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ぽん太くんは、がんばっています  作者: 秋田コウ
第一章 一学期

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第2話 ぽん太くんの忘れ物

学校では毎日、いろいろな出来事が起こります。

楽しいこともあれば、ちょっぴり困ったこともあります。

今回は、ぽん太くんの「忘れ物」のお話です。

さて、ぽん太くんは無事に一日を過ごせるでしょうか。

 松原小学校。

 一時間目が終わった。

 チャイムが鳴ると同時に、教室が賑やかになった。


「ぽん太〜っ!」

 友達が駆け寄ってきた。

「ドッジボールやろうぜ!」

「うん!」

 ぽん太は元気よく立ち上がった。

 その時だった。

「ぽん太」

 山口先生が声をかけた。

「はい!」

「宿題はどうした?」

 ぽん太が固まった。

 一秒。

 二秒。

 三秒。

「……あっ」

 先生が苦笑した。

「忘れたのか?」

「はい……」

「忘れました」

「本当に?」

「たぶん忘れました」

「たぶんじゃない!」

 教室から笑い声が上がった。

「またかよ」

「ぽん太らしいな」

 ぽん太は頭をかいた。

「予定ではランドセルに入れたんだけどなあ」

「予定って何だよ!」

 また笑いが起きる。

 先生も笑いながら言った。

「明日、忘れずに持ってきなさい」

「はい!」

 返事だけは元気だった。


 二時間目が終わった。

 教室の隅で声が上がった。

「ない!」

 健太が机の中を探していた。

「どうした?」

「消しゴムがない!」

 みんなで探した。

 机の中。

 床。

 ランドセル。

 見つからなかった。

「さっきまで使ってたのに……」

 健太が困った顔をした。

 ぽん太は教室を見回した。

 そして、少しだけ首をかしげた。

「たぶん、あそこ」

 指さしたのは、掃除用具入れとランドセル棚の間だった。

 健太が見に行った。

「あっ!」

 青い消しゴムが隙間に入っていた。

「すげー!」

「なんで分かったの?」

 ぽん太は首をかしげた。

「うーん……」

 まじめに考えた。

「なんとなく?」

「またそれか!」

 みんなが笑った。

 ぽん太も笑った。

 本当に、なんとなくそこにある気がしたのだった。


 放課後。

 ランドセルを背負ったぽん太が校門へ向かった。

「ぽん太!」

 千春だった。

「宿題忘れたんだって?」

「もう知ってるの?」

「休み時間に三年生の教室の前を通ったら聞こえちゃった」

「えーっ」

 ぽん太は照れくさそうに頭をかいた。

「ちゃんと入れたつもりだったんだけどなあ」

「ぽん太らしいね」

「そうかなあ」

「そうだよ」

 二人は並んで歩き出した。


 家が見えてきた。

 玄関ではハル子とリョウ子が待っていた。

「お帰りなさい」

 二人が笑顔で迎えた。

「ただいま!」

 ぽん太はランドセルを下ろした。

「そういえば……」

 ランドセルの横のポケットを開けた。

「あった」

 宿題だった。

 どこに入れたのかを忘れただけだった。

 千春が笑った。

「やっぱり忘れてないじゃない」

 ぽん太は、嬉しそうに言った。

「忘れたんじゃなかった!」

 ハル子が静かに言う。

「提出できませんでしたので、結果は同じですね」

「うーん……そうか。」

 ぽん太は首をかしげた。

 リョウ子が微笑みながら、おやつを並べた。

「まずは、おやつにしましょう」

「やったー!」

 ぽん太は宿題を見つめて笑った。

「ちゃんと持って行ってたんだ!」

 千春も笑った。

「次はちゃんと先生に出そうね」

「うん!」

 今日も春川家には笑い声が響いていた。


 あわてずによく確かめることの大切さを知った、ぽん太くんでした。

「ちゃんと持ってきたのに、どこへ入れたか忘れてしまった」

そんな経験は、子どもだけでなく、大人にもあるかもしれません。

ぽん太くんは少し慌てんぼうですが、失敗しても前向きで、どこか憎めない子です。

これからも学校や家族との毎日の中で、笑ったり、失敗したりしながら少しずつ成長していきます。

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