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第十三話 「かつてなる誓い」

「クッソ...!!偽物の俺は何やってんだ?船を盗むなんて俺らしくない!」


ーー「...おれくんならやりそうなきがする」


「なんかいったか...?」


ーー「あ!いや...べつに」


エナは俺が船を盗むやつだと思っていたらしい。

 別に船だけとは限定されてないのが悩みどころだ。


「はぁ...で、こっからどうやってかえるんだ?」


ーー「確かに...この島にようはもうないしね」


ーー「私の能力で海を渡れるよ!!ずっと2人を持つのは無理かもだけど...」


エナは天才だ。かわいくて守りたい存在。

いや俺は忘れてはいけない。このかわいくて守りたい存在のエナに船を爆破させられ、危うく凍死する所だったじゃないか。


「ていうか思ったんだが...エナがそれをできるなら、タチバナの強化バージョンだろ」


ーー「はぁ?私の方がエナより筋肉あるわよ!」


ーー「そうだよ...。1人でもきついかな」


「じゃあ砂のボートとかは作れないか!?」


俺も天才だ。それほどでもないがな。ふふふ。

てか俺はこいつの存在を忘れる所だった。


「ブルシズム...。お前静かすぎないか...?」


ーー「私も必死に考えてたんだ」


「そ...そうなのか。ならよかった」


ここで、考えていたエナが自信を持って発言する。


ーー「私できるよ!!耐久性はあんまりかもしれないけど」


「じゃあ何個も作って運ぶ。これが最適化ってやつだ」


みんな俺のことを不思議な目で見ている。あれれ...俺へんなこと言ったかな。


そして全員が俺の案に賛成する。

エナはそこら辺の砂を使い何個もボートを作っている


タチバナは何かあった時用のため、手で砂をかき集め海の水で固めている。


「お、おい。ブルシズム。あいつになんか言えよ」


ーー「ちょ...私が...?砂をかき集めている人に?」


一生懸命作っている所申し訳ないんだがこれは無理である。

水で固めた砂をボート状にしても耐久性が無さすぎだ


「ま、タチバナはいいとして。エナ!終わったか?」


ーー「大体作り終わったけど...3個!!」


うん上出来。3隻もあればこの海を渡って睡蓮町に帰れるだろう。


俺たちはエナが作ったボートに乗り、交代交代で自転車のペダルのようなものを漕ぐ。


「はぁ、、あれから何分くらいだ?」


ーー「えーっと、、30分くらい!!」


エナはこの状況が把握できていない。

30分くらい!!とか元気よく言われてもあと1時間はこうやってペダルを漕いでいかなければならないということだ。

 まあ俺が質問したことなんだけど。


数分後。


「あ、島だ...!でもあれは大島か」


ーー「そうね...。あの島は近づくなオーラやばいから近づけないわね。」


タチバナも覚えているようでよかった。

 この島は俺たちが天橋立に来る途中に素通りした島であり、とにかく近づくなという雰囲気がやばかったのだ。


「...あれ?あの禍々しいオーラがないだと?」


ーー「ほんとね...なんかもう何もない島みたい。」


「行ってみるか?それともやめとくか」


ーー「私はいかない!!元々やばい島だったんなら、油断しちゃだめだよ!!」


「あ、あぁ。じゃそうするか」


エナは行きたくないそうだ。

 エナのいうことだから仕方ない。この島を見るのも今日で最後だ。


「はぁはぁ...!!睡蓮町だ、、!」


ーー「はぁ...もうむり」


「おい!!ボートの中で吐くなよ!!せめて海でやれ!!」


タチバナが限界を迎えたらしい。

 また確かに何度も波に揺られていて溜まったもんじゃなかった。俺はそれよりも疲れがハンパじゃない。


