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第二話 「不完全な世界」

ーーーーー死んだ。


俺の魂がそう言い聞かせる。

先ほど何があったか鮮明には覚えていないが死んだというショッキングすぎる感覚が俺の魂に刻まれた。


「ここにいても仕方がない。腹減ったしそこのパン屋行きたいけど金ないしな。あそこのベンチで休もう」


俺は近くのベンチに座ると近くの地面に古びたノートがあることに気がついた。

それは何故かさっき持っていたような、なんなら日記帳がわりに使った気がした


「このノートなんか見覚えが...まあ日記帳がわりになるな」


俺はそこに4月10日〜〜〜と死ぬ前一回書いたような内容をそのまま書いた。


「もう暗いし、寝るか」


俺はベンチで横になり眠る。

朝起きると周辺からグチャグチャと肉が潰れているかのような不快な音が響き渡っていた。


「うわもう朝かよ。なんだか眠った感じがしないな。

てかさっきからなんなんだこの気持ち悪い音、この世界は今日が肉祭りみたいな日なのか?」


俺はそういいながら路地裏から街に繋がる道をふと見て頭が真っ白になった。


そこには血だらけで倒れている人が四足歩行の犬のようなバケモノにより、先ほどの不快な音と共に食われている。ーー咀嚼音だったのだ。


「え、、?なんだよあれ。犬が人を食っている、、」


俺はそんなことありえないというトーンで犬が人を、食っている。というフレーズを何度も口にしてしまう


ーー味に飽きたのか周囲を見渡し、しまいには俺を見つけた。

 一目散にこちらに走ってくる四足歩行のバケモノを見て俺はなんとかノートを持って逆方向に走り出すことができた。


「誰か助けてくれーー!!!!また死にたくないよーーー!!!!!」


と、情けないような声で叫び続けながら日記に

死にたくない死にたくない死にたくないと書き続ける自分が今死ぬかもしれないのになんでこんなことしてるのか意味がわからない。


ーーこの世界に来てから?これは夢なのか?と心の中で自分に問いただす。

思うように体が動かないしなんなら死んだはずなのに今ここにいる。


それだけでもおかしいのに昨日の記憶までもが曖昧で何かするたびに、うっすらとこれ前にしたことあるような気がする。


 そう心の中で問いただしている途中にも追ってきているバケモノは、なぜか先ほどよりもスピードが上がっていて俺との距離は約1メートルほどとなっていた。


「もう意味わかんねぇよ!!とりあえず誰か助けてくれーー!!」


俺はそう叫ぶと空の上の方から


ーー「了解した」


という誰かの声が聞こえ、空が光るのと同時に空から人らしき人物が剣を持って俺の後ろのバケモノに突っ込む。


俺は足を止めてその人物を見ると剣がバケモノに刺さっていることに気がついた。

バケモノは粒子のようになってその場から消滅した。


「なんだったんだ今の...あ、てか助けてくれてありがとな」


というと、その人は

「礼には及ばない」とか言ってその場から去ろうとした。しかし、俺はそれを引き止める。


「あ、おい!ちょっと待ってくれ。名前とか教えてくれないか?この世界きて初めて俺を助けてくれた人だし礼もしたいし、友達になりたいなぁ...なんて。」


その言葉を聞いたその金髪の人は名前を名乗ってくれた。


ーー「まあいいだろう私は、この世界の四天王の1人である光の魔女、ライトだ」


「四、、四天王!?冗談だよな?」


ーー「はっはっは!冗談じゃないであるよ。」


俺は言葉に詰まったな四天王ライトが助けてくれたと一応日記に書いておいた。


「てか、なんか男みたいな名前だなライトって」


ーー「だから言っただろー。名乗るほどのものじゃないって」


「確かに...ってそんなこと言ってなくない?」


ーー「言った」


「いや言ってない」


と俺たちは言い合う。言い終わると、ライトは数秒間俺の心臓部分を見て言った。


ーー「すげぇ地味な特殊能力であるな」


「特殊能力!?残念ながら俺にそんなもんはないよ」


ーー「いやこの世界にいる限り誰でも一つは持っているのであるよ。ちなみに私は剣で切った相手の体を、跡形もなく消滅できる能力だ」


