第十四話 「ラスティアス魔法大学」
「それにしても学校か。高1だったのに今この世界で大学生になれるのかー」
独り言である。
馬車が動き出して数時間。そろそろ次の国が顔を出してくる頃だ。
久々の学校、俺は友達ができるのだろうか不安だが友達を作ることが目的じゃない。
自分に必要なことを身につけるためにこの大学に通うことにしたのだ。
「...これが..、ラスティアス王国...!!」
まるで異世界にきたみたいだ。
いやここは異世界なのである!
広大な土地で周りは森に囲まれているようで、噴き上がっている噴水が太陽に照らされている。
通路にずーっと繋がっている細く透明な池には鯉やいろんな魚たちが元気に泳いでいる。
素晴らしい。グッドだ。
これでもかと、どの建物よりも象徴されてそびえ立っているのはラスティアス魔法大学だろう。
俺がこれから入学する学校である。
「ここからが...俺のスタート時点だ!!」
この国の門を馬車でくぐる。
すると、一瞬だが何かが失われた気がした。
「うっ...!死んでないよな、?」
死んだらここにいるのは変だ。死んだという感覚より何かが消えるような感じ。
「ま...まぁ大丈夫大丈夫!今日も元気にやっていきましょう!!」
切り替えだ。俺の伝統的な必殺技である。
人生に切り替えは必要不可欠なので日頃から心がけている。前にも行った気がしたが改めてだ。
ここで学校の校長みたいな人が俺の話を聞いてくれた
「あの、この学校に入学したいんですが...」
ーー「まぁ!新入生ね!!ぼくは自分が何歳かわかる?」
情けねぇ。どうやら俺の外見が子供っぽかったらしい
子供に見えたとしても小さく見えすぎな気もするが。
「あ..、えっと16歳です」
ーー「16歳!!ならあなたは飛び級の試験を受けられるけどどうする?」
「飛び級の試験!?それで合格したらすぐ2年生入りっていうことですね!」
ーー「そうゆうことよ!で...やる?」
「やるに決まってるじゃないですか!」
飛び級制度があってよかった。
この試験に合格したら即2年生になることができる。
これは俺にとって早くみんなと再会することができるもっとも良い手段のひとだ。
ーー「じゃあ試験初め!」
「...え?」
俺の目の前に黒いローブを着て髪は黒ロングのマジでそれっぽい魔術師が現れた。
こいつと戦えということだろうか。
「え...!?この人と戦えと?」
ーー「言わなくてもわかるじゃない!」
仕方ない。試験の内容がこれなら俺は全力で戦う。
すると俺たちが話しているすきに「詠唱」を始めやがった。
なんで自分勝手なやつなのだろう。
ーー「新帝なる漆黒の幻影達よ、神なる力に目覚め混沌の破滅に我を導け。シャドウ・スライス!!」
「...はぁ!!??」
(急に厨二病全開のセリフじゃねぇか!!)
初めて詠唱を聞いたのもあってそう感じてしまったのかもしれない。
もうその詠唱の感想を考えている場合じゃない。
素早く敵の攻撃が飛んできた。
「シャドウ・スライス...!?...うっっ!!」
物理的なダメージはなかったが、俺の体の中にシャドウ・スライスとやらが染み付いてきやがった。
「...はぁ、はぁ...!!内側から腐食してんのか!?」
ーー「気づくのが早いわね!」
やっと話しやがった。
こいつの一声がこれかよ。
「あぁ、、こんなのすぐに気がつくぜ....」
ーー「ほら....私に攻撃しないでいいの?」
「言ってくれん...じゃねぇか」
挑発しやがったこいつには神の裁きを与えてやる。
現実で俺を散々苦しめ、どん底に叩きつけてきた呪いだ。
一回しかできないがやるしかない。
「ウィンター・ホリデイ・エンド!!」
ーー「能力は!だ...」
ーーーーーその瞬間、俺の身体は粉々に砕け落ちた。
※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※
気づけば門をくぐった直後に戻っていた。
