第十二話 「フェイトセレクション-1」
「スマホがねぇぇ!!!」
今まで大事に、スマホ依存症かと思うくらいにどんなときも持ち歩いていたスマホが消えた。
この世界で唯一の「スマホ」がなくなった。
ーー「どうしたんだ!?そんな騒いで...。」
「うわぁぁ!!スマホが...!!スマホが!!」
あーこれはダメだ。救いようがない。
俺は改めて自分はスマホ依存症だったのだと知る。
この世界に来てゲームなどはできなくなってたけど、スマホで時間が即座に確認できる安心感はハンパじゃなかった。
「はぁ...くそがぁ!この島にあんなルールがあるからだ!!」
ーー「そんなにそのスマホとやらはすごい物なのか?」
「聞いて驚けよ...?この町では知らんがな...時計がなくても持ち歩いているだけで時間が確認できる端末みたいなもんだ!」
ーー「なん...だと!?そんな代物だとは思いもしなかった...!!そのスマホはどうにかならないのか!?」
「ああ、残念ながら無理だな...。表面だけじゃなく、これは中まで完全に石になっている...あーイラつく」
今まで通りにイラつきやハプニングなどを切り替えることができない。俺は重度の依存症だったらしい。
ーーー次第にため息も多くなってきた。
「はぁ....。ブルシズム!この島のせいでこうなったんだ!!2人でこの島の主人をぶっ飛ばしにいくぞ」
ーー「...必ずや、スマホの代償を償ってもらおう」
ブルシズムはとにかくスマホが気に入ったみたいだ。
ここで2人の親密度のようなものが格段に増加した。
俺とブルシズムはこの島の中心部を目指す。
「あぁー...。やっぱこの島も広いんだな..」
ーー「スマホ...スマホ...スマホスマホ?」
「ブルシズム...?おい!ブルシズム!!」
ーー「...!?あぁすまない...そのスマホはとても魅力的な物のようだな!頭がスマホでいっぱいでな..、」
あーこれはやばい。ブルシズムも現代の若者のようにスマホ依存症化が進んでいるようだ。ほんとにスマホの話をしてよかったのか?と心の中で問う。
「...ん?あれは...なんだ」
ーー「空間に...二択問題?」
俺とブルシズムが進んだ先には次の試練か何かが空間に浮かび上がっていた。
ーーー問題を始めますか?
という文字が空間に表示されている。俺とブルシズムは疑いながらも始めることにしてしまった。
「...初めて..、いいよな?始めないと何も起きない気がするんだが...」
ーー「何も起きないならやらなくてよいのでは?」
「いや...そうなんだけど..、やらないとダメな気がしてな」
俺は「バカ」だ。
直感に頼りきりになり他人の意見を尊重しない。
自分が正しいと思った方の選択肢を選び、ブルシズムの意見は消した。
ーーーーー問題を開始します。3クエスチョン
空間の画面上にスタートの合図が表示される。表示された解答欄は二択。「はい」か「いいえ」の二つだ
ーーーー(^ ^) アンケート問題 過去の異人格を召喚したいですか? 3、2...
「...は?」
画面にタイムリミットが表示される。
解答時間はたったの「3秒」。問題を読んでる間で1秒は経つ。
俺はタイムリミットの時間の少なさにより、正確な判断ができなくなる。
俺は間違って「はい」を押してしまった。
すると一瞬で次の問題に切り替わる。
ーー「...はいを押さなかったか!?」
「やばいやばい!話してる暇もねぇんだよ!!」
ーーーーー(^ ^)元の世界に戻りますか?
「え.....?」
急に内容の重くなった問題が俺に解答させる。
この問題は迷う間もなく「はい」を押した。
「よっしゃ...!よっしゃぁ!!これで帰れる!」
歓喜の声を上げたのも束の間。画面が真っ赤になり、警告音のようなブーというアラームが鳴り響く。
「...は?..俺帰れるんじゃ...なんでアラームなんか...」
落ち込む暇もない。直ちにラスト問題が表示される。
ーーーーー(^ ^)新.真面目はタチバナ、エナ、ブルシズムと仲間である?
