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第十話 「救済」

ーーーーー死ぬには...まだ早いのである。


「!?」


その声と特徴的な語尾を聞いた瞬間、「ライト」が剣を持って結界に突っ込み、崩壊させ、大量に降っている雷を全て剣で薙ぎ倒し、「消滅」させた。


何が何だかわからないが俺はこの機を逃さない。瞬時に、敵に向かって特殊能力を発動させる。


「サマーホリデイ・エンド!!」


俺が放った言葉の意味は、現実で何度も俺をどん底に突き落としてきた「夏休みの終わり」。その苦しみを敵の精神にぶつける。


ーー「あ!ぁぁ...!!休みが..!!学校に...行きたくない...!!」


効果は凄まじく、敵は膝をつきながら頭を抱え絶望している。俺を現実で縛りつけてきた「闇」がこの世界に来て救いの「光」に生まれ変わった。


「笑えるぜ!!俺の苦しみをそこで味わっとけよ!!」


ーー「...ぁぁ!...明日行きたくないぃぃ...!!!」


「うっ...!なん...で!?」


能力を使った「反動」が来た。ここでまた知ることになる。俺の能力には反動があると。

ただ俺は何度も夏休み終わりの絶望を感じてきたので耐性がややついている。


それとここで止まるわけにはいかない。

俺たち3人は、そのすきに奥地へ走りまくる。


後ろを振り返るとライトがすでにやつの首を落としたのか、いなくなっている。


あの殺神が言っていたライトの特殊能力は本当だった。「消滅の力」、剣に込められているのだろう。


「はぁはぁ...はぁ。たすかっだぁ!」


ーー「はぁ...はぁ。もう勘弁して。」


タチバナも疲れ切っているようだ。エナは静かに呼吸を整えている。ここで俺の記憶が矛盾点を発覚させる


「あれ...ライトだったよな...。殺神に殺されたんじゃなかったのか...?」


2人は聞く耳も持たない。そりゃそうだ、会ったことがないんだから。ただ俺の4月10日の記憶ではライトは存在している。


後ろからライトが走ってくるが、めちゃくちゃに疲れている。


ーー「はぁはぁ...はぁ、、..はぁはぁはぁ...。」


「ライト...だよな?疲れてるとこ申し訳ないんだが」


ーー「あ、あぁなのである...。私が四天王...の..ライトだ...私は体力がない...からこの通りである」


やはり本物だが、一応俺はこいつの中身が偽物ではないことを証明させる。


「ライトなら...その証拠を出してくれ..!俺があの神に聞いたとこだとお前は殺されたはずだ...!」


ーー「あの神?...ああ、もし違かったらごめんであるのだが虚言の神のことか?」


「虚言の神、、、?俺は殺神って呼んでたんだが、、」


ーー「...。殺神?神でも魔法で人や生き物を殺すことはできるぞ?」


俺はこの低脳で一生懸命考えまくり、整理する。

虚言の神。嘘しか吐かない神みたいなものだ。


もしかすると俺が殺神と思うようになった時は大規模すぎる魔法と結界が初めて目に焼き付いたせいだろう


「はぁ?マジかよ...。でかすぎる魔法見て人を殺す神だと思ってたわ...。てか虚言の神が正式名称か?」


ーー「そうなのである!天界では嘘しかつかない神として名が広められたのである!」


「そ、そう...なのか。」


ただあのとき夢でライトが天に帰った瞬間、俺を殺しに戻ってきた。

 その虚言の神とやらの言ってた命令したというのは「嘘」で、たまたま夢の内容の意味と一致してしまったのだろう。


だとしたら振る舞いはすべて「演技」だったことになる。演劇家にでもなったら良いのにと思った。


「てことはお前は...その虚言の神に命令も殺されてもないっていうことになるよな!?」


ーー「当たり前である!私のような四天王があの雑魚にやられるわけないのである」


「四天王ってあの神は含まれていないのか?」


ーー「うーん...。この世界で一番偉い立場なのが私ら四天王。神はその下で、絶対的な力を積み重ねて来れば誰でもなれるからいっぱいいるのである。ちなみに虚言神は嘘をつきまくったのであろうな。それと神は基本的に夢時間が始まる5分前には「休み時間」といって、地上にいられなくなるのだ。」