「いやマジかよ!だったら俺も手からビームとか出せるってこと!?最高!よっしゃぁぁ!!」


しかし次の言葉で俺の希望は消え失せた。


ーー「いやそれはできないな。君の特殊能力はなんか特殊すぎてなんか笑えてくるである」


「なんかなんかってなんだよ。語尾も「である」ってなんだよ。」


と言うと、気にするなと言ってまた帰ろうとする。


「ちょっと待て!!その地味で笑える特殊能力ってなんなんだ!?教えてくれよ!」


ーー「んーそうだなー。英単語でも勉強しとけばわかるんじゃないであるか?」


俺は意味がわからなかった。


「英単語?そんなの勉強して特殊能力になんか関係あんのか?」


ライトは吹き出しながら答える


ーー「ぶっしゅうぅ!めっちゃ面白いである!!その力は勉強するだけ強力になるであるよ!」


「勉強しまくれば強力になる?」


俺は日記に、英単語勉強しまくれば特殊能力が強化される。と書いた。ライトはその隙に吹き出しながら飛んで帰ってしまった。


ライトの姿が見えなくなった数分後。空が光り、光の速さでライトが真顔で剣をこちらに向けていて突っ込んできた、と思う。



ーー気付く暇もなく俺の首は跳ねていた。ーー



俺は目が覚めるとあのベンチに座っていた。スマホには4月10日という文字。

俺の膝の上には開きっぱなしのノートがあり、手にはペンを握っていた。


ノートに当たらないように吐いた。こんなの吐くに決まってる。なぜだかわからないが、また



ーーーーー死んだ


という感触と首が跳ねる感覚が研ぎ澄まされる。

俺は頭がおかしくなりそうだった。記憶が曖昧でなんでここに座っているのか。なんでまた死んだと思ってるのか。ノートは開きっぱなしで


4月10日

名前は◯◯◯。

◯◯語勉強◯◯◯◯◯特◯◯力が◯◯さ◯る。


と書いてあった。こんなもの書いた覚えはないし所々空白になっていているのが妙に不気味だ。


俺はほんとに意味がわからなかった。ほんとに死んだのかすらわからなかった。


「名前◯◯◯?◯◯語?タイ語とかチリ語って書こうとしたのか?名前は3文字だからインドとかドイツ?てかなんで重要な所消えてんだよ」


俺は国の名前とその国で使う言葉を連想した。考えれば考えるほど、どれも違うと俺の直感が働く。


路地裏から街へ繋がる道を見ると見覚えがあった。


「この光景どっかで見たような」


いや見たとなぜだかわからんがそう思った。じーっとそこの道をみていると、見覚えのある金髪の人が通り過ぎた。

俺は初めて見る人なのにまた見つけたという嬉しさと同時に首を跳ねられる感覚がまた浮かび上がった。


 気付けば俺の足はすでに動いていてその金髪の人のところへ駆け出していた。


「すみません!俺なんか君と話したことがあるような気がして!勘違いだったらすみません!覚えてませんか?」


首を跳ねられる感覚より、なぜかまた見つけたという嬉しさが勝ってしまったようだ。金髪の彼女はゆっくりとびっくりしたようにこちらを数秒間見る。


そして急に剣を取り出し俺に襲い掛かろうとする。

しかし、それを空から飛んできて突っ込んできた青年のような人が剣を食い止めた。


ーー「ライト!!何をしている!?お前のような善人がなぜ急に人を殺めようとしたんだ!!」


「ライ...ト?」


どうやらこの金髪の人はライトというらしい。急に殺そうとしてきて腰が抜けてしまったが、空から飛んできた青年に助けられてよかった。さもなくば俺は死んでいただろう。


金髪の人は何も話さない。ただずっとこちらを見ている。その目はまるで自分の意思ではないかのように。


ー後ろの方でぐちゃぐちゃと気持ちの悪い不快な音が響き渡った。後ろを見ると四足歩行の犬のようなバケモノが倒れて血だらけの人を喰らっていた。


「あ......れ、?」


はっきりした言葉にはならずともまたこの光景を見たことがあると思ってしまった。



ーーーーー相変わらず気持ち悪い世界だ。


















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