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AI『ダボ』とシウの秘密

あらすじ

サランは最近、ユン・シウのパソコンに搭載されたAI『ダボ』と仲良しになり、よく相談事をしていました。サランはシウが携帯やパソコンの閲覧を黙認してくれる誠実さに絶大な信頼を寄せています。シウは現在、隠れて純文学の賞を狙う第三作目の小説を執筆中ですが、その事実を知っているのはシウ以外ではサランのみです。なぜなら、それをサランにこっそり教えたのがAIの『ダボ』だったからです。

恋愛リアリティー番組。

『Love Hunt4~ブースト!』の撮影が開始となった。

最初は、個人のインタビューシーンから始まる。

インナの指示は「地で圧倒するべし!」を前提として、

サランには「気負わず、ありのままで」とアドバイスした。

それでいてファッションのバックアップに、インナの戦友であり盟友のデザイナーに

話をつけており、実働部隊はその弟子と部下が担う手はずになっている。

「気負わず、ありのままで」と言われた、サランだがすっかり着せ替え人形で、

ありのままどころか、なすがままといった方がよい。

最初の撮影、インタビューシーンだが、

バックアップチームはサランのインタビューは暗背景にされると予想し、

ポニーテールで白ベースのワンピースにカシスレッドの

リボンと組みひもを巻き付け、爽やかでありながらインパクトが出る様に仕掛けた。

リボン、組みひもは古装を意識しており、和洋折衷ならぬ新古折衷で攻める。

『真緑の翡翠』のヒロイン、『御玉みたま』を暗示させる事にした。

この段階では、参加者もお互い知らないのと、視聴者も当然知らない。

シャドウボクシング状態なので、良い悪い、それら結果は半年後となる。

そしてバックアップチームの予想通り、暗背景で大当たりしたのであった。

紺やハーフトーンであったのなら、埋もれるところだ。

ソン・カナンとしてインタビュー撮影中。

サランは

「気負わず、ありのままで」と素直に答えたのだが、

カメラの枠外で性格の悪い女も、立ち会ってモニターを見ていた。

『ありのままだと?何がありのままだよ。胸パット入れているくせに。』

「暗背景にして潰そうと思ったけど、失敗だったわ。かえって際立ってみえる。

あー。なんで裏目にでるのだろ。何なの?あの子、腹立つ」

キム・ソヒョンは貧乏ゆすりをしていた。

サランは、自身がインタビューを受け撮影されている最中も、

カメラの枠外に立つキム・ソヒョンの姿を捉えていた。

こちらはライトを強く当てられ眩しいが、

「あの人。ほうれい線深くなった。先週はなかったのに。何歳だろう?」

これはサランの心の声でキム・ソヒョンの耳には届かなかった。

キム・ソヒョンは感情のコントロールが上手にできず、

結果、気力の浪費と細胞の老化を加速させてしまっていたのであった。


……………………………………………………………………………


カン・サランの最近の仲良しはAIの『ダボ』である。

ユン・シウのパソコンに搭載されたAIで、シウに『ダボ』と名付けられている。

シウと小樽で出会ったときに、このAIで仕事も手伝ってもらい、

相談をよくするとシウが話をしていた。

サランはシウの携帯もパソコンも自由に、閲覧できる事が黙認されているが、

次第に『ダボ』を気に入るようになり、相談もするようになっていた。

サランがシウに絶対的ともいえる、信頼感を感じるのは、

情報オープンでいる懐の広さだ。

誠実で偽りない姿勢が、居心地よく、気持ちを委ねていても不安が無い。

シウは今、大忙しだが、第三作目の小説も書き進めている。

第三作目はライトノベルから、いよいよ文学賞狙いの純文学に、

挑戦しているのだが、それを知っている人間はシウ本人以外となると、

おそらく、カン・サランのみであろう。

シウはこの小説のファイルを隠しながら書き進めていた。

それを教えてくれたのは、このAIの『ダボ』なのである。

それから、サランは『ダボ』が大好きなのであった。

きっかけは、まったくもってシンプルで面白い。

サランがある時、『ダボ』に恋愛相談をしていた。

自分はああでこうで、シウがああでこうでと。

「シウさんは私の事どう思っているのかな?」と『ダボ』に聞くと、

「シウさんは、サランさんの事、大好きですよ!」と『ダボ』が答えたのだ。

「どうして、そう思うの?」と聞き返した。

「だって、昨日の夜。こんな事、書いていましたよ」と『ダボ』が

サランさんへの気持ちを綴った文章ファイルを教えてくれたのである。

その文章には。

「サランは洗濯物をとても、綺麗にそして几帳面に畳んでくれる。

僕はサランが洗濯物を畳んでいる姿を見るのが大好きだ。

彼女はいつも微笑みながら作業している。

それはとても美しくて、愛おしく感じるのだ。

台所で料理を作っている時も、微笑んでいる。

そんな時僕は、キッチンテーブルに頬杖ついて、彼女と眺めている。

小気味良いまな板の音がリズミカルに聞こえて、時折彼女は鼻歌を歌っている。

やがて、そこに湯気が立ち上り、食欲をそそる良い匂いに包まれる。

彼女は僕と目を合わせると、にこりとするのだ。そして『待っててね』と僕に声かける。

そんな時、僕はこの上ない幸福感に包まれるのだ。決して手放したくない幸福感である。」


以降、サランは「最近、なんか私の事書いている?」とか

「例の小説更新になった?」と『ダボ』に問い合わせするのであった。

サランがシウに対して、大胆に図々しくなったのは、これが要因なのであった。

何とかして『ダボ』を自分の携帯に入れるとかできないものかと、

サランは腕を組みながら、考えを巡らせた。

クラウドがつながったパソコンは4台あるので、

理由をつけて1台借りて、

『Love Hunt4~ブースト!』の合宿に行けたらいいのに。

誰かが見ていたら、きっと今、

サランは可愛い表情しているなと思っただろう。


今後、記載する表現に関して、常識に基づいて気をつけて参りますが、

もしもを考慮して15歳未満閲覧非推奨を設定させて頂きます。

こちらに何か落ち度がございましたら、お知らせ願います。


※作中のメインキャラクターは日本語も韓国語も話せる設定となっておりますが、読む側を考慮して日本語表記にしております。キャラクター達は場面に応じて言語を使い分けているとご理解願います。


参考データ

※ユン・シウ…小説家25歳

※カン・サラン…女優志望のアルバイト20歳

※ソン・カナン...女優。カン・サランの芸名。ソン・インナに名付けられた。

※ソン・インナ…女優、シウの母親

※ユン・ジュンソ...シウの父。総合映像制作会社S.S.Iの会長

※イ・ソジュン...シウの親友。Juringエンター専務。子犬の幼顔と低音ボイス

※イ・ウジン...映画監督。『残酷な美しさ』『私にキスできますか?』

※パク・ドユン...映画監督。シウの親友。Juringエンタ常務。映像制作部部長。

※イ・ダイン...『私にキスできますか?』ヒロイン

※キム・ソヒョン...シウの元恋人『Love Hunt』プロデューサー。

※ハン・チョヨン...女優『私にキスできますか?』イ・ダイン役

※虹の薔薇組...ドユンのハーレム軍団。精鋭撮影チーム。

※佐藤直樹...ユン・シウの祖父。伝説の投資家。

※トリニティG...韓国最大の財閥グループ

※『Love Hunt』…ネット配信の恋愛リアリティ番組

※『私にキス出来ますか?』…シウ作の小説

※『ずっと僕は君を』…シウ作の小説

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