「お前ってすごいんだな...!四天王なんてめちゃくちゃ良い立場じゃねぇか!」


ーー「いやそれは違うな。四天王は一人一人が周りと意見が合わないのでギクシャクしてるのである。」


ギクシャクした関係。四天王でもみんな友達みたいな感覚はないようだ。やっぱりこの世界でも一人一人が異なる意見を持ち、それを達成するために動く。


「ライト...その感じだと俺と夢で話したことはわかるか...?」


ーー「当たり前である。四天王で一番優しい私と初めて出会えたことに感謝するのである!」


「夢の内容を知ってんのか!?俺だけじゃない...?」


ーー「四天王は特権なのである。普通の人は夢を忘れるけど四天王は見たい相手の夢も覚えていられる」


「てか今思ったんだが...4月10日の現実で俺を殺そうとしたよな?それはなんだったんだ」


ーー「ぶっはぁぁなのである!!あれは私の演技だ!虚言神の演技に負けじと頑張ったんでな!」


「あとは夢で俺を...殺したよな?」


ーー「あ...あぁー夢だったから何でもしていいと思ってしまってな!驚かそうと目の前で剣を止めるつもりだったが間違って殺しちゃったのである!すまんな!」


「そ、そうなのか...。わかった!もしよければなんだが俺らのメンバーに入って来れないか?」


四天王であるライトがこのメンバーに加わったら言うまでもなく「最強」だ。俺は誘いをしてみるが、呆気なく断られた。


ーー「それは無理なのである!入りたくても私の使命があるのでな。四天王は使命をやり遂げるのである」


「そうか。まあ絶対忙しいしな...。ちなみに使命は何なんだ?」


ーー「...。もう次の仕事があるので二言で言う。ピンチの人間を助けるのである。今回と前は運が良かったと思え。じゃ、またいつかなのである!!」


そういうと、ライトは空に飛んでいってしまった。

しかし立派な使命を抱えた四天王の1人だ。俺はライトを師匠にでもしたいと思った。


それよりも俺たちはようやくこの島を突破し、丸い島の目の前に着いた。


「これが...タチバナの言ってた丸い島か!」


ーー「ええそうね。見えた形と一緒だわ。」


「なんか...禍々しいというか神聖なオーラみたいなのが漂ってないか?」


ーー「たしかに.....。!!神様がいるのかも!!」


エナは目を輝かせている。俺は良い神がいますようにと願って足を一歩踏み入れると



ーーー足から頭までが一瞬で弾け飛んだ。



※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※


ーー「じゃ、またいつかなのである!!」


ライトがそう言って空に帰っていく。

俺はさっき死んだ。意味がわからない、理解ができない。俺は心の中で問いかける。


...「死んだ...!のか?なんで!原因はなんだ!」


不明な点は船の上で目覚めていないこと。そして、現実でまた死んでしまったということだ。名前の次は何をペナルティとして取られたのか。


「現実で...こんなにむずいのかよ...。」


ーー「え?おれくん...?大丈夫?」


「あ!あぁ大丈夫大丈夫!それにしてもあいつライトっていうんだけどすごかったよな!?」


とりあえずタチバナとエナに心配させないよう話題を逸らす。俺は同時に何で死んだのかを考える。


ペナルティの内容などは後から考えればいい。考えているうちに、あの島へ着いてしまった。


「エナ...今更聞きたいことがあるんだが......。つけてもらった記憶保存っていうのは何か他に細かい注意点みたいなのはあるか...?」


ーー「え?んーそうだなー。記憶が保存されていく中でも衝撃的な展開が記憶に残りやすいじゃん?そこで無意識にまた体がここに戻りたいって思ったりするんじゃないかな?まあ戻りたくない時もあると思うけどね。何かあったの?」


