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『純粋無垢にして一点の曇りもない、純白の天使マシロ』

あらすじ

9月、雪が降る前に撮影を終わらせるため、映画『真緑の翡翠』の北海道ロケは急ピッチで進められていました。シウは親友のパク・ドユン監督とイ・ソジュンを前に、ヒョヌ(御玉)の武器『破邪顕正はじゃけんしょう』や、相棒の鳥『雷丸』、それを呼ぶ竹笛の正式名称(愛しき天使を呼ぶための風の音)など、こだわりの設定を力説します。しかし、ドユンからは「天才なんだか変態なんだか」と呆れられ、ソジュンからは「むっつりの変態」とからかわれてしまいます。なお、笛の愛称『涼風』はサランからの盗用でした。


御玉みたまの杖の名前は『破邪顕正はじゃけんしょう』。

意味は不正な教えや邪悪なものを打ち破り、正しい道(正義)を明らかにするということ。

杖のイメージは聖なる光を放ち、悪魔の闇を一瞬で払う王道の聖杖。と言った設定だが、

ほむらとは一瞬どころかバシバシ振り回して苦戦する。それだけ、焔が強烈なのを印象づける。

御玉みたまの飼っている鳥が『コノリ』の雷丸。

コノリは『ハヤタカ』の雄で、御玉みたまは進次郎が手作りで作った竹笛で雷丸を呼ぶ。

竹笛の正式名は『愛しき天使を呼ぶための風の』、愛称は『涼風』」

シウは親友二人を前に力説している。

監督のパク・ドユンは腕組みして聞いていた。

「お前の母ちゃんもイカれてるけど、その息子も、まぁまぁだな。天才なんだか、変態なんだか。」

イ・ソジュンも割り込みして来た。

「間違いなく、むっつりの変態だろうな。

杖の名前は良いとして、鳥もオスメス呼び名違うの引っ張り出して来て、

しまいには笛に正式名称と愛称?間違いない。変態だ」

笛の名前はサランからの盗用なのだ。

サランを変態呼ばわりするとは。

魔笛の雷丸吹かれて即退場である。

「昼飯食べてくるよ。サラン連れて行くけど、俺達の出番は夕方で大丈夫な?」

「おーう。行ってきー。」

ドユンとソジュンで打ち合わせしながら、

手だけ挙げて見送った。

一行は今、北海道ロケを敢行している。

もう9月だ。雪が降る前に終わらせる為、

撮影は急ピッチである。

サランを連れて、そば屋に行く事にした。

サランは久しぶりに2人きりだと上機嫌だ。

初めての馴染みのない店だが、

ゆっくり静かに食べる事が出来そうである。

店内では店主が一人で切り盛りしていた。

「いらっしゃいませ。こんにちは。

やー。やー。やー。これまたすごい、

別嬪さんとイケメンさんですね。俳優さんと女優さんかな?