「新...真面目?誰のことだ!?でもみんなは仲間だ!絶対そうだ!!」
考えてしまったが、残り時間0.2秒でなんとか
「はい」という選択肢を押した。
なぜか先ほど同様、警告音アラームが鳴り響いた。
そして、ブーという選択をミスったような音と共に問題が終了した。
ーーーーー(^_^)解答ありがとうございました.......。
問題の最初にあった顔文字みたいなのに口が追加された。問題を答えてもらって嬉しかったのだろうか。
「なんで...お前らは仲間...だよな?」
俺とブルシズムは顔を合わせる。
ふわっとしていた目が信じられないほどの目力に変わる。警告音が止まらず、ブー、ブーというアラームが鳴り続けている。
ーーーーその瞬間、夢が強制終了する。
※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※
ーーー俺は廃家のベッドで目を覚ます。
「エレストシナ...ブルシズム」
やはり記憶がある。
俺はまたさっきまで起きていたことを、この現実でやり直さなきゃいけない。
「はぁ...、はぁ...!...どうゆうことだったんだ...?」
慌てて状況整理をするが何もわからない。
気がかりなのは夢が強制終了したことだけだった。
ーーーーー数分後。
地震が起き、波に飲まれそうな俺を間一髪でブルシズムが助けた。
「お前....!ブルシズムは俺のこと...忘れてるか」
ーー「なぜ私の名前を知っている!?」
「あ、ああ...いろいろあってな、実は俺たち初対面ではないんだ...」
ーー「初対面じゃない...?どこかで会ったことがあるのか?」
俺は夢の中のことを話した。
すると案の定、虚言の神が現れる。
「...ほら言っただろ?虚言の神のご登場だ」
ーー「嘘...だろ!?こんなところで出会えるなんて」
あーさっきもそんなこと言ってたわーとか思いながらブルシズムにあいつを殺せと言うが予想外なことになってしまった。
「ブルシズム...感動の初対面のとこ悪いんだが、あいつを殺せ。俺はあいつを殺さないと気が済まないんだ!!」
ーー「...すまない。まだ君のことを完全に信じている訳じゃない...私の使命は人を助けることだが、君のことを助けるとは言っていない!」
「は...は、はぁ!?言わなくても助けろよ!!」
これはまずいことになった。
ブルシズムが俺を助けてくれないだと?夢で起きたことは必ず現実にも起こる。
だが、俺が無意識に夢の内容を書き換えてしまったことに気づく。俺は夢の中でこう言った。
「この夢が終わるまで俺を守ってくれると助かるんだ」と。
これは虚言の神が現れる前に言ったことだ。
現れる前にそういったからこそ、ブルシズムは嘘をついたことになるのを阻止するため仕方なく虚言の神を能力を使い、波で溺死させてくれたのだ。
「このく...いや、、お前は下がっていてくれ。俺のやりたいことは俺の手で始末する。」
ーー「お、おう」
ブルシズムが冷笑系キャラみたいなことを言ってしまったが、俺には夢の中でブルシズムに教えてもらったことがある。
それは、
ーーーーー固定概念に囚われるなということだ。
特殊能力が一回しか使えないと思い込んでいた俺を、ブルシズムがこれは夢なのだから何回も使えるかもしれないと教えてくれた。
成功した夢はある意味、現実で未来を変えられる予習にすぎないかもしれない。
俺は特殊能力を発動させる。
「えーっと...経験したことしか使えないよな...」
「んー。.....あ。」
俺は天才だ。天才的な頭脳で虚言の神の戦意を喪失させる方法を思いついた。
「マスコット・キャラクター!!」
俺がそういうと、虚言の神は頭を抱え始めた。
ーー「あ...ぁぁあ!!うるさいうるさいぃぃ!!!」
あ、やばい。これは戦意をなくすというか余計に怒らせてしまったかもしれない。
俺への反動はない。ゆるキャラなんて言われて別に大したことはないからだ。
ーー「..お前...をぶっ殺してやるぅあぁぁ!!」
「や...やばい!!」
戦意を削るどころか怒らせてしまった。
虚言の神が俺に攻撃しようとしたその時、ブルシズムがそれを制した。
「...はぁ、、はぁ。ブルシズム....助けてくれたのはありがたいんだが...最初からそうしてくれよ...。」
ーー「目の前で人が死ぬのはなんというか...残酷にもほどあったのでな...すまない」
ブルシズムが助けてくれてよかった。ここで死んでしまったらどこの時点に戻るかわからないからだ。