睡蓮町に帰還を成し遂げた俺たちは、近くの宿で休むことにした。金銭はタチバナが持っていたらしい。


「一泊お願いします...はぁつかれた」


ーー「随分と疲れてるようだね。お客さん。」


「ええそうなんですよ。天橋立という島から戻ってきまして」


「天橋立...そんな島あったかしら」


あーー。もうだめ。

俺も限界を迎え、地面に倒れ込んだ。周りが騒いでいるがまあなんとかなるだろう。


目が覚めるとこの宿の部屋と見られる場所にいた。

幸い、時計は12時。まだ夢は始まらない。


「それにしても...1人部屋か...さいこうだ」


俺の家は貧乏で一人一人の部屋が準備されているなんてのは富豪のような家庭なのだと思っていた。


すると、誰かが部屋の扉を叩く。


「は、はい?」


ーー「...?あれ治ってたんだ!」


エナが俺を心配して様子を見にきてくれたらしい。

なんて優しい子なのだろうか。


「あぁ...おかげさまで」


ーー「よかったね!タチバナが頑張って背負ってこの部屋まで届けてくれたんだよ?」


「そうなのか?ならあとで礼を言わないとな」


タチバナも何気なく俺を心配して、しかもこの部屋まで届けてくれたらしい。

俺はみんなに迷惑をかけてばっかりだ。


「あ、あのさ。聞きたいことがあって」


ーー「ん?どうしたの?」


「エナのフルネーム...とかってあるのか?」


ーー「...。いや、エナだよ?普通のエナ!」


「あ、あれそうなのか。ならまあいいんだけど」


ブルシズムによるとみんな長い名前だと言っていたのに嘘をつきやがった。いや今はそんなのどうでもいい


そんなことよりもやばいことが起きた


俺は何かとは言わんがこの世界に来て「処理」をまだ一回もしていない。

俺も人間だ。そう、バカでも人間は人間なのだ!


「エナ...してもいいか?」


ーー「...う、うん。」


とかいうムードを作れたらよかったのに!

バカで陰キャで、しかもいじめられていた俺がそんなリア充みたいにかっこつけて都合のいい展開を作れるわけがない。


しかも今は昼間だ。

真昼間にあんなことやらこんなことをするのはなぜか気が引ける。


(あーぁ。夜だったらよかったのに)


「じゃあ...エナ。何かまたあったら来いよ」


ーー「うん!またくる!」


意味深な言葉を含めて吐くとエナは帰ってしまった。

なんかもう1人でする気力も起きない。


まあ仕方ない。

俺は気を紛らわせるため、部屋に置いてあった本棚からこの世界のことが書かれている本を一冊取り出し、読んでみた。


「魔術とか剣術とかいろいろあるんだな...」


どうやら魔術と能力は違うらしい。

エナでいう「能力」は模倣みたいなものだが、魔法は見たことがない。いや、


「見たことある...よな」


虚言の神がこの町で俺を信頼させるために使った魔法があったじゃないか。

あの大魔法。結界を作り出して、その内側に独自の

「雰囲気」を作り出す。


虚言の神なら結界内の生き物を消滅させる。

砂地のやつは結界内での能力を無効化させ、その後に大量の雷をプラスする。


「結界術ってわけか...。俺もやってみてぇなぁ」


結界術が使えたらほぼ勝ち確みたいなものだ。

相手を封じ込めることで外側から特定の攻撃を喰らわせることができる。


「なになに...結界術は最高難易度の術なので、4年制大学での習得期間を必要とする...!?」


これは困った。

そんな簡単には使えるようにならないらしい。

3年とはみんな一瞬だとかいうけど俺はそうは思わない。


小学はその倍ある。それだけでもきつかったのに中学はその半分になって3年ありますということだったのだ。


どれだけ苦しいものだったかどうかは想像がつかないほどだろう。だって俺いじめられてたし!