最近、この街で映画撮影しているって話でね。」

気立ての良い60歳位の小太りの店主だ。

「ベッピンさん??」

サランには初めての言葉だった。

「すごく美人って事だよ」

サランは言葉の意味を知って納得すると。

「そうなのです。私、別嬪なのです」と答えた。

店主は開けっ気にとられ、苦笑いしている。

「そうですね!本当に別嬪さんですよ!」

「そうか私、別嬪さん。別嬪さん。」

別嬪さんがお気に召したようである。

「私は冷やし山菜とろろそば下さい。」

サランは目配せして来た。

「僕も同じ物で」

同じ物を食べようの合図だったのだ。

「はい。かしこまりました。冷やし山菜とろろそば。2つですね。」

「キツネとタヌキ、御用意出来ますけど」

「猫!」

「え?ん?ごめんなさい。お嬢さん。

猫は無いのですニャー」

60過ぎのおっさんが猫ポーズをしている。

「じゃあ2人ともキツネタヌキで」

シウが見るに見かねてフォローに入った。

「あ。はい。キツネタヌキですね」

「猫はもう居ないのですか?」

サランが壁の方を指差した。

「猫?ああ。こっちの猫ですね。

あと3匹売れ残っていまして。」

サランが言っていたのは、

『猫そば爆誕』の話ではなく店内の壁に

『生まれたばかりの子猫を差し上げます。』の貼り紙を目にしたのだった。

久しぶりのととろそばで美味しく満足したのだが、

サランは猫が気になってしたかなかった。

膳を下げると店主は店の奥から、

ダンボールを抱えて持って来た。

その箱には、まだ、生後1ヶ月という天使のような子猫が3匹。

サランの奇声がオペラのソプラノ歌手並みであるのを、

知っているのはユン・シウくらいだが、

今日も倍音が効いていて攻撃力がある。

白、黒、茶トラである。

母猫は良くぞ綺麗に産み分けできるものだ。

雑種である。日本によくいる『THEねこ』な

感じである。『The Cat』とはちょっと違う。

物置の屋根の上や、

塀の上で寝ていそうな猫である。

サランは白か黒で迷っていた。

もう、もらって帰る気でいるのだ。

我々は今、映画の撮影で来ている。

どうやって飼うのだ?

サランは人類最強の爆弾『ツァーリ・ボンバ』よりも強力な

『THE美少女の甘えた顔』と『THE美少女のお願い懇願』を繰り出して来た。

映画の撮影中ゆえに。

『なよ竹の巫女、御玉』の神力を宿しているのかも知れない。

そして、

もしこの場で逆らうのであれば、

御玉の最強の杖『破邪顕正』の、聖なる鉄槌で撲殺されるかもしれない。

ユン・シウは当然、戦わずして『無条件降伏』となり、白い猫を貰って帰る事になった。

サランはその場で『真白マシロ』と名付けた。

正式名は『純粋無垢にして一点の曇りもない、純白の天使マシロ』との事であった。

シウは素直に養育環境を気にしていたのだが、

監督パク・ドユンの後宮とも言われる、

映画撮影班『虹色の薔薇組』の姐さん達は、

誰しも

「大丈夫よ。私に任せなさい」

「心配ないわ、私達も面倒見るから」

「猫の飼い方、教えてあげるわ。男と同じよ」と

口々に『うがい薬を間違って飲み込んだような声』で協力を約束してくれたのでシウは安心したのであった。


今後、記載する表現に関して、常識に基づいて気をつけて参りますが、

もしもを考慮して15歳未満閲覧非推奨を設定させて頂きます。

こちらに何か落ち度がございましたら、お知らせ願います。


※作中のメインキャラクターは日本語も韓国語も話せる設定となっておりますが、読む側を考慮して日本語表記にしております。キャラクター達は場面に応じて言語を使い分けているとご理解願います。


参考データ

※ユン・シウ…小説家25歳

※カン・サラン…女優志望のアルバイト20歳

※ソン・カナン...女優。カン・サランの芸名。ソン・インナに名付けられた。

※ソン・インナ…女優、シウの母親

※ユン・ジュンソ...シウの父。総合映像制作会社S.S.Iの会長

※ユン・ヒョヌ...シウの異母兄。ソヒョン・チョヨンの恋人。S.S.Iの後継者

※イ・ソジュン...シウの親友。Juringエンター専務。子犬の幼顔と低音ボイス

※イ・ウジン...映画監督。『残酷な美しさ』『私にキスできますか?』

※パク・ドユン...映画監督。シウの親友。Juringエンタ常務。映像制作部部長。

※イ・ダイン...『私にキスできますか?』ヒロイン

※キム・ソヒョン...シウの元恋人『Love Hunt』プロデューサー。

※ハン・チョヨン...女優『私にキスできますか?』イ・ダイン役

※ハン・ジヨン...女流写真家。奇跡の1枚を撮る「アメイジングメーカー」

※虹の薔薇組...ドユンのハーレム軍団。精鋭撮影チーム。

※佐藤直樹...ユン・シウの祖父。伝説の投資家。

※佐藤志乃...ソン・インナの本名。

※天翔樹林...ソン・インナのシルフィード歌劇団時代の芸名。

※涼風小鳥...中村綾。サランの母親。

※中村綾...サランの母親

※トリニティG...韓国最大の財閥グループ

※S.S.I...総合映像制作会社

※Juringエンタ...芸能事務所兼資産管理会社。会長インナ。社長シウ。

※アトリエ・ノア...中堅芸能事務所。サランことカナンが所属していた。

※『Love Hunt』…ネット配信の恋愛リアリティ番組

※『私にキス出来ますか?』…シウ作の小説

※『ずっと僕は君を』…シウ作の小説

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