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ぽん太くんは、がんばっています  作者: 秋田コウ
第二章 夏休み

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第17話 ぽん太くんの雨の日

雨の日は外で遊べなくて、少し残念な気持ちになることがありますね。

でも、雨の日だからこそ見つけられる景色や、気づけることもあります。

今回は、ぽん太くんが雨の日に見つけた小さな変化のお話です。

ぽん太くんは、どんなことに気づいたのでしょうか。

 朝から空は灰色だった。

 ぽつり。

 ぽつり。

 やがて、大粒の雨が降り始めた。


「今日は一日、雨だね」

 千春が窓の外を見た。

「うん」

 ぽん太も外を眺める。

 外では遊べない。

 ソラも窓の前に座り、少し残念そうだった。

「ワン……」

 リョウ子が微笑んだ。

「今日はおうちで遊びましょう」

「はーい!」

 ぽん太は元気よく返事をした。

 トランプをしたり、

 本を読んだり、

 ソラと遊んだり。

 家の中でも楽しい時間が過ぎていく。

 昼過ぎになると、雨足はさらに強くなった。

 ザーッ。

 ザーッ。

 ぽん太は窓の外を眺めていた。

「……あれ?」

「どうしたの?」

 千春が聞いた。


 ぽん太は庭の木を見つめていた。

「葉っぱがいつもと違う」

「違う?」

「みんな裏を向いてる」

 千春も見た。

「ほんとかな?」

 よく分からない。

 その時、ギシッと庭の大きな木が、小さな音を立てた。

 ぽん太は木を見上げた。

「なんか、いつもと違う」

 ソラも木を見つめている。

「ワン」

 ぽん太は少し考えた。

「植木鉢、屋根の下に入れた方がいい気がする」

「どうして?」

「分かんない」

「なんとなく」

 千春は庭の木を見上げた。

「本当に?」

「うん」

 ぽん太がうなずく。

「……じゃあ、一緒に運ぼう」

 千春が言った。

 二人は雨が少し弱くなったすきに庭へ出た。

 植木鉢を一つずつ軒下へ運ぶ。

「これで大丈夫かな」

「うん!」


 二人は家の中へ戻った。

 その直後だった。

 ザーッ!

 雨が激しくなった。

 しばらくして、

 ゴロゴロ……。

 空に雷が鳴った。

 ビューッ!

 突然、強い風が吹いた。

 庭の木が大きく揺れた。

 バキッ!

 太い枝が一本、折れて落ちた。

「あっ!」

 千春が声を上げた。

 枝は、さっきまで植木鉢が置いてあった場所に落ちていた。

「危なかったね」

 千春はほっと息をついた。

「ぽん太の言うとおりだったね」

 千春は不思議そうに首をかしげた。

「どうして分かったの?」

 ぽん太は少し考えた。

「分かんない」

「なんとなく」

 ハル子がほほえんだ。

「ぽん太さんらしい気づきでしたね」

 リョウ子もうなずいた。

「植木鉢も喜んでいますよ」


 しばらくして、雨が上がった。

 窓から庭を見ると、大きな虹が空にかかっていた。

「わあ!」

 ぽん太が目を輝かせた。

「きれい!」

 千春も空を見上げた。

 ソラが庭へ飛び出した。

「ワン!」

 ぽん太は虹を見上げて笑った。

「雨の日も、いいことがあるね」

 みんなもうなずいた。


 自然の小さな変化に気づいた、ぽん太くんでした。

自然は毎日少しずつ変わっています。

風の向きや木の葉の様子、小さな音など、よく見ていると気づくことがたくさんあります。

ぽん太くんは、「なんとなく」という小さな気づきを大切にしたことで、植木鉢を守ることができました。そして、雨が上がったあとには、大きな虹という素敵な贈り物にも出会うことができました。

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