エナの細かい注意点を聞いていろいろわかった。

衝撃的な記憶は記憶に残りやすい、例えば旅行の帰りとかならまたここに来たいと思うはずだ。


俺の体は、無意識に最初に戻りたいなんて思わず、ここに戻った方がいいと記憶が警告を出してくれたのだ。


「あ、いや...なるほどな!ありがとうエナ。」


ーー「全然いいよー。」


「さて、次はこの島にどう入るかだが...誰かこの島のルール?みたいなのがわかるやついるか?」


ここでエナの頭が冴える。


ーー「もしかして今きた島は「天橋立」ってとこじゃないかな?なんとなくだけど形が似てる気がする」


「そうなのか!?すごいなエナ!じゃあこの目の前の丸い島とかはわかるか!?」


ーー「タチバナ?この島に来るまで何分くらいかかった?」


ーー「え?1時間半とかだけど...それがどうかした?」


ここでエナがまた天才的な答えを出す。実はエナはとても頭がいいのかもしれない。強くて頭良いって最高だと思った。


ーー「!!...この丸い島は「神宿島」だと思う!」


ーー「...!!だとしたらこの島に来る前の途中の島は「大島」だと思うわ!地図に見覚えがあるし!」


ここにきて次はタチバナの頭が冴える。タチバナは俺と同じバカだと思っていたがそうではなかったみたい


「じゃ...じゃあとりあえずこの島だな。神宿島だっけ?なんかルールとかあるのか?」


ーー「えーっと...確かこの島に入る前には海で体を清めたり、あとは...そう!不言様(いわずさま)っていうのがあってそれはこの島で見たこととか起きたことは一切口にしちゃダメらしい...。」


「めちゃくちゃ厳しいじゃねぇか!!」


まさかこの島にそんな厳しいルールがあるとは知らなかった。そして俺たちは海で体を清め、おそるおそる島に一歩踏み出す。


「あ、本当だ!入れた!」


後ろを振り返ると、2人がまだ入ってきてないことに気がつく。


「お...おい。何で入らないんだよ」


ーー「見えない壁?みたいなのがあって入れないのよ!」


ーー「うんうん。」


「見えない...壁?それって結界じゃないか...?」


2人が入ってこれない結界があるのだろう。俺は2人の共通点を探すと女性であることに気づく。


「多分だけど...女性だから入れない、とか?でもそれだとほぼ差別みたいなもんじゃ...」


ーー「あ!思い出した!この神宿島は女人禁制の掟っていうのがあったんだ!その名の通り、女性は昔からこの島に入れないらしいんだ」


「お前めちゃくちゃ詳しいな...。見直したっていうかこれからも頼りにさせてもらうわ...」


タチバナが私は?みたいな顔で見ているが俺は気にせずこの島に2歩3歩と足を踏み入れていく。

 後ろから2人が待っているのが見えた。


ーー「ここら辺で待ってるからね!!」


ーー「死ぬんじゃないわよ!!」


「...。ふははは!そんなこと言われたら死ぬ選択肢など俺にないな!!。神様に宣戦布告だ!!」


俺はカッコつけて言ってみるが、心の中では普通に怖がっている。神に宣戦布告なんてバカがやることだ。あ、俺はバカなんだった。


徐々に遠ざかる2人に背中を見せながらこの島になにがあるのかを見つけ出す。それにしても今日は




ーーーーーまたライトに会えて嬉しかった。

























第十話どうでしたでしょうか?現実でまたも死んでしまったおれくんはなにを取られたのでしょう。

ここで毎話あとがき恒例のことを言います。

感想やアドバイス、評価、ブックマークなどよろしくおねがいします!感想は些細なことでも構いません!

第十一話は明日の18時10分投稿です!ここら辺のラストくらいからおれくんの運命を左右する選択肢が始まります......。

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