「...ん?なんだこれ」


本に招待状のようなものが挟まっている。

古いものかと思えば、期限が明日までのものだった。

16歳以上は入学可能。と書いてある。


「学校...。いや俺はいくぞ...!」


そうだ。決めたじゃないか。この世界で理想を現実にしてみせるって。

異世界の思い描いていた理想は今消してやる。



ーーー「俺はこの世界で「証明」してやるんだ。」



「ラスティアス魔法大学...。隣の国だろうな」



どうやらこの大学では「魔法」、自分の達成したいことを自由に学べる場らしい。


「そうだ...!ここで英単語の勉強をすればいい!あとは魔法...そして結界術。全部習得してやる!」


ついに次の目標が決まった。

そこには異人格の俺もいるかもしれない。もし会えることがあったら何を企んでいるのか聞き出してやる。


この学校は受験みたいなものがないらしい。


後払いで金を払えば誰でも入学可能。おーけーという感じだった。



ーーー時刻は残酷にも22時。



「もうこんな時間...か。寝るしかないか...待てよ」


やはり俺は天才かもしれない。特待生入りあるか?

いやただバカを卒業したのか、普通ならこういう思考になるかもしれない。それはこういうことだ。



「寝なきゃよくないか...?」



そう、寝なければいいのだ。

 寝ることによって夢を見るのなら寝なきゃいい。


数時間後。


刻々と時計の針が秒数を重ねて動いていく。


ーーーーー57、58、59、60!


「な....なんだ!?!?」


目の前にノイズが走る。世界がバグったのかわからんが頭がぐわんぐわんする。


日付が変わったかのかどうかもわからない。

意識が薄れ、また倒れる寸前に気を取り戻した。



   「...うっっ...なんだった..んだ...、」


何かが変わった様子もない。24時を越えても夢時間が強制的に始まるわけではないらしい。

ただ何かに移り変わったような気がした。


 いや俺がそう思っているだけなのかもしれない。

俺が気づかないだけで、今が夢の可能性があることも視野に入れておこう。



 「今夜はオールか...」



大丈夫だろうか。不安もありつつ外を眺める。


 夜闇に身を包んだこの常夜市(睡蓮町)は名前の通りで、常に夜みたいな薄暗い感じの町、いやこの感じだと市なのか。



海からやってくる涼しい海風が俺の頬を撫でる。

 この夜特有の風の匂いが昔から大好きだ。

 同じ人もいるのではないかと思う。



ふと、この世界に来た時に俺が突っ立ってた場所が目に映った。



 「あ...あそこって俺が最初に来た場所か。懐かしいなぁ....初めて死んだ時には戸惑った」



 今の俺が実は死んだことありますとか言ったら少々周りから見たら気持ち悪い人間なのかもしれない。

 いや少々ではすまないな。


普通の人なら死んだときに泣き喚いて、恐怖感がいつまでも残りっぱなしで、死にたくなくて。


なんかもう元の世界でいじめられて、死ぬよりも残酷なことを毎日されてきたせいか、恐怖感なんて薄まってきた。


もちろんのことだが、死にたくないのは俺も一緒だ。さっきは普通の人ならとか言ったが俺が言えないな。


おばさまが店のシャッターを閉じるのが見当たる。

 夜の町に目を向けていると、街灯の下を歩いている高校生達のような人が俺の視線に映る。



「...この世界にも高校生はいるのか...。あ、学校があるんだもんいるに決まってるか」


恋バナやおばさま達の世間話。

盗み聞きして悪いが楽しそうな会話だった。


昔から盗み聞きは得意だった。友達がいなかった俺は休み時間になると毎回のように机に身を伏せ、寝ているかのように見せていた。


まあ得意と言っても無意識に行ってるようになってしまったのだ。


だが俺は先ほど高校生の話を聞いていると無言になった。楽しそうな会話をしていても、リア充や陽キャはやはり無理だ。


馴染めないし馴染んでこようともしない。俺はそんなこいつらのことを...、



「........。」



俺は何のためにここにきたか。いや何で死んでここの世界に来たのに、こうものうのうとしている?

