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最初の週末

あらすじ

恋愛リアリティー番組『Love Hunt4~ブースト!~』で最初の週末を迎え、『第一回マッチングデート』が開催されます。サラン(カナン)はデートの進め方をAI『ダボ』に相談し、バックアップチームの助言に従って「女らしさ」を封印したメンズファッションでギャップを狙うことに決めました。他の女性陣が華やかなワンピース姿で現れる中、オーバーサイズのメンズジャケットに細身のトラウザーパンツ、さらにシウから貰った小樽のアクセサリーをフル装備したサランが登場します。その少年のような瑞々しさと圧倒的な美貌に周囲は息を呑み、モニターを見ていたプロデューサーのキム・ソヒョンは激しい苛立ちから机を叩くのでした。

恋愛リアリティ番組『Love Hunt4~ブースト!~』は、

最初の週末を迎えていた。

『第一回マッチングデート』の日がやってきたのだ。

「デート」

他人のデートを覗き見するのは、気楽に楽しめるもの。

実際、当事者となると困りものだ。



ノートパソコンを開き、最愛の相棒に通信を試みた。

『ダボ! デートに行かなきゃいけないの。どうすればいい?』

『世紀の美少女カン・サランさん。バックアップチームに指示を仰ぎました。

デートはすべて『女らしさ』を封印し、メンズファッションでギャップを狙うのが最善手です』

「メンズファッション……?」

デート開始の午後。

他の女性メンバーが華やかなワンピースやスカートで色めき立つ中、

サランがリビングに現れた瞬間、その場にいた全員の息が止まった。

彼女が身にまとっていたのは、オーバーサイズの黒いメンズテーラードジャケットに、

ハイウエストの細身のトラウザーパンツ。

小樽のアクセサリーはフル装備で、アクセサリーのプレゼント攻勢を防御しつつ、男女折衷スタイルで登場した。

サランは少年のような瑞々しさと、誰も寄せ付けない圧倒的な美貌を引っ提げて、

待ち合わせ場所へと歩き出した。

その様子をモニター越しに見ていたメインプロデューサーのキム・ソヒョンは、

机に高速タッピングをさせていた。

「なにあれ……! なんでメンズ服なの? 」

マッチング相手の男性メンバーは、ク・ドヒョン(23)、新人針鍼灸師である。

針治療院の2代目で繊細でアンニュイな雰囲気を纏う青年である。

目の前に現れたカナンの、カジュアルでありながら圧倒的なオーラを放つ「メンズライク姿」に、

完全に魂を抜かれたような顔をしていた。男装の麗人を目の前にして困惑したのである。

「カ、カナンさん……すごく、格好いいですね。」

「ありがとうございます」

サランは営業用のスマイルを浮かべたが、ソン・インナ風に振舞っただけである。

そしてデート早々にサランは早くも帰りたくなった。

会話が弾まないのである。

弾むどころか、彼の口から話題が出て来ない。

彼は実家ではまじめで大人しい後継ぎなのだが、女性アイドルに傾倒するだけで、

私生活では女性と積極的にコミュニケーションをとってきていない為。

何を話ししていいかわからなったのであった。

デートの様子を遠巻きに撮影するロケ隊の中では、

カメラの死角にいるスタッフと何度も視線を合わせた。

使えない映像が長く続く。

ところが、以前サランが経験したとおり、番組に関係ない女性2人組達が、

サランにとっかえ、ひっかえ声かけてきた。

アドリブを利かしたサランは、声かけてきた女性たちも合流させて、

ゲームセンターへ遊びに誘った。もちろん番組の収録の件も伝えてある。

サランと女の子達はクレーンゲーム機とカプセルトイに白熱し、

カメラの外ではク・ドヒョンに資金を無尽蔵に供出させた。

ク・ドヒョンはスポンサーでいる事で女性3人が喜んでくれたので、そう悪い気はしなかった。

実際に会話の心配も消えて、女の子達が盛り上がってくれたので満足したくらいであった。

女の子達に名刺を渡して、女優である事やモデルをやっている事を営業して別れる。

そして新たな女の子2名を誘ってブッフェスタイルの鍋料理の店で食事をした。

費用はすべてク・ドヒョンに払わせたのだった。

サランはシウには自分のお金を使うことに躊躇しないが、他の人には自分でも驚くくらい冷酷である事を、

この時初めて知った。

しかし、シウは庶民よりもはるかにお金持ちなので、サランが貢ぐ機会など皆無である。

なんでも買える人にプレゼントをする場合、何をプレゼントすると良いのだろう?

幸いな事に、シウもサランも4月生まれなので、プレゼントで悩むのは数カ月先になる。

サランは大きな紙袋いっぱいに、ぬいぐるみとお菓子とカプセルトイを入れて、

ラブハントシャトーに帰還した。

最初の週末デートは幕を閉じたのであった。


今後、記載する表現に関して、常識に基づいて気をつけて参りますが、

もしもを考慮して15歳未満閲覧非推奨を設定させて頂きます。

こちらに何か落ち度がございましたら、お知らせ願います。


※作中のメインキャラクターは日本語も韓国語も話せる設定となっておりますが、読む側を考慮して日本語表記にしております。キャラクター達は場面に応じて言語を使い分けているとご理解願います。


参考データ

※ユン・シウ…小説家25歳

※カン・サラン…女優志望のアルバイト20歳

※ソン・カナン...女優。カン・サランの芸名。ソン・インナに名付けられた。

※ソン・インナ…女優、シウの母親

※ユン・ジュンソ...シウの父。総合映像制作会社S.S.Iの会長

※ユン・ヒョヌ...シウの異母兄。ソヒョン・チョヨンの恋人。S.S.Iの後継者

※イ・ソジュン...シウの親友。Juringエンター専務。子犬の幼顔と低音ボイス

※イ・ウジン...映画監督。『残酷な美しさ』『私にキスできますか?』

※パク・ドユン...映画監督。シウの親友。Juringエンタ常務。映像制作部部長。

※イ・ダイン...『私にキスできますか?』ヒロイン

※キム・ソヒョン...シウの元恋人『Love Hunt』プロデューサー。

※ハン・チョヨン...女優『私にキスできますか?』イ・ダイン役

※ハン・ジヨン...女流写真家。奇跡の1枚を撮る「アメイジングメーカー」

※虹の薔薇組...ドユンのハーレム軍団。精鋭撮影チーム。

※佐藤直樹...ユン・シウの祖父。伝説の投資家。

※佐藤志乃...ソン・インナの本名。

※天翔樹林...ソン・インナのシルフィード歌劇団時代の芸名。

※涼風小鳥...中村綾。サランの母親。

※中村綾...サランの母親

※トリニティG...韓国最大の財閥グループ

※S.S.I...総合映像制作会社

※Juringエンタ...芸能事務所兼資産管理会社。会長インナ。社長シウ。

※アトリエ・ノア...中堅芸能事務所。サランことカナンが所属していた。

※『Love Hunt』…ネット配信の恋愛リアリティ番組

※『私にキス出来ますか?』…シウ作の小説

※『ずっと僕は君を』…シウ作の小説

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