「あ、、はぁはぁ!!?俺は死んだ....おぇ」
道端に吐いてしまった。
この状況が理解できない。さっき俺は能力を使おうとして死んだのだろうか。
ーーー答えは今戻ってきたこの瞬間にある。
エナは前にこう言っていた。
衝撃的なことが起こった場所に体が無意識に戻りたがると。
その影響でここに戻って来れた。
この、変な感じがした場所に。
またペナルティが俺に課される。今はわからんがな。
「能力を使ったら...死んだのか!?」
おそらくこの違和感だ。
何かが失われた気がしたというかそれは俺の誤り。
失われたのではなく、使ったら死ぬよみたいな警告だったのだろう。
「能力を...使えないのか、この国は」
しまった急に俳句みたいなことを口走ってしまった。
しかし困った。能力が使えないとなると俺はこの学校でさっきの詠唱魔術などを覚えるしかないということ。
まあそのために来たんだけどね。
「この学校に入学しに来ましたー。」
ーー「まあ!新入生ね!大歓迎よー!」
「ありがとう...ございます」
ーー「所で僕は何.....」
「16歳です」
二度も舐められては困るので、聞かれる前に言ってやった。
ーー「じゃ..じゃ飛び級でき...」
「やります早く始めてください」
最近はおんなじセリフを聞くと腹が立ってくる。
ここでさっきの魔法使いのご登場。
「さて...ここをどうするかだな、、」
能力はこの国で使えない。破ったら死ぬ。
魔術も剣術も何も使えない俺はどうやってこいつに勝つ?
答えは簡単だ。
ーーーーー俺も厨二病を発症させればいい!
ーー「新帝なる漆黒の..、....!?」
「新帝なる漆黒の...えと..、、俺に力を!!」
もう遅い!!即座に詠唱をパクってやった。
「そんな長々と詠唱してたらでるもんもでないぜ!?
俺のほうが早い!!」
相手は詠唱をやめ、防御体制に入った。
「食らえ!!シャドウ・スライス!」
ーー「.....」
ーー「、、、、」
あ、あれー??やってしまった!
なんの魔法も手から出ない。こんなのただ俺が詠唱を略して、重度の厨二病になっただけじゃねぇか!
「あ、...えなんで...」
ーー「...なめてる?」
「なめてません!!」
遊んでいると思われてしまったようだ。
まあ無理もない。あんな長い詠唱覚えられるわけないじゃん。
それとこの英単語?では能力を使った判定にならないらしい。
詠唱を加えると魔法扱いになるそうだ。
ーー「す、す...素晴らしい!!合格よー!!」
「.....え?は?なんで?」
どうやら合格らしい。
なぜかと聞いてみた所、詠唱をパクったのにも関わらず略して何も発動できなかったところに惹かれたらしい。
こうして俺はなんの手応えもなく飛び級試験に合格した。
ーー「ここが新しい部屋よ!この部屋ではみんな自分 の好きなことを研究しているの!」
「うわマジか...!!1人部屋だ!!しかも研究できると か最高じゃんか!」
とても綺麗な部屋だ。
前の神宿島のきったない部屋とは大違い。
大違いというよりも超大違いだ。
次に、案内人にこの学校の教室やなんやらなどを教えてもらった。
学校案内というやつだ。
「英単語売り場...!!ここにあったのか!!」
売店には英単語の辞書も売られてあった。この学校でも英単語を勉強する奴がいるなんて感動だ。
部屋に戻った俺はまず何をすればいいか、この低脳で考える。
魔術の授業は午後から。午前はみんな自分の研究に励んでいるらしい。
「11時か...微妙だな」
授業まで残り1時間ある。なにをしてもあと1時間なんて中途半端に終わってしまうだろう。
そこで俺は、
「英単語の勉強」「魔術の勉強」「夢を見ないようにする研究」の3つの計画を立てた。
夢を見ないようにする研究が成功すれば、もうおんなじセリフを聞くこともなくなる。
現実で死んだら別だが。
「夢と何か共通するもの....いやそんなのあるか?」
全くわからん。そもそも研究なんて俺にできるの?