俺は運良くこの世界に来たのになにを考...。



「......。あぁ、やっと朝だ。」



目に光が入ってくる。

 考え事をしすぎていたようだ。

 気づけば朝になっており、部屋の扉を叩く音が聞こえる。



ーー「おれくーん...?起きてる?」


「あ...あぁ起きてるよ」


エナが俺を呼ぶ。

俺が部屋を開けると、全員がもうこの宿を出るために荷物をまとめて立っていた。


「え...?もう行くのか?」


ーー「当たり前よ!!昨日みんなで話し合って、たまには旅行に行こうと思って!!」


「...あ、そう...なのか」


みんなで話した。

ということはブルシズムも、タチバナやエナに馴染めたということだろうか。


「馴染む...。あ、みんなごめん。実は俺今日から学校に通おうと思ってるんだ。」


ーー「学校だと?ここら辺にはないはずだが?」


「隣の国に、ラスティアス魔法大学とかいう学校があってな。そこに入学しようかと思って」


ーー「学費とかはどうするの...!?私たちお金とかもうないわよ!」


「借金...かもな後払いらしい。でもこの学校で魔法、あとは俺の勉強したいことがあるからそこで学ぼうかと」


ーー「なるほど...」


エナは何の話をしているのかわからないようだ。

タチバナやブルシズムが俺の心配をしてくれたが俺の信念は変わらない。


「あとは寮だな。4年間ここから行くのはなんだし...少なくともまずは1年間。お前らに会えなくなるかもだけど、新しい仲間とかできるだろうしがんばってくるぜ!」


ーー「おれくん...いなくなっちゃうの?」


「エナ...。絶対帰ってくるから心配はいらぬ。」


ーー「...へへ!分かった!」


エナは安心すると、朝ごはんであろうサンドイッチを食べ始めた。ほんとに食べることが好きなのだろう。


「じゃあ...みんな、元気で。ほんと急すぎるんだがよろしく頼む。ブルシズムも2人を守ってやってくれ」


ーー「私でよければ全力でサポートさせてもらう!!町の途中でスマホがあるかどうかも聞きたいしな!」


「はっはは...ならよかった。じゃ、また会おう!」


ーー「私たちが迎えに行ってあげるからねー!!」


タチバナが俺に安心の言葉をかけてくれた。

3人は重い荷物を持ちながら遠くの方へ、もう見えなくなってしまった。


日付は、4月13日を迎えていた。


「よし...!!行くか!」


やるべきことは決めた。

宿主に鍵を返し、この世界のタクシーであろう馬車に乗った。この世界での馬車は無料らしい。


もう金なんてどうでもいい。

ラスティアス魔法大学はなんてったって後払いなのでその時の自分に任せればいいのだ。


「ここから....学校か。いや落ち込んでられねぇなぁ!絶対強くなって次に会ったときにみんなをびびらせてやる!」


我ながら強い志である。

元の世界でもこんなふうにできたらよかったのだが、 昔のことを考えても仕方がない。こういうときこそ切り替えである。


次の国でどんな地獄が待ち受けているかわからないが

前の世界のようには絶対になりたくない。


いやなりたくないんじゃない。



ーーーーーならないようにするのだ。



馬車が動くと同時に、決意をさらに固める。


かつての俺は誓っただろう。



「よしっ!!行くぞ...!」



ー理想を現実にできることを「証明」してみせると。



























第十三話ありがとうございました〜〜。

ついに第1章 睡蓮町の悪夢 の完結です!

今夜の20時、第二章に入りますよろしくや!

伏線?みたいなやついれてるので見つけられたら尊敬です。

毎日更新中!第二章 ラスティアス王国編 を投稿します!

感想や質問なども全部受け入れてますのでどうぞこれからもよろしくおねがいしますね!

第二章もお楽しみに!

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― 新着の感想 ―
最新話まで読ませて頂きました。 まさか弁当を無理やり食べたことにより、転生してしまうとは……第二章からどんな展開が待ち受けるのか楽しみですね ☆とブクマを入れさせて頂きました これからも応援しておりま…
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