおばあさんがゆっくり歩いてきた。
「ありがとうね」
にこにこしながら言った。
「これで安心して歩けるよ」
ぽん太は少し照れくさそうに笑った。
「どういたしまして」
健太も夏輝も笑顔になった。
作業が終わるころには、公園はすっかりきれいになっていた。
町内会長さんが言った。
「みんなのおかげで、気持ちのいい公園になりました」
「ありがとうございました」
子どもたちは大きな拍手をした。
帰り道。
ぽん太がぽつりと言った。
「『ありがとう』って言ってもらえると、うれしいね」
惣太郎が笑った。
「そうだな」
「でも、もっと大事なのは、その人が笑顔になったことだ」
ぽん太は、おばあさんの笑顔を思い出した。
「うん」
「あの笑顔を見たら、ぼくもうれしくなった」
惣太郎は大きくうなずいた。
「それが、人の役に立つっていうことなんだ」
ぽん太は空を見上げた。
「そうなんだ」
家へ帰ると、ハル子とリョウ子が迎えてくれた。
「おかえりなさい」
「ただいま!」
リョウ子が温かいお茶を入れた。
「今日は何をしてきたのですか?」
ぽん太は嬉しそうに話した。
「みんなで落ち葉を掃いたんだ!」
「風で何回も飛んじゃったけどね」
ハル子が静かにほほえんだ。
「工夫すると、仕事は進めやすくなります」
リョウ子もうなずいた。
「そして、みんなで力を合わせると、大変なお仕事も楽しくなりますね」
ぽん太は今日のおばあさんの笑顔を思い出した。
「うん!」
「『ありがとう』って言ってもらえて、うれしかった!」
窓の外では、一枚の落ち葉が風に乗ってゆっくりと舞い降りた。
ぽん太はその葉を見つめて、にっこり笑った。
みんなのために働く喜びを知った、ぽん太くんでした。
町をきれいにする活動は、自分のためだけではなく、そこを利用するみんなのための大切な仕事です。
ぽん太くんたちは、風で落ち葉が飛ばされても工夫しながら力を合わせ、公園をきれいにすることができました。
その姿は、近所の人たちにも安心と笑顔を届けました。
誰かの「ありがとう」という言葉や笑顔は、人の役に立てたことを教えてくれる、何よりもうれしい贈り物です。
自分にできることを少しずつ続けていけば、町も人の心も、きっともっと温かくなっていくのでしょう。