こんなバカなのに。
「...あれ、あと10分で授業始まるのかー。はやくいかなければ!!」
10分前行動は昔からしてきている。学校で慣れてしまったのだ。
ーー「みなさーん!今日は授業はなしです!このクラスで自己紹介したら新入生をみんなで歓迎するよ!」
バカバカしい。
そんなのやらないでさっさと進めてくれよ。とか言ったら即退学になりそうなのでやめておく。
自己紹介で名前はおれくんです!とかいったら笑われた。
くそ!こんなの大学デビュー狙った奴みたいじゃないか。
次に新入生を歓迎するため体育館へ移動する。
ーー「新入生、入場。拍手でお迎えください!」
「わーー新入生だーかわいいー」
拍手をしながらそう言う。
あまりに無気力な発言であるし、ここでいえばかわいいなんて女子が新入生にいうことだ。
男の俺がなにいってるんだろ。
手をぱちぱちしていると、体育館に次々と新入生が入り続けてくる。
すごい量の人だ。
あれ?あいつ俺に似てるな。気のせいか?
「...え、....あれは!!!」
いや全然気のせいじゃなかった。
あれは「異人格の俺」だ。俺が間違って選択して召喚されたもう1人の俺。
「..おっ!い!!...、あ、あぁ...ちっ!」
陰キャラである俺が、この大勢の人がいる体育館の中で大声を出して引き止められるはずがない。
陽キャですら今こんなことはしないだろう。
「この会が終わったら...速攻で何を企んでるか聞き出してやるからな...!!」
心の中でぐちぐち言ってみた。けどなかなか会が終わらない。
数時間後。やっと新入生の歓迎会が終わった。
俺は速攻で異人格の俺の元に走る。
「おら...あいや、すいませ..、どけどけ!!」
人にぶつかっては謝るを繰り返していたら怒りが湧いてきて自分を制御できなくなってしまった。
「よし..!あと少し!!」
あともうちょっとだ!と思ったのも束の間。
警備員みたいな格好をした人に止められてしまった
ーー「はいだめー!新入生が戻るまで静かに!」
「うるせぇどけや!!もう1人の俺がいるんだよ!」
ーー「頭のおかしい人ですね....。」
「黙れ!!...はやくどけって言ってんだろ!」
何を言っても拒否された。
まあいい。一年のフロアは別だが、みんな帰った後に凸ってやる。
異人格の俺はこの俺とは違い、陽キャみたいな振る舞いをしていた。
もう周りに友達が約6人はいる。
俺とは違っていいご身分だ、いや「ゴミ分」だ。
「...はぁ、、警備員のやつめ。次あったら覚えてろよ!!」
次あったら覚えてろよ!!なんて弱者がいうことだ。
こんなことを言ってしまった俺を恥じる。
「まずは武器だ...部屋に何かしらあるよな?」
部屋に戻った俺は速攻で武器になるものを探した。
また邪魔者が入ってきた時に戦うためのものだ。
それと異人格の俺がやばい考えを持っていた時にその場で殺すためだ。
「...あ、あった!!これしかねぇ!!」
手に取った武器は「シャーペン」。これなら持っていても目立たないし、細長い形をしているので勢いをつけてやれば刺すことくらいできる武器だ。
俺は机の上にあったシャーペンを2、3本ほど持ち、指の間に挟めてカッコつけた。
でもこれだと怪しまれるので素直にポケットに入れておこうとしたが、ローブ自体にポケットがなかった
学校から指定された制服。俺は二年生ということで上らへんが白色、フード付き。下にいくにつれて水色になっているローブを着ている。
「仕方ない...よいしょ。こうすればいいだろ!」
被っても被らなくてもいい魔法使いっぽい帽子を被った。この帽子の中にさっきのシャーペンが入っている
着け心地はとてもグッドだ。素晴らしいフィット感。
あいつの好きなようには絶対にやらせない。
一年フロアに進みながら俺はやると決意する。
そしてまたかっこつけてみた。
「ここであいつを止める。それでは...」
ーーーーー「粛清の時間だ。シャーペンだけど」
第二章開幕です!第十四話どうでしたか?感想とかもうそろください。モチベあがるので!
あと日間ランキング入りありがとう!!94位!
初連載から13日目で!
あと活動報告書に現段階の状況説明載せたので見てください!理解がより深まりまると思います!
第二章もよろしくお願いしますね!第十五話もお楽しみに!