「さて...次は雷がくるんだ。ここは協力してくれ」
ーー「あぁわかった。」
雷が来る。
ブルシズムが夢の中でのように雷の時を止めるが、俺はバカだ。今更取り返しのつかないことをしてしまった。
「よし。俺がここでとどめを....ああ、ああ!」
ーー「どうしたんだ!?早くとどめを!」
「能力を使っちまったんだよ!!夢の中だったら固定概念をぶち壊せたけど現実はそういかねぇ!!」
ーー「なん....だと!?」
俺は夢の中で固定概念をなくし、2回も特殊能力が使えることに嬉しさを感じていた。
ただ今は「夢」じゃない。
一回しか能力をつかえないこの現実で、先ほど能力を使ってしまった。
「やばいやばいぃぃ!!ブルシズムなんとかしてくれよ!!」
ーー「なんとかしろと言われても...!!私は雷を今ここで止めている!手が空いているのは君だけだ!」
どうしようか考えまくっても何一つ案が浮かび上がってこない。まだ現実で死んでペナルティを受けるのかと覚悟したが、「あいつ」がまだ死んでいなかったことに気づく。
ーー「はぁ、、はぁ...さっきはよくも...!」
「虚言の神...!!まだ生きていたのか!?」
いいことを思いついた。
散々俺を演技で苦しませてきやがったこいつをどん底に叩きつけてやる。
「神様...。さっきはごめん。あれからもう手遅れだと思ったんだけど反省したんだ...。」
ーー「急になんだ...。何が反省だクソガキが」
「まあ落ち着いて聞いてくれ...。さっきは俺が完全に悪かった。お前は...いや、神様あなたは天界で居場所がなく、ただ人と関わり合いたい。それだけなのでしょう?僕も同じだったんです」
ーー「...!?お前に何がわかる...」
「私もこの世界に来る前、学校では孤立してひとりぼっちの存在でした...。だからあなたの今の状況、ゆるキャラなんて...ただの噂にすぎませんよ。噂っていうのはですね、意外と「嘘」に近いものなんです」
ーー「...そう...なのか?僕はゆるキャラじゃない....。本当の神様ってことでいいんだよな...!?」
「はい...。その通りでございますよ!あなたは立派な神様です。そもそも神様になれるなんてすごいことなんですよ?あなたもいっぱい努力してここまでこれたのですよね...。私はこれからもあなたをずっと応援してますよ!」
ーー「は...はは。やっと僕を...認めてくれる人材が現れた...。僕の方こそ、君を殺そうとしてすまなかった」
「全然いいですよ...!ただ、例と言ってはなんですがこの天気、大量の雷にあなたの...「神様」の力を!!見せつけてやってください!」
ーー「ああ分かった!神である僕に任せよ!!」
...あぁ俺は本当にクズだ。
...いやクズはお前だよ虚言の神。お前に早く死なれては俺がお前のことを盛大に利用できねぇだろうが。
「おぉ...!!神様すごいです!私を弟子にしてください!!」
ーー「あ、あぁ!...はぁ。全魔力を使ったせいでもう体力がないが...回復したら君を弟子にしてあげよう」
雷が消えた。
虚言の神による大魔法で天気そのものを破壊し、強制的に晴天を作り出してくれた。
ーーーーこれで、もう用済みだ。
「ブルシズム。こいつを殺せ。」
ーー「あぁわかった。君のクズっぷりには驚かされたがいい戦略方法であった。罪もない人を殺そうとした罰を与えよう。」
ーー「...え...は?」
虚言の神は魔力切れ。もう抵抗する力もないようだ。
「じゃあな!虚言の神様。いや、ゆるキャラの神様だったっけな?」
ーー「お...まえ..だまし...、、たな」
「最後に言い残したいことでもある?」
ーー「死...ね!!」
最後の言葉を吐くと同時にブルシズムが護身用に持っていた剣で虚言の神を殺した。これで俺の目的は果たされた。
「よし!ありがとなブルシズム!」
ーー「君もなかなかの者だったよ」
この後は前と変わらずスマホの話をした。
ブルシズムはやっぱりスマホに興味津々であった。
ーー「スマホスマホスマホ...、スマホって昔...」
「おいブルシズム!どうしたんだ」
お決まりのフレーズ。2回いうだけでストレスが溜まってくる。
しかし仕方ない。こうでもしないとまた内容が書き換えられてしまうからだ。
ーー「いや...なんでもない。」
「ていうか...あの問題がでてこねぇ。なんでだ」
ーー「問題?そんなもの出てくるのか?ていうか君は予言者か何かなのか?」
おかしい。
夢の中で問題が出てきたはずなのに現実では出てこない。必ず現実に影響するんじゃなかったのか?
