『真緑の翡翠~THEドラゴン・ジェイド』最後の戦い
あらすじ
大女優ソン・インナは、自身が考案した超スペクタクルアクションファンタジー映画『真緑の翡翠~グリーン ジェイド~』のあらすじを朗々と語り始めます。神託によって生まれた「なよ竹の巫女」の御玉と、最強の忍びである進次郎の悲恋と激闘を描いた壮大なストーリーに、隣で聞いていたカン・サランは感情移入して大号泣してしまいます。さらにインナは、進次郎役に息子のユン・シウを指名し、作中でサランと恋仲にさせる計画を明かします。シウは照れ隠しから「ラブシーンをいっぱい書く」と虚勢を張りますが、すかさずインナから「進次郎は冒頭ですぐ死ぬ」と突っ込まれ、見事なオチがつくのでした。
ソン・インナは朗々と語りだした。
「ジャンルは『超スぺクタルアクションファンタジー』。
題名は『真緑の翡翠~ドラゴン・ジェイド~』。サブタイトルは『最期の戦い』。
『山賀』の長老が神託を得て、
『なよ竹の巫女』と『蒼き狼の剣士』が誕生することを予言した。
『山賀』の娘『朱音』は、
孟宗竹の竹林で切り株に並々満たされた『光る酒』を飲んで子供を授かった。
『龍神の翡翠』を手に持ち生まれた娘は『御玉』と名付けられ、
『なよ竹の巫女』として育てられた。
一方、腕に青い狼の痣をもった男児も誕生した。
その男児は『進次郎』と名付けられ、忍びとして育てられた。
二人はいつしか成長し、『御玉は神々しいほど美しく、
進次郎は最強の忍びの一人として頭角を現した。
御玉と進次郎はやがて恋に落ち。
お互いに大切な存在として絆を深めて過ごした。
そして、『御玉』は神託を得て、きたるべき『最後の審判』が近い事を知り、
神剣『空斬刺鏡』を、
自ら打ち据えて、進次郎に託した。
そして平和が終わる時がきた。
焔が大軍を引き連れて、襲ってきた。
狙いは聖櫃と龍神の翡翠、そして『なよ竹の巫女の血』である。
山賀、伊賀、甲賀すべて総力戦を行うが、聖櫃と契約の石板は破壊され、
焔に致命傷を負わせて撃退するも、進次郎が戦死する。」
すすり泣く声が聞こえる。
話に没入し、カン・サランが泣いているのだ。
進次郎が戦死したからだと思う。
ユン・シウは手を止め、ティッシュボックスをカン・サランに手渡した。
サランは荒々しくティッシュを引き抜いた。
定位置に戻るため背中を向けた瞬間。
背後で鼻をかむ大きな音が2回した。
ソン・インナは再び目を閉じて語り出した。
「残された空斬刺鏡は『なよ竹の巫女の涙』を吸って、完成された神器となる。
御玉は嘆き悲しむが、生き残った少ない仲間にささえられ。
空斬刺鏡と龍神の翡翠を手にしたまま。
『始まりと終わりの地』アンヌプリに向かう。
龍神の翡翠で『最後の審判』を発生させ、悪の権化を抹消させる為である。
『始まりと終わりの地』の守り人により『イヨマンテの秘儀』で
結界を巡らせる事ができたが、
回復し復活した焔が結界を破り、御玉を亡き者とするために襲いかかる。
御玉は空斬刺鏡をかざし絶望的な戦いに挑まねばならなかった。
激闘の末。御玉は焔を抹消することに成功した。
だが、御玉も深く傷を負いいくばくかの灯であった。
やがて、月食は終わり、光と本来の月がもどり闇夜を明るく照らした。
御玉は山賀の生き残り、三蔵に空斬刺鏡を剣岳の山頂に突き刺す事を
最期の頼みとする。
三蔵が立ち去ると御玉の心が安らぎ『最後の審判』が発動する。
御玉は光に包まれ昇天し、月に吸い込まれていった。」
カン・サランが声を上げて号泣しだした。
続けて嗚咽を繰り返している。
「母上様。おわりでしょうか?」
「全部話しきったわ。おつかれさま」
ソン・インナは泣き止んだカン・サランを見て笑っている。
「母上様」
「なによ!」
「ぶっとんでいますね。さすが僕の母上です。」
「あなたも出演するのよ。進次郎はあなた。御玉と恋仲になるのよ。
他の俳優にやらせたら嫌でしょ?」
カン・サランが目の前にいるのに、なんて事を言ってくるのだろう。
カン・サランがこちらをみている。
ここは堂々と行くべきだ。
「うん。嫌だよ。俺が出るよ」
ソン・インナは面白がっている。
ユン・シウはカン・サランを見られない。
「脚本書くのは俺だからね。ラブシーンいっぱい作るよ」
虚勢をめいっぱいはってみる。カン・サランをさらに見られない。
「えっ?あなたさっき、ちゃんと話を聞いていたの? 進次郎は冒頭で出てきてすぐ死ぬのよ」
今後、記載する表現に関して、常識に基づいて気をつけて参りますが、
もしもを考慮して15歳未満閲覧非推奨を設定させて頂きます。
こちらに何か落ち度がございましたら、お知らせ願います。
※作中のメインキャラクターは日本語も韓国語も話せる設定となっておりますが、読む側を考慮して日本語表記にしております。キャラクター達は場面に応じて言語を使い分けているとご理解願います。
参考データ
※ユン・シウ…小説家25歳
※カン・サラン…女優志望のアルバイト20歳
※ソン・インナ…女優、シウの母親
※イ・ソジュン...シウの親友。Juringエンター専務。子犬の幼顔と低音ボイス
※『Love Hunt』…ネット配信の恋愛リアリティ番組
※『私にキス出来ますか?』…シウ作の小説
※『ずっと僕は君を』…シウ作の小説