「くそ...仕方ない。ブルシズム!もうこの島を出て俺の仲間の2人に合わせてやる」
ーー「2人?仲間でもいるのか?」
「ああ...言ってなかったな。俺にはタチバナとエナっていう仲間がいるんだ。この島には結界で入れなくて外で待機してもらっている」
ーー「なるほど...ならその二方に合わせてもらおう」
ブルシズムが俺の提案に乗る。
俺たちはこの島の入り口を目指し歩くと、案外すぐ着くことができた。
今度は新メンバーを連れて天橋立に足を踏み戻す。
「タチバナ!エナ!ご主人様のお帰りだぞー!!」
2人は近くの林で、変な顔で何かを話し合っていた。
俺が近づくと妙に怖がっている。
「お、おい。何か...あったのか?」
ーー「あなたこそ何かあったの...。」
タチバナが俺に酷く怖がっている。なぜだかわからないがエナもだ。
「あ、ああ...俺は新しい仲間を連れてきたんだが...」
ーー「やあ!私はエレストシナ・ブルシズム!!」
神宿島で起きたことは言えないが新メンバーのことは言える。神様がいたとかの状況説明とかは言えない。
ブルシズムが初対面の2人に元気よく自己紹介したが2人はそんなのお構いなしに話を続けた。
「なにか...あったのか?」
ーー「あなたは...本物なの..?」
ーー「実は昨日の夜...、もうひとりのおれくんと私たちがあっちの砂地で歩いてたの...。」
「は...はぁ...?何言ってんだお前ら...。」
俺が昨日の夜、ここの砂地で歩いていた?
それは絶対にないはずだ。昨日の夜は俺は神宿島にいて夢を越えてきた。
それなのに俺達があっちの砂地で歩く?意味がわからん。
「...えっと...その。もう1人の俺達がいたかどうかとかはわからないが...ひとまず俺は本物だ...。いや本物なのか...?」
ーー「どっち...!!?」
2人はさらに恐怖感を強めた。もう自分が本物かどうかもわからなくなってきた。
けど俺は本物であると信じることにした。
「いや...俺は本物だ!神宿島に入ったのを見ただろ?そして俺はその島からこうやって出てきたじゃんか!」
ーー「そう...ね。だとしたらあっちで歩いていたおれくんと私達はなんだったのかしら...。」
「しかも...そのおれくん達は私たちの船に乗ってどこかにいっちゃったの!」
「船に...乗って?俺たち帰れなくないか!?」
これはまずい。
もう1人の俺が、俺たち3人が乗ってきた船に乗って街に帰ってしまったのかもしれない。そもそももう1人の俺と仲間がいる時点で頭がバグる。
ここで俺はさっき間違ってボタンを押し間違えたことに気がつく。
ーーーーーそれは異人格の「俺」の作成品だ。
第十二話読んでいただきありがとうございました!
おれくんの選択、本当に正しかったと思いますか?
いや、あの問題のせいなのか。真相は闇の中に。
あとタイトルを少し加えたのでこれで検索したり呼び名とか気軽につけてもらえたら光栄です!(腹転とかね)
次は間話です!もう1人の異人格達の視点です。
金曜の18時10分です。毎回この時間なので!
それまでにブックマークしてもらえれば投稿した作品を即座に見ることができますよ!今なら古参アピもできます!
間話もお楽しみに!




